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まってぇ?見るの遅れたんだけど😭泣きそう()そして相変わらずお話は好き。その想像力?分けて欲しい(())そして出た、しわくちゃピカチュウ( ・ὢ・ )夜中に笑ったww
とても良い作品ありがとうございます!! 蘇枋さん大胆〜!笑 付き合ってくださいとかじゃなくて恋してみない?みたいなの大好きです!! 納豆食べるって言ってる桜かちょっと意地悪で好きです!! 仲睦まじくて微笑ましいです! キャンディの意味「あなたが好きです」「長く続く関係を望む」偶然だったとしても飴を渡すとこ大好きです!!桜が意味知った時の反応気になる、、 いつも素敵な作品ありがとうございます!
今回も素敵なお話ありがとうございます✨ お久しぶりですどっかの誰かさん。 久々の投稿に胸を踊らせて読ませて頂きました😊 多忙の中投稿ありがとうございます🙇♀無理のない程度で頑張ってください‼応援してます🍀 しわくちゃピカチュウの2度目の登場にまたもや笑ってしまいました🤭 題名までたっぷり意味の込められたどっかの誰かさん。の小説、美味しく頂きました💕 これからも応援してます🫶
桜
街中に、ショーケースに入った沢山の色とりどりのチョコレイト達を見つけ、 桜は思わず立ち止まった。 見出しに大きく書かれた文字は、 バレンタインフェアとかかれており、 思わず口から溢れ出ていた。
今まで自分には縁がなかったが、そう言えば、今日は2月14日の バレンタインデー。 周りも恋愛的な何かの雰囲気が漂っており、道理で、街に入った辺りから、ムズムズするというか、顔が少し暑いというかを感じていたのかと、妙に納得した。
改めて街を見渡すも、何処もバレンタイン、バレンタイン、バレンタイン。 ピンクや赤のハートのイラストが描かれたポップがたくさん張り出されてあった。 今まで気づかなかった事に気づいてしまい、思わず顔を俯け項垂れる。
考えても仕方ないと、 思考を断ち切る様に、 さっきまでの事は何も見なかった事にして、桜は、その場から逃げる様に、あの騒がしい教室へと駆けていった。
教室に入る前から、ザワザワとした少し騒がしい声が聞こえてきていた。 ドアを開けていざ足を踏み入れると、 いつもと同じ、騒いでいるという点には変わりは無いのに、 どこか、皆揃ってソワソワしていたり、耳に入ってくる話題はバレンタインでの事で持ち切りだった。
教室をぐるりと見渡すが、蘇枋や楡井はまだ来ていないらしい。 それもそうだ。商店街から全速力でここまで走ってきたので、 まだまだ時間にも余裕があるのだから。
安西
教室に入って1番に声をかけ、肩を組んできたのは安西だ。 その表情はどこかニヤニヤしている。 きっとろくな事を話してくるに違いない。
安西
ほらな。ろくな事じゃない。 めんどくさいなと、1つ深いため息をついた。 それでも安西は気にせず話しかけてくる。
安西
凄いだろうというように安西は胸を叩いて見せた。 その手には、確かにピンクや赤の可愛らしいラッピングがされた2つの箱が乗っていた。
栗田
安西
安西は組んでいた肩から手を話、 そそくさと栗田の方へと行ってしまった。どうやら自分の貰ったチョコの話を自慢したかっただけらしい。
少しばかりイラッときたが、 安西にチョコをあげた商店街のおばちゃん達に免じて許してやる事にした。
クラスメイト達の話を聞くに、 みんなチョコを貰ったのは、やはり商店街の人間からか、身内かららしい。 それでもまだ今の時間は早朝だ。 自分にもまだチャンスはあると、 クラスの男共は燃えていた。
