ただ、死にたかった。
唯一の姉も、親友も、掬おうとする度にぽろぽろと零れ落ちていく。
もう、何も見たくなかった。
何も聞きたくなかった。
何も感じたくなかった。
俺は路地裏で雨に打たれ、惨めに朽ちていく。
それで話はもうおしまい。
それが満場一致のハッピーエンドだと、信じて疑わなかった。
それなのに…
竈門炭治郎
えっと……
竈門炭治郎
良ければ家に来ますか?
竈門炭治郎
風邪、引いちゃいますよ
心がずたずたで使い物にならなくなった俺を、あたかも捨て猫の様に拾い、
いつも傷が癒えるような、暖かい笑をたたえ傍に寄り添ってくれたせいで。
冨岡義勇
死にたく、なくなってしまった…
冨岡義勇
こうなってしまったのはお前のせいだ、炭治郎
冨岡義勇
だから……
冨岡義勇
何があっても離さない
冨岡義勇
必ず俺に惚れさせてやる
竈門炭治郎
うぅ、やっぱり義勇さん顔が良すぎる!!!
竈門炭治郎
筋肉質なのに細いし……あんな腕に抱き締められたら……
竈門炭治郎
って、何破廉恥なことを考えてるんだ!?!?
竈門炭治郎
俺は長男なんだから しっかりしないと……!!
まあ、勿論、あの後 炭治郎の方から告白されるだなんて 全く思ってもなかったのだが。