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フランス

……最近、変だなぁ

窓の外に伸びる薄曇りの空を眺めながら、ぼそりと呟いた。

世界が________重い。

その感覚は言葉にするほど明確ではなく、ただ胸の奥で鈍く沈んでいる。

自分でもどうしてこんなことを思っているのか、不思議で仕方なかった。

先日イギリスが訪ねてきた日を思い返す。

いつもより声が小さく、どこか遠くを見ていた。

笑ってはいたが、どこか余裕のない顔。

疲れてきっていた、顔。

フランス

……あの日のイギリス、どこかおかしかったな

僕は静かに机にあったカップを手に取る。

すると、奥から静かな足音が聞こえてきた。

わざわざこんなところに来るなんて、多分あの人以外いないだろう。

仏帝

また考え事かしら、フランス?

案の定、後ろから聞こえてきたのは仏帝_______僕の、兄だった。

フランス

うん。世界がさ、ちょっと……ずれてる気がして

仏帝はカップを机に置くと、わずかに眉を寄せた。

仏帝

……ずれてる、って?

フランス

うん。空気が重いし……

フランス

それに、イギリスもイングランドも変。前よりずっと。

仏帝は何かを言いかけたが、すぐに口を閉ざした。

仏帝

……気のせいだと、いいわね

“気のせいだといい”。

__________何かを知っている者の言い方だ。

そう思った瞬間、胸のざわつきはさらに濃くなった。

フランス

...なにか知ってるの?兄さん

仏帝

いいえ。ただ...直接的なことはわからないわ

フランス

そっか...ごめんね

カップを持って、その場を立ち去ろうと、彼に背を向けたときだった。

仏帝

...フランス。疲れているのなら、休むと良いわ

仏帝

私も、貴方が疲れているところは見たくないもの

フランス

うん...ありがとう

…さっきの、言い方は。

直接的なことはわからなくとも、

心当たりはあるっていうこと、だよね。

フランスは歩きながら、自室へ向かった。

廊下の途中で、ふと足が止まる。

フランス

……やっぱり何かが、欠けてる

その“何か”が何なのかわからない。

わからないこと自体が、妙に怖かった。

そういえば、前に兄さんが言っていた。

イギリスが、『兄はイングランドだけです』と言っていたらしい。

それは僕も知っている。

ヴェールも北アイルランドも、国家として存在はしているが、擬体はいない。

普通なら気にもしないはずの言葉。

僕も認知している事実。

…それなのに、頭の中で引っかかって離れない。

フランス

どうして、これが気になるんだろう……

世界が忘れた“誰か”がいる。

そんな気がして、息が浅くなった。

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