テラーノベル
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…、
本当は眠れなかったくせ、眠った様な態度をとってみる。
朝の空色は最も美しい。
だけど俺にとっては、最も恐ろしい。
とーやさんがなくなった日_、
剣持刀也
そうやって笑顔で言ってくるとーやさんが、
なんだかあの時に似ていて、とても…
とても、恐ろしかった。
伏見ガク
伏見ガク
「剣持刀也の人生でした」
そんな一文が永遠に鳴り響き、苦しめた。
伏見ガク
まただ。
朝が始まって早々、檻に閉じ込められたみたいに
とーやさんに、いや、
「剣持刀也」に、囚われた。
とーやさんの家に行く。
遺品整理だそうだ。
…とーやさんの家族は、大嫌いだ。
母親は昔からアルコール中毒者で、何度も医者から止められている。
父親はとーやさんが15歳の時に別居し、母親との繋がりはなし。
また、お互いとーやさんの親権を理由に離婚を拒否。
…愛情ならいいが…おそらく金。
とーやさんの稼いだお金は、実際の所とーやさんでなく両親に入る。未成年だからだ。
そして、親権を失えばそれを得る権利を失う。だから…、
…汚い
汚い汚い汚い汚い汚い汚い
…「遺品整理」…、
伏見ガク
剣持刀也
剣持刀也
とーやさんの周りはあまりに…汚かった。
痛ましくてしょうがない。
俺はとーやさんのあの同級生も、両親も、コメントも
全部憎くて憎くて堪らない。
全部殺してしまいたい、
付いて剥がれない汚れを、綺麗さっぱり、この手で…、
伏見ガク
…鏡を見た。
剣持刀也
伏見ガク
…、
伏見ガク
目が真っ黒で染まった。
こんな気持ちだったのかな。
とーやさんの学校だ。
優しい風を受け止めながら、必死に何かを考えた。
また、誰かが飛び降りている
永遠に、視界の中で、ずっと。
紫に輝いて、散るんだ。
あそこから飛び降りたら、どんなに幸せだろう
とーやさん、
そんな事を考えてる間に、俺の足はとーやさんの家に着いていた。
家の中で、呼び鈴が鳴り響いた。
とーやさんの母
伏見ガク
…、本当に…、。
とーやさんの母
伏見ガク
どこかとーやさんと似た声に、余計虫唾が走った。
伏見ガク
とーやさんの母
とーやさんの母
少し怒ったような声に、俺は呆れた。
伏見ガク
とーやさんの母
とーやさんの母
ところどころ骨が浮き出ていた。
俺は気づかぬふりをした。
伏見ガク
がちゃっと入った瞬間、
とーやさんで溢れた匂いが香って、
俺は、ついにとーやさんが鮮明に見えた。
伏見ガク
…、
伏見ガク
剣持刀也
泣くのは疲れたはずなのに、俺の眼から涙が溢れた。
きっとこんな事、とーやさんは言わない。
こんな都合のいい幻をみている事が
とても幸せだった。
とーやさんの机を撫でて、ついさっきまでいた様な温もりと
紙に触れた。
「君と一緒に、」
「◾️◾️たかった。」
って。
その「君」を、一瞬で察し、また、
その滲んだ涙の意味も、一瞬で理解した。
これを書いた情景が目に浮かぶ。
あぁ、撫でたいな
抱きしめたいな。
さらさらした髪と、ちょっとの上目遣いで
不器用に甘えようとする君の顔が、また…、
伏見ガク
君と自分の涙で塗れた手紙は、とても愛おしかった。
伏見ガク
剣持刀也
ただそこで眼を瞑る君が、何を想うのか、なんて分からないけど
俺は、ずっと、永遠に君を想っていたい。
何かが満たされた気がして、
安心と同時に視界が廻った。
ぐるんと廻って、落ちた。
歪んでゆく視界で、君は鮮明に見えた。
曖昧にぼやけた、鮮明な記憶
伏見ガク
薄く画面に映る自分
今にも飛び立ちそうな後ろ姿。
ずっと見てきた視界
剣持刀也
伏見ガク
剣持刀也
伏見ガク
剣持刀也
剣持刀也
剣持刀也
伏見ガク
とーやさん、
君と一緒に_
剣持刀也
何故か泣きそうになっているとーやさんの瞳が
今まで見たどれよりも美しくて
生きていた。
「剣持刀也の人生でした」
俺は、笑顔だった。
コメント
3件
剣持の両親を◯したくなってきた、、ッ。 「君と一緒に、 たかった。」これはどういう意味なんだろ、?ちょっと嫌な予感がするけど…
「君と一緒に、 たかった。」