バレンタインは自分には縁が 無いものだと、 そのまま黙って自分の席に 座ることにした。
静かに窓の外を眺めていると、 段々人が増えてきたのか、 先程までうるさかった教室が、質量をまし、より一層うるさくなっていた。 そろそろ時間も近ずいてきているのに、未だ蘇枋と楡井は居ない。
1番よく話しかけてくるのがあの2人なので、騒がしいはずの教室の中で、何故か孤独を感じた。 この感覚が少し懐かしくて、虚しくて、少し空いた窓から吹き込む少し冷たい風に目を細めた。
楡井
蘇枋
ガラリと開いた扉に目を向ければ、 ミモザ色の髪をした小さな身長の男と、タッセルピアスをゆらし、右目には眼帯をして、ぴしりと姿勢よく立っている男がいた。
ふと時計をみると、 時間はギリギリ。 楡井はどこか息切れしていて、 後ろにいる蘇枋は、いつも通り胡散臭い笑顔で笑っていた。
すかさずクラスメイトが2人を逃がさんと言わんばかりに駆け寄り、チョコを何個貰ったかを問い質し初めた。 特に、高校生ながら、顔が整っている蘇枋に、だ。
安西
栗田
クラスメイトの猛攻撃に、 蘇枋は眉を下げ、しわくちゃピカチュウの様な顔をしてみせた。
蘇枋
安西
あいつ、チョコ食うと溶けるのか... そう1人思っていたところで、 安西が嘘だろ!と突っ込みを入れていた。 嘘だったのかよ。あいつ...いつか絶対納豆食わしてやる。 と、今回は自分に対して嘘を付かれた訳では無いのに、無性にイラッと来たので、いつか絶対に納豆を食わすと、拳を固く握り決意を固めた。
柿内
楡井
柿内
安西
楡井
チョコの数で楡井に 負けたらしい安西が、 嘘だろうと嘆いている。 楡井はと言うと、口を引き攣りながら、 困った様に笑っていた。 「あ!でも1つはことはさんに貰いましたよ!!」と、楡井が何故か安西を慰めていた。 チョコが1つ楡井の方が多いくらいで なんだというのだ。
安西が悔しそうな顔のまま、 標的を変えると言わんばかりに蘇枋へと質問攻めを始めていた。 それも蘇枋はのらりくらりと交わしていたが。
桐生
そんな騒ぎに巻き込まれぬ様、こっそり後ろの戸から入ってきた桐生が、 こちらに近寄り、あいさつをしてきた。
桜
ちらりと見た桐生の腕いっぱいに抱えられた紙袋には、たくさんのチョコが入っていた。 見る限り、手作りや、買ったもの、種類も豊富で色々入っていた。
桐生
桐生
桐生
そう言い、桐生はチョコが沢山入った紙袋を、机の横にあるフックに引っ掛けた。 その後に定位置であるロッカーの上へと 座り込んでしまった。 どうやらバレンタインゲンテーイベントとやらがあるらしい。 簡単に言うとゲームが忙しくなるだとか。
桐生は白いイヤホンを耳に身につけ、 完全に聴覚をシャットアウトしていた。 どうやら、ゲームに集中したいらしい。 蘇枋と楡井はと言うと、未だクラスメイト達に囲まれ、質問攻めにあっていた。 これじゃあ時間になるまで解放されないな。 こうしてまた賑やかな教室で1人になってしまったな。 そう思い、先程から冷たい風を浴びていたせいで、1つくしゃみが出た。
結局、昼時まで、喋ることなく、授業を終えた。 俺がずっと寝ている所為もあったからだろうが。
机を並べ、 いつものメンバーで昼食を取る。 蘇枋はいつも通りペットボトルの水を手にしていた。
桐生は軽食を食べた後、チョコを消費しようと包み紙を開けていた。 楡井はいつも通り母親が作ったであろう弁当を美味しそうに食べていた。
柘浦は、プロテインを飲み干した後、筋トレに明け暮れている。 当分こちらには戻ってこないだろう。
