天宮
半泣きで頭を掻き毟っていると、後に誰かいることに気づく、振り返ると、そこには妹が立っていた、妹は、全くの無表情だった、夕方で電気をつけてなかったから、無表情の妹の顔が真っ黒だった、妹は何も言わずに、ゆっくり部屋に入ってきた、俺は後ろに下がった、妹はカバンを机の横にかけると、俺が部屋に入っていることが不快なのか、俺の方向を見たまま静止した、焦りつつもなんとか頭を整理した俺は、妹に土下座で謝ろうと思った、なにも返事はしてくれないだろう、でも、土下座をしなければ俺の罪悪感が納まらなかった、土下座をしようと、中腰になろうとした、その時、妹がものすごい速さで俺の腕にしがみついた、一瞬何をしたのかわからなかった、その勢いで妹は、そのまま部屋から出ていった、俺は唖然としつつ、右手に持っていた妹の日記が奪われたことに気づいた。