フランス
窓の外に伸びる薄曇りの空を眺めながら、ぼそりと呟いた。
世界が________重い。
その感覚は言葉にするほど明確ではなく、ただ胸の奥で鈍く沈んでいる。
自分でもどうしてこんなことを思っているのか、不思議で仕方なかった。
先日イギリスが訪ねてきた日を思い返す。
いつもより声が小さく、どこか遠くを見ていた。
笑ってはいたが、どこか余裕のない顔。
疲れてきっていた、顔。
フランス
僕は静かに机にあったカップを手に取る。
すると、奥から静かな足音が聞こえてきた。
わざわざこんなところに来るなんて、多分あの人以外いないだろう。
仏帝
案の定、後ろから聞こえてきたのは仏帝_______僕の、兄だった。
フランス
仏帝はカップを机に置くと、わずかに眉を寄せた。
仏帝
フランス
フランス
仏帝は何かを言いかけたが、すぐに口を閉ざした。
仏帝
“気のせいだといい”。
__________何かを知っている者の言い方だ。
そう思った瞬間、胸のざわつきはさらに濃くなった。
フランス
仏帝
フランス
カップを持って、その場を立ち去ろうと、彼に背を向けたときだった。
仏帝
仏帝
フランス
…さっきの、言い方は。
直接的なことはわからなくとも、
心当たりはあるっていうこと、だよね。
フランスは歩きながら、自室へ向かった。
廊下の途中で、ふと足が止まる。
フランス
その“何か”が何なのかわからない。
わからないこと自体が、妙に怖かった。
そういえば、前に兄さんが言っていた。
イギリスが、『兄はイングランドだけです』と言っていたらしい。
それは僕も知っている。
ヴェールも北アイルランドも、国家として存在はしているが、擬体はいない。
普通なら気にもしないはずの言葉。
僕も認知している事実。
…それなのに、頭の中で引っかかって離れない。
フランス
世界が忘れた“誰か”がいる。
そんな気がして、息が浅くなった。






