角名倫太郎
ねえ、もみじ、誕生日いつ?
北もみじ
教ええてなかったっけ
北もみじ
10月30日
角名倫太郎
もうすぎてるじゃん
北もみじ
せやな
角名倫太郎
なんで教えてくれなかったの
北もみじ
聞かれてへんもん
角名倫太郎
欲しいものは?
北もみじ
特にない
角名倫太郎
秋がモチーフになってる耳飾り、部屋に飾ってあったよね?
角名倫太郎
秋、好きなの?
北もみじ
まあ、好きやな
角名倫太郎
わかった
角名倫太郎
北さん
北信介
おお、珍しいな
角名倫太郎
ですね
北信介
家、ここ付近じゃないやろ
角名倫太郎
もみじに用があって…
北信介
…少し、ご飯でも食べながら話そうか
角名倫太郎
あ、はい
北信介
奢るで、なにか好きなもん頼み
角名倫太郎
いや、悪いですよ
北信介
奢る
角名倫太郎
…ありがとうございます
北信介
…俺な、この前のもみじと喧嘩してた時のこと、正直まだ許しとらんねん
角名倫太郎
えと…すみません
北信介
もみじは、どうせ話さんやろうから言うけど
北信介
もみじは、中学の時、めちゃくちゃ仲良くしてた友達に、裏切られたんよ
角名倫太郎
え…
北信介
友達の1人に、彼氏がおって、その彼氏がもみじの事を好きなって、その友達と別れたらしいねん
北信介
それで、もみじはその事しらんくて、友達たちがもみじを人の彼氏を奪う最低なやつとしていじめ始めたん
北信介
最初は無視とか、仲間はずれとか、それくらいやった
北信介
もみじも、一時的なやつだと思って気にしとらんやった
北信介
でも段々、机に落書きとか、汚れた水を被せたり、持ち物盗んだり、どっかに閉じ込めたりし始めた
北信介
わけも知らずに2年生から卒業までずっといじめられて、人と関わりを持つのに恐怖を感じとった
北信介
もみじは、高校でも、1年間は保健室登校やった
北信介
でも、ずっと続けとったバレーも久々に行ったら、そこの友達に救われて保健室登校はやめて2年生からちゃんと来るようになった
北信介
バレーはやめたけどな
北信介
中学の友達にも、もみじはいじめてたわけを聞いて、もみじなりに中学の時の事にはケジメをつけた
北信介
…それでバレー部のマネをするようになって友達ができて、俺も嬉しかった
北信介
それやとに、もみじが中学の時みたいに俺のとこに来た
北信介
ほんま、もみじから話を聞いた時は、どうしてやろうかと思った
北信介
でも、もみじはちゃんと立ち直った
北信介
…まだ早いのかも知らん
北信介
もみじを、幸せにできるか?
角名倫太郎
…はい
北信介
…そか、ならええ
角名倫太郎
…
北信介
もみじに用があったんやろ?
北信介
会計しとくから、行っていいで
角名倫太郎
すみません、ありがとうございます
北もみじ
角名!どないしたん?急に
角名倫太郎
これ
北もみじ
何、これ
角名倫太郎
遅れたけど、誕生日プレゼント
北もみじ
そんな良かったんに
角名倫太郎
開けてみて
北もみじ
…これ!
北もみじ
楓の木のミニオブジェ!
角名倫太郎
秋が好きだって言ってたから
北もみじ
ありがとう(*´罒`*)
北もみじ
楓の木、好きやねん
角名倫太郎
名前の由来、北さんが楓の葉っぱ持ってきたからなんでしょ?
角名倫太郎
だから、好きかなって
北もみじ
さすが角名、よくわかっとる
角名倫太郎
まあね
角名倫太郎
もみじはブラコンだもんね
北もみじ
…兄さんのことが好きで何が悪いねん
角名倫太郎
そうだね
角名倫太郎
じゃあ、また明日
北もみじ
うん、またな