自分はサボテンで買ったカレーパンに大口を開けてかぶりついた。
桐生
朝の出来事を思い出したかのように、桐生が蘇枋へと質問を投げた。
蘇枋
蘇枋がちらりと俺の方をみた。 なんでこっちを見るんだと首を傾げるが、 蘇枋は何も言わず桐生に向かって返答をしていた。
蘇枋
桐生
桐生
楡井
桐生
蘇枋
蘇枋の不満気な声を無視して桐生は楡井と話している。 話の途中途中で蘇枋が2人に、 ねぇ。ちょっと? とちょくちょく話しているのが面白い。
桐生
楡井
あぁ、なるほど。だから2人が登校してきたのは、時間ギリギリだったのか。 それでもなぜ全部断ったのだろうか。 まぁ、商店街を全速力で突っ切って、 人の話など何一つ聞かなかった俺が言うことでは無いだろうが。
蘇枋
桜
蘇枋
大口で頬張った所為で、頬に着いてしまったのだろうか。 蘇枋に指摘され、ばっと自分の 頬を触るが、それらしいものは付いていなかった。
蘇枋
桜
ふざけんな!!と文句を言いたかったが、蘇枋にまぁまぁ。と言いくるめられてしまった。
蘇枋
先程まで蘇枋を無視して話していた桐生も楡井も興味があると言わんばかりにじっと蘇枋が口を開くのを待っていた。
蘇枋
これを聞いて、ズキリと胸が傷んだ様な気がした。 でもそれを、知らないふりをして、 胸のもやもやと一緒に腹の奥底へとしまった。
桜
蘇枋
桜
桜
少し肩を下げた蘇枋に、 こいつにならどんな奴でも喜んでチョコくらい渡すだろと思った。
蘇枋
桜
蘇枋に好きな奴がいると聞いた桐生なら、質問責め位そうだが、 何故かその表情はこちらに暖かいような、ニヤリとした様な笑みを浮かべていて、楡井は何故か呆れていた。
蘇枋
桐生
楡井
桜
その日1番大きな声が出て、 クラスメイトの視線が、一気にこちらに向いたのは、言うまでもない。
蘇枋
蘇枋
なぜ、こうなったのだろうか。
桜
蘇枋の思わぬ冗談に、 顔を赤くしながら声を荒らげた。 本当になぜこうなったのだろうか。 俺はなぜ蘇枋と二人きりで帰っているのだろうか。
うーんと考え、時を少し遡ってみる。
時刻は放課後。 教室で帰る準備をしていると、 蘇枋に二人で帰らないかと誘われ、 今こんな状況になっている。 今日ばかりは、早く商店街を掛け去りたかったが、蘇枋がいるのでそういう訳にも行かず……周りのオーラと、蘇枋がいつもの調子でからかってくるので、 顔の熱は冷えないしで散々だ。
蘇枋
桜
そろそろこいつ1発殴ってやろうか。 そう思い固く拳を握りしめたところで、 蘇枋に改めて名前を呼ばれ、 思わずその場に立ち止まってしまった。
桜
蘇枋
桜
蘇枋
バレンタインという行事は、桜からすれば、関係の無い物だった。 だから驚いてしまったのだ 急な蘇枋からのチョコに。
桜
桜
桜
男同士でチョコを渡し合うという話はあまり聞かない。というか、今日教室で誰も私あっていなかった。
蘇枋
桜
蘇枋
どちらかと言えば、恋人同士で渡すよりも、友達同士で渡し合って楽しむ人の方が多いみたいだしね。 と、蘇枋は笑って言葉を付け足した。
桜
そう。蘇枋は友達同士でチョコを渡し合うと言ったのだ。 でも桜は、チョコなんてもの1つも持ち合わせてなどいない。
蘇枋
それでも貰いっぱなしというのは流石に申し訳ない。なにか無いかと、ポッケの中を探ってみることにした。
桜
蘇枋
蘇枋
桜
手のひらを出すように促し、 蘇枋の手にころりと1つの飴玉を差し出した。 こんな適当な物で、いいのかと思うが、ないよりはマシだろう。 それに今度ちゃんとしたチョコを買っていってやろう。
蘇枋
