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桃
赤
(紫…大1 青…高1 橙…中3 黄…中1)
side 桃
深夜0時。
作業が終わりパソコンを 閉じる。
そろそろ寝るかと 寝る準備をしていた。
赤
そんな時、扉がノックされた。
こんな遅い時間に 誰だと思った。
桃
赤
赤だ。
桃
赤
俺がそう聞いてもずっと 下を向いたまま動かない。
俺は赤に近づき、軽々と 抱き上げた。
桃
赤
桃
名前を呼んでも ほっぺをツンツンしても なにも言わず ただ下を向いている。
俺は赤の顔を覗き込んだ。
目に涙がたまっていることに 気がついた。
桃
赤
俺が赤が涙目なのに気づくと 赤の目から涙がぽろぽろと 止まらない。
桃
俺は人より小柄な赤を ベッドに座らせた。
赤
赤
桃
赤の背中を優しくさすった。
赤
泣いているからか呼吸が荒い。
桃
桃
桃
赤
桃
赤
泣きながら深呼吸している姿が 愛おしい。
でもそんなことを 考えている暇はない。
赤はなぜ俺の部屋にきた? なぜ泣いている?
その後も何回か深呼吸をして だいぶ落ち着いたようだ。
赤
泣いた後でだいぶメンタルが やられているはずだから
言葉を慎重に選んで 話さなければいけない。
桃
赤
だまって下を向く赤を 優しく撫でた。
赤
ようやく口を開いて しゃべってくれた。
でも、何もない訳がない。
赤
桃
自分の部屋に戻ろうとする 赤の腕をつかんだ。
赤
桃
赤
赤は兄弟一素直なので 言うことはすぐ聞いてくれる。
桃
赤
桃
赤
桃
赤
桃
桃
赤
桃
俺たちは六兄弟で、 俺は次男。
赤は黄と双子で、五男だ。
数分の差でお兄ちゃんとなった 赤。
兄弟みんな頭がいい。 赤もそこそこ頭がいい。
でも 「お兄ちゃんなのに。」 とか 「赤は100点とれないもんね。」 などと
赤はいつも比べられた。
そしていつしか赤は兄弟に 無視されるようになった。
でも俺は赤の努力を 知っているから
俺だけは味方だよ。って いつも言ってあげている。
俺は兄弟に
「なんで赤を無視するの?」 って 聞いたんだけど
「赤は俺たちと違って 頭が悪いから。」って。
赤は毎日夜遅くまで 勉強を頑張っているのに。
俺は毎日、赤の部屋に行って 「大丈夫?」って聞く。
「ご飯もお風呂もあるから、 大丈夫。」
「心配しなくていいよ。」って いつも言ってくれる。
俺は赤が我慢していることは 分かっている。
赤
赤
赤の声が震えている。
赤
桃
赤
優しく赤を抱き締めて 背中をさする。
赤
桃
桃
赤
その後も「大丈夫だよ。」と 言い続けて背中を さすっていたら
いつの間にか赤は寝ていた。
涙の跡が たくさん顔についている赤を そっとベッドにのせた。
赤
自分のパジャマで 赤の涙を拭く。
俺のパジャマは赤の 涙でびっちょり濡れている。
桃
俺は赤の寝顔を見て 心の声が思わず声に出た。
そしてそっと 赤の頭を撫でる。
赤はぐっすり眠っている。
つかれたね。
辛かったね。
いっぱい我慢したね。
赤はえらいよ。
そんなことを思いながら 赤の頭を撫で続ける。
俺もそっとベッドに入り 赤の隣に横になった。
赤を起こさないように そっと抱きしめて眠った。
「もう大丈夫だよ。」
End