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キーホルダーを拾われた日から1週間が経過した。未だ三ツ谷は落とした少女への不信感を感じていた。
林田春樹
東京卍會創立メンバーであり、同じ中学の林田(ぱーちん)は三ツ谷にこう放ったのはまだ昼前のこと。
三ツ谷隆
林田春樹
三ツ谷隆
林良平
三ツ谷隆
ザワザワと騒ぐ2人にため息を吐いた三ツ谷は渋々歩き出した。
○○
三ツ谷隆
まだ授業中であるのにも関わらず、気にしてたあの少女が下駄箱に現れた。すかさず気づいた三ツ谷は思わず声を漏らした。
林田春樹
三ツ谷隆
林良平
林田春樹
三ツ谷隆
歩き出したぱーちんとぺーやんは三ツ谷に対し背中を向けたまま手をヒラヒラと振った。
まだ授業中と言うのにも関わらず靴箱で外履きへと履き替え校内を出ようとする○○の腕を三ツ谷は掴んだ。
三ツ谷隆
○○
何も答えない○○。以前キーホルダーを渡した際も言葉を発しなかった彼女に三ツ谷は不思議に思った。それもその筈。彼女は顔を隠しながら涙を流していた。
三ツ谷隆
○○
相も変わらず彼女は何も言わない。ただ、涙を流しながら首を横に振っていた。
三ツ谷隆
分からなかった。彼女が放つ"無音"が。何故自分に対して何も言わないのか。
"私、声が出ないんです。"
少女は泣きながら携帯を取りだしメール画面を開いては文字を打って三ツ谷にその文章を見せた。
三ツ谷隆
○○
彼女は泣きながらコクコクと頷くと、その文字を消しまた新たに文字を打って三ツ谷に見せた。
三ツ谷隆
○○の打った文章を声に出して読んだ三ツ谷はあの時の礼を言えなかった彼女の理由も理解した。それと同時に先程放ってしまった彼女を責めるような発言に悔やみを覚えた。
三ツ谷隆
○○
責められる。怒られる。嫌われる。そう思っていた○○は思わぬ三ツ谷の発言に目を見開いて驚いてしまったが首を横に振った。"そんな事ない。"と言う様に。
三ツ谷隆
優しさを含む表情を浮かべた三ツ谷は○○に問いかけた。まだ授業中だ。なにか理由が存在するはずだと。
○○
理解をしてくれたのは祖父母と医者以外いなかった○○は、声を出せると思い口を開いた。が、何も言えずまた泣き出してしまった。
三ツ谷隆
再び泣き出してしまった彼女を見た三ツ谷は苦笑いを浮かべつつ頭を撫でた。
○○
三ツ谷の言葉に頷いた○○はまた携帯のメール画面に文字を打ち始めた。
"馴染めない。クラスに。 声が出せないから、友達も出来ない。 全てが楽しくない。 だったらパパとママのところに"
"行きたいよ。"
三ツ谷隆
メールに打たれたその文章に三ツ谷は目を丸くした。それはつまり自分もタヒんでしまいたいと言う感情を示していると気づいてしまったからだ。
三ツ谷隆
○○
三ツ谷隆
驚いてしまった三ツ谷だが、すぐさま表情を変え笑顔で○○に放った。その言葉に、表情に、嘘偽りは無い。ただ、彼女の笑顔が見たい。無意識に三ツ谷はそう願ってしまっていた。