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No side

りうら

瞬く、その1秒にも〜♪

りうら

満たない刻が
お前の運命を導く〜♪

炎の様に赤く染められた髪を揺らし、 鼻歌混じりに軽い足取りで歩く 青年の影が一つ。

高校への登校途中のため、 白い半袖シャツに黒ズボンという 実に爽やかな格好で歩くのは、 賽子高校一年生、 『赤間りうら』である。

お気に入りのヒヨコの飾りがついた ヘアピンで纏めた前髪を揺らす彼は、 "人目など気にしていない" と言わんばかりの様子で スキップをする。

爽やかな格好と爽やかな通学路、 爽やかな選曲と 夏らしさを感じる現在、 りうらは汗を流しながら 登校までの道を歩いていた。

りうら

__魂から咲き乱れろ〜♪

りうら

...って、"兄貴"っ!

りうら

"ほとけ"っち!
"初兎"ちゃん!
おーい!

ふと、見上げていた青空から 視線を落とし 道路の先を見ていると、 仲良く横に並び話している三人組の 背中を見つけた。

三人組から聞こえていた笑い声が りうらが声を発すると同時に止み、 一番右側で歩いていた 水色髪の青年が勢いよく振り返る。

ほとけ

りうちゃんだっ!
おはよー!

駆け足で近寄ったりうらを、 獲物を狙う目で抱きしめた 『水谷ほとけ』に続き、 白髪の『白畑初兎』と 黒髪の『黒俣悠佑』が おはようと挨拶を返した。

りうら

うん、三人ともおはよっ!

にこやかな笑顔で 挨拶をさらに返したりうらは、 自然と三人の間に入りこむ。

当たり前の様に それを受け入れたほとけ達は、 普段のりうらとは違う足取りな事に 気がついたのか、 顔を覗き込んで彼に尋ねた。

初兎

なんか今日、
りうちゃん機嫌ええなぁ

初兎

何かええ事あったんか?

りうら

ふっふっふ、実はね...?

意味ありげに顎に手を当てたりうらに、彼のファンを自称するほとけは、 彼の言葉を遮り、横から手を上げて 答えを当てようとし始める。

ほとけ

わかった!
りうちゃんの好きなボカロPさんが、新曲投稿してたんでしょ!

りうら

...もしそうだったら、速攻でお前らに"MV聞け"ってL○NE送ってるわ!!

自信満々に胸を張って そう答えたほとけに、 りうらは若干怒り気味で叫んだ。

突然の隣からの大声に 耳を塞いだほとけは、 その後驚いた様に目を開く。

ほとけ

えっ嘘、
そんな事してなくない?!

悠佑

ほとけ、全くりうらとのL○NEの内容見とらんやん...w

りうら

そんなんで、俺のファンを
名乗るんじゃねぇ!

ほとけ

そんなぁ、りうちゃーん!

涙目でりうらに抱きつくほとけを、 初兎と悠佑が苦笑しながら 通学路を歩いていくと、 一つの家の前に見知った顔が立ち尽くすのを発見した。

柔らかな桃髪を揺らす、 『胡桃沢ないこ』である。

りうら

おーいっ、ないくーん!

ないこを兄の様に慕っているりうらは すぐにほとけを剥がして、 ないこの元へ駆け寄った。

腕に付けた時計を見ながら、 少しばかり苛々した様子のないこは りうらの声に反応して、 すぐにこちらを振り向く。

ないこ

おはよ、
朝から勢ぞろいだね〜

りうら

皆、登校途中に会った!

犬の様にないこへ尻尾を振るりうらの頭を優しく撫でたないこは、 りうらの後ろからやって来た三人とも軽く挨拶を交わす。

悠佑

...なんや、
また"いふ"出てこんの?w

小さく拗ねた様に頬を膨らませたないこが待っている相手は、 ないこの幼馴染の『青戸いふ』。

家が隣なのもあるため、 ないこといふは 二人で一緒に登校する事が多い。

どうやら今日も二人は待ち合わせ時間を設けていたらしいのだが...。

ないこ

そうなんだよね、もう待ち合わせ時間過ぎてるっつーの...!

初兎

まぁまろちゃんの事やし、
多分寝坊やろなぁ

いふはないこがいくら言っても、 寝る時間が遅くなってしまうらしい。

毎回その所為で、 ないこは登校時間でハラハラさせられなければならないのだ。

りうら

そんなに間に合うか心配なら、
ないくん家入っちゃえば?

りうら

幼馴染なんだし、お母さんとかも許してくれるんじゃないの?

ほとけ

えー...あんな人置いていけばいいじゃん、遅刻して一回わからせた方が良いよ

ないこ

別に入っても良いんだけどさ...

りうらからの提案に、 少しばかり躊躇いを見せるないこ。

不思議そうに首を傾げた四人に、 ないこは大きなため息を吐いて 困った様に首を横に振った。

ないこ

まろは寝起きがすごく
ポヤポヤしてるから...

ないこ

平気で俺を布団に取り込もうとしてくる所為で、俺の心臓がもたん...!

悠佑

あー...

恥ずかしそうに唇を噛んだないこへ、 悠佑は無表情の中そう返事をする。

ないこがいふの事を恋愛的に好きだと知っている四人は、 なんとも言えない返事を返した。

微妙な空気感が 五人を包み込んだところで、 ふと扉がガチャリと開く音がする。

ないこ

__あっ、もうまろ!遅い!

いふ

んー...ごめん

まだ眠気が残っているのか、 開ききっていない瞼を擦ったいふは ないこの言葉を軽く流した。

それからりうら達 四人がいるのを目視して、 "おはよ"とお決まりの挨拶をする。

悠佑

今日もだいぶ眠そうやなぁ...w

いふ

夜ずっと本読んでた、
寝たのいつもより遅かったし

初兎

へぇ、何時ごろだったん?
寝たの

いふ

...3時とか?