そう言う蘇枋は、どこか嬉しそうに見えて、「変な奴」という言葉が1つ零れた。 蘇枋は、ポツリと、意味分かってるのかな、なんて言っていたが、 なんの事だかさっぱりだ。
蘇枋
桜
桜
蘇枋
そういえば、こいつ、本命以外にチョコを受け取らないって言ってなかったか……?そう思い出したが、 自分が渡した物は飴だ。考えすぎだろう。
そう思いたかったが、 友チョコなら楡井や桐生、柘浦に渡さないか……?なんで俺だけ……? そう考えて、1つの可能性に気づいてしまい、頬が無意識に暑くなった。
顔を見られまいと、 下を向くが、 蘇枋に顔を覗き込まれてしまった。
蘇枋
蘇枋
桜
赤い隻眼が、ニヤリとこちらを見つめてくる。まるで逃がさないとでも言う様に。
蘇枋
蘇枋
桜
体が沸騰している様に暑い。 心臓がドクドクと、激しく鳴り響き、 蘇枋の言葉に何一つ返すことは出来なかった。
蘇枋
冬に反して暑い蘇枋の手のひらが、 俺の頬にそっと触れた。 その表情は、甘いチョコよりも甘くって、 ドロドロとした様な笑みだった。
顔を赤くそめ、蘇枋の顔を見つめるだけで、その場から1歩も動けない。 まるで時間が止まってしまったかの様に。
血液が早く巡っているのを感じた。 どくどくとなる心臓の音は、 もうどちらのものかは分からない。
蘇枋
蘇枋
他の誰にも聞こえない様に、 蘇枋はそっと耳打ちひてきた。 少し低くも甘い声に、 体がビクリと震えた。
蘇枋
蘇枋に両手を捕まれ、 優しく包み込まれた。 その状態のまま、蘇枋は 眉を下げて、こちらを見た。 髪の隙間から見える赤くて綺麗な隻眼は、真剣そのもので、 その触れた手から伝わる体温が、これは夢じゃないよと伝えて きているみたいだった。
桜
桜
上手く声は出せているだろうか。 蘇枋に、ちゃんと気持ちを伝えられているだろうか。
蘇枋
桜
蘇枋
桜
桜
桜
この続きを言うには、恥ずかしすぎて、 口ごもってしまった。
蘇枋
桜
俺がまだこの言葉を出せないと、 気がついたのだろう。 続きは全て、 蘇枋に言われてしまった 小さく返事をしたが、聞こえていただろうか。
それでも、蘇枋の急な敬語に、 雰囲気も何もかもぶち壊して、笑ってしまった。 そんな俺に、蘇枋は、呆れたように、 それでも楽しそうにこちらを見て、 「もぉ、ムードも何もないじゃないか。」だなんて言っていた。
蘇枋
桜
蘇枋
桜
この男は、本当に、 どこまでも食えない奴だ。 繋いだままの手が、 そのままなのは、気付かないふりをした。 きっと意識してしまえば、顔が赤くなってしまうし、蘇枋に揶揄われる様な気がしたから。
蘇枋
桜
蘇枋
桜
どれだけ来るなと言っても、話をジャンジャンと進められた。 こちらの言い分を聞く気はないらしい。 腹いせに明日の朝飯は絶対納豆にしようと思う。これは絶対だ。
蘇枋
桜
何。そう聞く前に、唇をなにか柔らかいもので塞がれた。 それはただ優しく触れるだけで離れていったが、 俺の思考を止めるには十分だった。
桜
蘇枋
こいっっっつ!!!! 顔を赤くする俺とは違い、蘇枋は俺の反応を楽しそうに、ニコニコとこちらを見ていた。 本当にこいつ、綺麗な面に1発入れてやろうか。
蘇枋
桜
蘇枋
スラスラと恥ずかしげもなく言葉を放つ蘇枋に負けじとこちらも何か言い返す。
桜
蘇枋
桜
蘇枋
桜
蘇枋
蘇枋が今までにないほど嫌そうな、 とても困った様な、 面白いほどに表情コロコロと変えていた。
蘇枋に一生愛される覚悟。 きっと、それは、一生出来ないかもしれない。 それでも、このままの楽しい日々が、 ちょこっとだけじゃなくて、 ずっと続けばいいな。 そう思うことは、悪くないことだろう。
蘇枋
桜
ちょこっと恋して見ませんか。
ℯ𝓃𝒹