おれ
おれ
おれ
結局昨日は夜中に何度か目が覚めて、よく眠れなかった。
サニー
サニー
ドアの向こうからなんだか甘い匂いが漂ってきている。
サニー
バンッ
アルバーン
サニー
勢いよくドアが開いたと思えば、アルバーンが現れ、俺の胸の中に飛び込んできた。
アルバーン
やっぱり甘い匂いはワッフルの匂いだったみたいだ。
なんだかこの匂い、久しぶりに嗅いだ気がするなぁ。
サニー
アルバーン
元気よく可愛い返事をする君は、昨日のことを忘れてしまっているのだろうか。それとも、そもそも気にしていないのだろうか。
アルバーン
今はどっちだっていいか。
だって君が笑ってるからね。
サニー
キザな言葉を頭の中で組み立てる自分に苦笑しながら、アルバーンと部屋を後にした。
アルバーン
久しぶりに焼いたワッフル。
部屋全体に甘いいい香りが漂う。
アルバーン
''久しぶりに''焼いたワッフル。
僕は誰かとアソビに行く日は、必ずワッフルを焼く。
家を出るまでに幸せなお兄の姿を目に焼き付けておきたかったから。
たまに思い出して苦しくなることもあるけど、でもその顔が大好きだった。
今日は、ただ単に癖がついてしまったって言うか。まぁ僕も食べたかったし丁度いいかなって思って作っただけだよ。
ほんとだよ?
前は、ヤってるときも、お兄を思い出していた。
…ねぇ、なんだか健気な少女漫画の主人公みたいじゃない?
アルバーン
王子様役はどこにいるのかな。
アルバーン
好きな人をも失った今、僕に残るのは皆に好かれる対象となるだけのやけに可愛い顔だけなのに。
求めようとする自分に苦笑しながら部屋を後にした。
サニー
アルバーン
カチャカチャ
ナイフとフォークの当たる音が部屋に響く。
サニー
口に入れると期待通りの甘さが広がって、幸福感に包まれた。
アルバーン
アルバーン
''お兄のため''
その一言が俺の頭を何度も通り過ぎる。
こんな一言だけで浮かれてしまう俺は、やはり恋の病にでもかかってるんじゃないのかな。
サニー
アルバーン
サニー
今日のアルバーンはなんだかお洒落な格好をしている気がする。
まぁいつもお洒落で可愛いけど。
アルバーン
サニー
アルバーン
サニー
楽しそうに通話していた昨日のアルバーンを思い出す。
アルバーン
サニー
アルバーン
そんなに顔に出ていただろうか? 確かにちょっと胸のあたりがズキっとしたけれど。
話をそらさないとバレてしまいそうな気がした。
サニー
何となく、そう思っただけ。
だけど、
アルバーン
え、?
なに、俺なんか変なこと言った?
なんで目逸らすの、?
サニー
アルバーン
サニー
アルバーン
バタン
サニー
俺なんか言った、?
なんで焦ってたの、?
ワッフルに何かあるの、?
俺のために作ってくれたんじゃないの、?
頭の中がぐるぐるする。
サニー
ふとアルバーンが座っていた方の机に目をやると、彼のお財布が置いてあった。
サニー
サニー
別に遊ぶ相手が気になるとか、何するとか、どこに行くかとか、今の態度に関わってるのとかを探りに行く訳では無い。
気になるけど、決してそうでは無い。
はずだ。
サニー
バタン
カチャッカチャッ
鍵のかかった家の中には、ワッフルの甘い香りだけが漂っていた。
コメント
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続きみたいです
めっちゃ続き気になる!!
うわー!続き気になります‼️こんな神作作ってくれてありがとうございます😭