終わりは、いつも突然やってくる
いくら信じていたって関係ない
運命が、終わりを呼び寄せる
母
母
弥生
弥生
心臓が、もう終わりをとげるのではないか 嫌な音をたてる
母
弥生
頭で考える前に、先に口が必死で動いていた
母
母が、こんなに 取り乱して怒っているのを初めてみた
母
パタン
玄関の、ドアが閉まった
これ、これが現実?
確かに、お父さんは私が小さい頃亡くなっていて、お母さんが苦労したのもほんと
でもっ、でも…
お母さんはいつも優しくて
テストで100点取ったら褒めてくれて
妹の実花の世話をしたら喜んでくれて
…怒ること、なんてなかった
信じたくない
こんなの嘘だ
夢だったら、早く覚めてよ
ねぇ、早く…!
ん…誰?
目を開けると、泣きそうな顔をした実花がいた
台所で寝ちゃってたみたい…
実花
弥生
弥生
冷蔵庫の中は…
これでカレー作れるかな、
サクッサクッ
包丁の音だけが響く
実花
弥生
実花
弥生
そう、だよね…
これは、夢じゃない
現実
私たち、お母さんに捨てられたんだ…
弥生
実花
こんな、純粋な可愛い子が
親に捨てられたなんて…
言えない。実花には言えないよ…
弥生
弥生
実花
実花は何か悟ったのか、
それ以上は何も聞いてこなかった
その夜
実花
弥生
実花を寝かしつけて
私も何となく横になる
勉強、しなきゃだけど
眠い…
10分だけ……
ん…
そろそろ起きなきゃ…
ぼんやりした頭で時計を見る
わ、もう1時間たってる…
寝すぎた…
そう思って起きあがる
……あれ?
実花、実花がいない
布団の中にも、トイレにもいない
もしかして…
私が玄関に向かうと
そこに、実花の靴はなかった
外に行っちゃったのかな
お母さんを追いかけてった…?
私はパジャマ姿なのにも関わらず外に飛び出した
弥生
弥生
弥生
光の灯る木の下に実花がいる
弥生
あれ…
実花は私の声が聞こえないかのように
フラフラ歩いていく
弥生
弥生
キキー!!!
実花
実花
そう、あの日、イルミネーションの灯る、 冬の日
私が、お母さんがいなくなった現実を受け止められなくてよくわからずに家を飛び出した夜
お姉ちゃんが私を探しにきてくれて
…でもそのとき、私は変な意地張って
お姉ちゃんから逃げた
その先に、車が猛スピードで走っていて、
…その車から私を庇って
お姉ちゃんは死んだ
その後、私は施設に入れられて
だからこんなに落ち着いて、お姉ちゃんのお墓に来れたのははじめて
今も、後悔してる
あのとき、変な意地張らずにお姉ちゃんの元に行けばよかった、って
実花
そのとき
『私のことは気にしなくていいんだよ。 実花が無事でよかった。 私の分も頑張って、生きてね__』
きっと
お姉ちゃんだよね…?
私、頑張るよ
お姉ちゃんみたいに
『ありがとう』
コメント
6件
めっちゃいい…… え?お題めちゃ難しいのに…参考にさせていただきます…
久しぶりのストーリーでなんかおかしい() お題と合ってない気がするのは気のせい…のはず(逃)