現在放置中。記憶の彼方へ行きました。

俺の日常は退屈だ。

怠惰で悪循環で、平坦。

ネガティブな言葉を並べ立てれば そこにキリはなく、

ただ、ひとつだけ言えるのは

俺が孤独だということ。

今日も吐きそうになりながら 1時間を24回数える。

はぁー、だるい。

…全ては、そう。

「アイツ」のせいだ。

ツー、ツー、ツー…

……そう、

この俺、スマイルは、

きりやんという外道からの、

イジメを受けている。

気持ちの悪い笑顔で見るな。

全身に鳥肌が走り、 俺は固まって動けない。

──結局…

きりやんが自由研究を 俺にやらせた件は、担任にバレた。

いや、バレたというか…

バン！！

と、担任が 教卓に厚い手を振り下ろした。

静まり返る籠の中の小鳥たち。

みんな、 きりやんと担任に注目している。

きりやんは、黙ったまま顔を上げる。

──俺が黙ったのは、

いじめっ子に睨まれたから、ではない。

今までいじめっ子としか思えなかった きりやんというクラスメートが、 あまりに寂しそうに笑うから。

ねぇねぇ凄くない？

スマイルくんの絵、 全国大会までいったらしいよ。

んで、今は結果待ち。

まじかー、スマイルくんさ、 絵とか趣味だって言ってたから

そんなに上手いなんて知らなかった！

で、きりやんにやらされた絵をきっかけに、今は美術関係の仕事に就きたいって考えてるんだって〜

スマイルくんの夢、応援しようね！

うん！

なあ、聞いた？

スマイルをいじめてたきりやん、

学校退学するってw

まじ？でも、しなさそうw

アイツいじめっ子だからなー

スマイルにやらせたのが駄目だったなw

まぁ、いつもお調子者だったから、

これで懲りただろ

あいつ、今、何してんだろなw

さあなw

最初にスマイルの才能に気付いたのは、 俺がスマイルに絡む前のころ。

色遣いから筆の動きまで、

まるで、魔法みたいだった。

でも、スマイルは自分を下に見てた。

自分の優しさとか、才能とか、

全然気づいてないんだなーって

そう、思った。

──だから、自由研究をやらせた。

もう、

あいつは本当の自分の姿に 気づいたはず。

アイツはネガティブ思考だから、 俺が励ましても、 きっと「お世辞だ」って信じないだろうからな。

アイツには、 これから頑張って欲しいな…。

バン！！！！

お前、

椅子とロープで 何するつもりだよ…

[END]