この頃、サクトがおかしい…
来るのが遅い時が多くなったし
帰る時間も早くなった…
でも…この日は違った…
ユキ
今日もサクト遅いのかな…
サクト
ユキーー!
ユキ
!?
ユキ
サクト!
サクト
はぁ…はぁ…
ユキ
大丈夫?
ユキ
今日は来るの早いね
サクト
うん…
サクト
それより!
ユキ
?
サクト
ユキの目見えるようになるよ!
ユキ
!!
ユキ
ほんと?
サクト
うん!
ユキ
で、でも難しいんじゃ…
サクト
…簡単だよ!
ユキ
どうすればいいの?
サクト
ユキは寝てるだけでいいんだ
ユキ
本当にこれだけで目が見えるようになるの?
サクト
うん!
サクト
俺がユキの目に手を当てたら、
眠くなるから寝ててね!
眠くなるから寝ててね!
ユキ
それで?
サクト
あとは起きたら目が見えるようになってるよ
ユキ
ほんとのホントに?
サクト
俺を信じて…
ユキ
わかった
サクト
じゃあやるよ?
ユキ
うん…
僕の目にサクトの手が置かれた
なぜかサクトの手は冷たく…震えていた…
ユキ
サ、サクト?
サクト
さよなら…ユキ
ユキ
え、サクt…
そう言おうとしたが眠気に負け僕は眠ってしまった…
???
ユキー
ユキ
んー…?
ユキ
(だれ?)
???
起きなさーい
ユキ
ん…お母さん?
お母さん
どうしたの?
お母さん
体調悪かった?
ユキ
お母さんちょっと目の包帯外して!
お母さん
?
ユキ
いいから早く!
お母さんは 「包帯ゆるくなったの?」 などと言いながらも包帯を外してくれた
僕は恐る恐る目を開けた…
ユキ
見える…
お母さん
え?
ユキ
見えるよ!お母さん!
お母さん
ユキ…見えるの?
ユキ
うん!
初めて見たお母さんの目から 涙が溢れている
ユキ
お母さん…?
お母さん
ユキ…見えるのね…よかった…
でも、どうして急に?
目も白じゃなくてオッドアイになってるし…
でも、どうして急に?
目も白じゃなくてオッドアイになってるし…
ユキ
それはねお母さん
お母さん
?
ユキ
あのね
僕はサクトのことをお母さんに話した
お母さん
そう…
ユキ
うん…それでお母さん帰って来た時
ユキ
サクトいなかった?
お母さん
いなかったわ…
ユキ
そっか…
その日以降、サクトは遊びに来なかった…
あれから一年後…
僕はサクトが教えてくれた小屋にいる
ユキ
来たよ〜
?
ニャー
ユキ
よしよし鈴〜
ユキ
今日は猫缶持ってきたよ
鈴
にゃー!
サクトがいなくなった後
ここの子猫の世話をするようになった
名前は鈴
ユキ
鈴〜大きくなるんだよ〜
鈴
んにゃー
ユキ
んじゃ、僕はもう行くからね
ユキ
バイバイ(ヾ(´・ω・`)
鈴
にゃ〜
(タッタッタッ)
ユキ
(次はどこに行こう)
ユキ
サクトが教えてくれた山にも川にも行ったし…
(ドンッ)
ユキ
わっ!?
??
!?
ユキ
す、すみません!
??
あぁ…大丈夫ですよ
ユキ
(この声…)
僕は顔をあげた…
そこには…今の僕の目と同じオッドアイの…
ユキ
サ、クト…?
サクト
ッ…!?
サクトは走り出した…
ユキ
あ、待って!
僕は必死に追っかけた…
追っかけている途中に僕は見た…
サクトの頭の方にあるものに…
ユキ
(あれは…)
猫の耳?