ほとけ

はぁ?おっそ、アホじゃん!

いふ

うるっせ!

ないこ

あれほど
ちゃんと寝ろって言ったのに...

思わず頭を抱えた ないこの隣にいふが立って、 六人で再び通学路を歩き始める。

ないこ

だからさぁ、
もう少し早く寝る努力を...

いふ

だって続き気になるねんもん!

ないこ

次の日読めば良いでしょうが...

ちょっとしたないこの説教が いふに対して行われた所で、 ほとけは何かを思い出した様に 口を開いた。

ほとけ

そういえばさ、りうちゃんが今日あったいい事って何だったの?

ないこ

えっ、りうらにあったいい事?
...何の話?

話の内容を知らないないこといふは、 四人の前で首だけ後ろを振り返って 尋ねる。

そんな二人に対して、 悠佑は"いふの家に着く前にしてた話なんやけど"と説明した。

悠佑

りうらが機嫌良さそうだったから、なんかええ事あったんかーって言っとってん

いふ

なんやろ、
目玉焼き綺麗に焼けたとか?

りうら

流石にそんな些細な事じゃないよ...

"何もわかってない"と言わんばかりに 首を大きく横に振ったりうらは、 溜めに溜めた言葉を __ついに言い放った。

りうら

朝の占いの結果、星座と血液型のやつどっちも一位だったんだ!!

初兎

...ほーん

悠佑

...へぇ

ないこ

...あっ、はい

いふ

...w

りうら

え、どうしたの皆

薄いリアクションしかない事に 不安を感じたのか、 りうらは不思議そうな顔で 五人の顔を覗き込む。

いふが小さく笑いを堪える中、 ほとけがこの場をなんとかしようと 立ち上がった。

ほとけ

さ、さっすがりうちゃん!

ほとけ

今日は凄くいい事がありそうだね!

りうら

でしょー?
星座占いで一位はよくあるけどさ、星座と血液型両方含まれた占いで一位って中々無いよね!

拳を強く握りしめたりうらは、 近くにあった公園の花壇に足を置いて キラキラと瞳を輝かせた。

りうら

今日はもしかしたら、自販機の下に札束が落ちてるかもしれない!!

悠佑

札束まで来たら、もはや警察やな

初兎

そもそも自販機の下って札束入らんとちゃう?
どうやって落としてんやろ

ないこ

いや、札束落とし物してる時点でおかしいから...

いふ

...てか、内容ショボいな

彼らが好き勝手に言っている間に、 りうらは"お前らの声など聞こえない" と無言で歩き始める。

ほとけ

ちょっ、りうちゃん!
待ってよー!

りうら

うるせぇ!俺は今日学校の自販機の下を全て回ってみせるからな!

りうら

10万見つかっても、
お前らにはあげないぞ!

一人でさっさと歩いて行ってしまう彼に、五人は早足で着いていく。

いふ

...別に欲しいとも

悠佑

思わないんやけどなぁ...w

__登校だけでもこの騒がしさ。

こんな青年達の日常、 覗いてみたくはなりませんか...?

新連載 『僕らの青春活動記録』

オマケ

初兎

(一人約一万七千円かぁ...)

初兎

...微妙やな

ないこ

ん?なんか言った?初兎ちゃん

初兎

いや、なんでもないでー

悠佑

(...絶対十万見つかった時の取り分考えてたな)

うらら

と、いう事で新連載!

うらら

前に書いてた長編の続きが書けなくなってしまいまして、別の連載を作らせて頂きました

うらら

今回はコメディ!

うらら

一応恋愛要素もいれますが、基本的にはコメディが多めになります

うらら

あと、不定期投稿です!

うらら

設定は以下の通り

『赤間りうら』 高校一年生、ヒヨコとポテトが好き。 ないこの事は中学からの同級生で、 兄の様に慕っている。 いふとないこ以外のメンバーは 高校で出会った。 恋愛よりも友情派。

『水谷ほとけ』 高校一年生、トラブルメーカー1。 初兎とは高校での寮で同じ部屋だったのがキッカケで、仲良くなった。 "自称"りうらのファン。 恋愛よりも友情派。

『白畑初兎』 高校一年生、トラブルメーカー2。 らび丸と名付けたぬいぐるみの相棒を持ち歩いている。 ほとけと主犯になる事が多いが、 結構な頻度でツッコミに回る。 恋愛に興味もあるけど、今は友情派。

『胡桃沢ないこ』 高校二年生、生徒会長。 いふの幼馴染で、 小さい頃から彼が恋愛的に好き。 中学にバスケ部に入っていたのもあって、文武両道の擬人化みたいな人。 友情も恋愛も大事にしたい派。

『青戸いふ』 高校二年生、副会長。 ないこの幼馴染だが、彼からの好意に一切気がつかない鈍感男。 出会った頃から生意気なほとけに対しては当たりが強い、悠佑は好き。 恋愛がよくわからない派。

『黒俣悠佑』 高校二年生、部活の助っ人マン。 一番ツッコミしてるのは多分この人。 みんなと騒ぎながら、一歩後ろで彼らを優しく見守るお母さん。 恋愛よりも友情派。

うらら

多分出てくるCPは青桃だけ...だと思います

うらら

短編みたいな感じなので、どこから読んでも楽しめる様な感じにする予定です!

うらら

ギャグのセンスはありませんが...楽しんで頂ける様に頑張ります!()

うらら

応援、よろしくお願い致します!

うらら

以上、作者でした!

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