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※百合
※この物語はフィクションです
かれん
1人残された部屋で私は立っていた
前と同じような状況だが今回は違った
私は冷静だった
かれん
さっきの出来事はそれほどまでに危険だった
とりあえず誤魔化せたから良いものの、このまま放っておくわけにはいかない
かれん
私は少し考えた
そこで一つの場所を思い出した
かれん
私はゆのに来るように連絡した
私たちが出会ったあの場所(屋上)へ
ゆの
部活を抜け出した後、急いで来たせいで呼吸が荒い
向こう側にかれんが見える
ゆの
私は呼吸を整えながらかれんを呼ぶ
かれん
かれんはゆったりと振り返った
夕日と重なる彼女の顔は元々端正な顔立ちということもあって美しかった
そんな呑気なことを考えつつも私はかれんに問いた
ゆの
かれん
かれんはことの経緯を話し始めた
私もそれを聞いて質問を繰り返す
ゆの
質疑応答を繰り返し、ようやく話を理解すると私はフェンスにもたれかかった
ゆの
正直まいのことをみくびっていた
まいのことは信憑性の低い噂に流された、ただの馬鹿の女だと思っていた
ゆの
ゆの
ゆの
かれん
私が1人で考え事をしていると、かれんが心配そうに話しかけてきた
どうやらまいに見抜かれてしまったことについて怒っていると思っているようだ
ゆの
ゆの
たしかにかれんはバレてしまったが、そもそも演じろなんて指示は出してないし、その後のケアは完璧だった
これはまいのことを甘く見ていた自分の責任だ。かれんを責める権利は無い
ゆの
私はなるべく優しい声でかれんに伝えた
かれん
かれんは少し安心したようだ
ゆの
私は少し冗談めかして言うと、かれんの頭を撫でた
かれんは抵抗せず受け入れた
ゆの
ゆの
私は頭を撫でながら考えた
ゆの
恐らくまいはその指示者。つまり私を特定しようとしてくるだろう
それなら尚更私とかれんの関係を悟られないようにしなければ
ゆの
ゆの
問題はかれんとの関係だ
まいちゃんは人付き合いに長けている。かれんの扱い方も上手い
ゆの
私は撫でる手を止め、かれんの方を見た
かれん
かれんは賢い。そう簡単に絆されたりしないだろう
でもだからといって何もしない訳にはいかない。念には念をだ
ゆの
私はかれんの肩を優しく掴んだ
ゆの
ゆの
私はかれんに忠告した
いや、牽制と言った方が正しい。裏切られないようにするためだ
かれん
かれんはそう答えた後、何か言いたそうな顔をした
ゆの
私がそう尋ねるとかれんは吐き捨てるように言った
かれん
かれんははぐらかすと私に返答を求めた
ゆの
何か引っかかる所はあるが今、追及する必要はない
私はかれんに要望を伝える
ゆの
かれん
かれんはそう言うと私に背を向け、出口へ向かった
私はその後ろ姿を見ながら考えた
ゆの
ゆの
私はかれんに声をかけた
かれん
かれんは足を止めこちらを振り返る
ゆの
ゆの
ゆの
私はかれんの目を見ながらはっきりと言った
必要だと求められること。つまり承認は人との距離を深める上でかなり有効だ
それにかれんが今まで協力した事実を肯定することにもなる
ゆの
この話題から自然と本題へ入れる
ゆの
これが私の1番言いたかったこと
自然にかれんが弱みを自分から吐くように誘導したかった
かれん
かれんは一瞬だけ考えるような葛藤するような表情を見せた
ゆの
私はかれんの返答を待った
かれんはしばらく黙った後口を開いた
かれん
かれんはそう言って屋上から逃げるように出て行った
私はそれを見送ると、一息吐いた
ゆの
ゆの
でもこれでまたかれんの心に一歩近づけた
ゆの
私は夕日を背にして屋上から出た