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冨岡義勇
……っ！
胡蝶しのぶ
冨岡さん…っ！！
胡蝶しのぶ
すみません…っ、私を庇ってっ怪我を…！
冨岡義勇
いや…っ、大丈夫だ
胡蝶しのぶ
何が大丈夫ですか…！出血が……っ！！
冨岡義勇
それより、鬼を…！！
鬼は不気味に笑いながら走って逃げて行く
胡蝶しのぶ
でも…！
冨岡義勇
行けッ！！
胡蝶しのぶ
っ……わかりました、私が帰ってくるまで、死なないで下さいよ…！
冨岡義勇
あぁ…
しのぶは鬼を追いかけ走っていった
冨岡義勇
………こんな所で…死ねるか
冨岡義勇
(せっかく、しのぶと恋仲になったのに。死ぬにはまだ早すぎる…)
冨岡義勇
…………止血を、しないと…
義勇は怪我をした所に全集中する。血はあっという間に止まった
冨岡義勇
無事でいてくれ…しのぶ…
冨岡義勇
…………
胡蝶しのぶ
冨岡さん…！
冨岡義勇
！！胡蝶！
胡蝶しのぶ
良かった…
冨岡義勇
胡蝶こそ…大丈夫か？
胡蝶しのぶ
……それが…血鬼術を、かけられてしまって…
冨岡義勇
何！？どんな血鬼術だ！？
胡蝶しのぶ
それが………分からないんです…鬼は殺してしまいましたし……何の血鬼術にかかったのか…
冨岡義勇
そうか………
冨岡義勇
でも、よかった…
胡蝶しのぶ
さっ、冨岡さん。傷、見せて下さいな
冨岡義勇
ここだ
義勇は袖を捲り、腕を見せた
胡蝶しのぶ
！結構ざっくりいってますね………それに深い…
胡蝶しのぶ
………ごめんなさい…私が、弱いばかりに…
冨岡義勇
胡蝶は弱くない…。俺の反応が遅れたからだ
胡蝶しのぶ
ですが…
冨岡義勇
胡蝶は、悪くない
義勇はしのぶを睨みつけた
胡蝶しのぶ
すぐに手当てをしますね
冨岡義勇
待て
胡蝶しのぶ
…？
胡蝶しのぶ
どうかしました…？
冨岡義勇
…………しのぶ…
胡蝶しのぶ
？どうしたんですか、ほんとうに…
冨岡義勇
……お前、本当に胡蝶か？
胡蝶しのぶ
胡蝶ですよ？何言ってるんですか？
冨岡義勇
……………
冨岡義勇
いつもの胡蝶は、甘い匂いがするのだが
冨岡義勇
お前からは全くしない
胡蝶しのぶ
はぁ？冨岡さんほんとうにどうしたんですか？
冨岡義勇
それに、胡蝶はそんな真っ赤な口紅はしていなかった
冨岡義勇
それを前提に問う
冨岡義勇
お前は俺の知る、胡蝶しのぶか？
胡蝶しのぶ
……………
胡蝶しのぶ
ふ、ふはっ、あはははっ
冨岡義勇
！？
しのぶだったそれは、形が崩れていき液状になった。 溶けたかと思うと、また形を変えぐにゃぐにゃとしている
鬼
お前が初めてだよ。よく見破ったな、鬼狩り
冨岡義勇
……っ、胡蝶はどこだ！
鬼
アイツは今頃、俺の仲間にでも喰われてるよ
鬼
残念だったな
冨岡義勇
………！！
鬼
お前も、あの女と同じところに送ってやるよ
義勇は刀を持とうと試みるが、利き手の傷が痛み、まともに戦える状態ではなかった
冨岡義勇
(どうしたものか…)
冨岡義勇
(きっと、このままだと、俺は負けてしまう…！)
鬼
最後に、何か言いたいことはあるか？聞いてやるよ
冨岡義勇
……………そうだな
一瞬、鬼の後ろに何か光るものが見えた。義勇はそれを見ると、ニヤリと笑う
冨岡義勇
さよならだ
グサッ
鬼
………………………は、？
胡蝶しのぶ
残念でしたね。まだ、死んでいませんよ
冨岡義勇
こちょう…っ！
血まみれのしのぶが、鬼の背中に自身の刀を突き刺していた
胡蝶しのぶ
女を甘く見るからです。ざまぁみろ、ですね
鬼
そんな……っ、アイツらは…！？
胡蝶しのぶ
ああ、ご心配なく。とぉっても、苦しい毒で、殺してあげましたので
胡蝶しのぶ
きっと、地獄で会えますよ
鬼
ばかな…っ！ぐッ…あぁァ……ッ！！
胡蝶しのぶ
さようなら
鬼は口から泡を吹き出し、絶命した
冨岡義勇
…………良かった…胡蝶…
胡蝶しのぶ
えぇ…本当に。それより、傷を見せて下さい
胡蝶しのぶ
思いのほか、時間がかかってしまいました
冨岡義勇
いや、気にしていない。胡蝶……しのぶが生きていて良かった…
胡蝶しのぶ
…はい。私もです。義勇さん…
そっと、抱きしめ合い、触れるだけのキスをした
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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