名乗るのは 2回目だが、
俺は 灰谷竜胆だ。
今、丁度インターホンが鳴ったとこ。
家中に響き渡る インターホンの音に
三途かな…?
と、期待を胸にインターホンに向かった。
画面に映っているのは ピンク色の綺麗な髪。
思っていた通り、三途の姿が そこにはあった。
俺は分かっていながらも
竜胆
と声を出す。
三途
そう、呆れたように物を言う彼。
" やっと今気づきました " 風を装って
竜胆
そう伝える。
それから、玄関のドアを開け
三途をリビングのソファーに座らせた。
竜胆
そんな会話をすれば、俺は 急ぎ足でキッチンへ向かう。
( キッチン )
俺は 2人分のコップを用意し
冷蔵庫で冷やしてあった 茶を注ぐ。
ここまでは普通だろう?
竜胆
でも俺は ひとつのモノが 目に入ってしまった。
簡単に言えば " 薬 " だ。
竜胆
この薬は、普通のものでは無い。
一昨日、敵組織から巻き上げた薬だ。
睡眠効果があって、 多少の媚薬効果もある。
そういう代物だ。
モルモット(笑)で試して見たが それなりの効果はあった。
ッッ……
俺は ごく、と唾を飲み込む。
これ…入れて渡せば
三途は…俺のものになってくれるかな…
そんな考えが 少しでも 頭に過ってしまったからだ。
男だろうが女だろうが 身体で支配しちゃえば 動作もねぇもんな
竜胆
竜胆
俺は…
『2人が幸せになれるよう、応援する』 って決めたんだ……。
竜胆
俺は 欲望を ぐっ、と押さえ込み
ブツをゴミ箱に捨てた。
俺は 2つの 何の変哲もないお茶を持って
三途の元へ戻った。
竜胆
俺は 茶を 三途に差し出す。
三途
三途は ちょび、と一口だけ それを飲んだ。
俺が何しようとしてたか なんて コイツは知らねぇんだろうな…。
そんな思いを秘めながら 俺は 彼の向かい側の席に座った。
竜胆
俺には もう一度確認したいことがあった。
竜胆
分かってる。 勿論、分かってる。
でも、俺に諦めをつけさせて欲しい。
三途の言葉をもう一度聞いたら きっと、未練も無くなる。
三途
……
俺は 優しく… この想いがバレないように 微笑んだ。
竜胆
竜胆
ホント…安心した。
そう、俺が大きく息を吐いている 間に 三途は思いもしないことを言い出す
三途
は……???
竜胆
そんな訳ないじゃん…。
最近の兄ちゃんの様子は 三途と会う度、 浮かれているような感じだった。
多分、三途のこと意識しちゃってる。
弟の俺が言うんだから間違いない。
竜胆
竜胆
三途
そう、三途は胸を撫で下ろしている。
三途
三途
竜胆
竜胆
竜胆
俺は思ったことを素直に口にした。
三途
納得してくれたみたいで良かった…。
竜胆
竜胆
三途
そこから三途は どこが気恥しそうにしながらも
話し出した。
どれも激しく共感出来る 兄の長所だった。
今まで 兄ちゃんのこと 好きになった奴は…
竜胆
女
女
女
……。
また顔か…
今までの奴らは みんなこんな感じ。
見た目しか見てねぇ 下衆な女共が…。
でも、コイツは違う。
内面を愛してくれてる様だった。
なんか…嬉しいな…(笑)
コイツなら…
三途なら…
兄ちゃんをとびきり幸せに してくれるかもしれない。
2人の仲を 手伝うことを 決意してよかった。
俺はそう切に感じた。
竜胆
三途
そこからは只管に 告白の練習をした。
下っ手くそだなぁ…(笑)
でもそんな不慣れな所でさえ 愛おしく思えてしまう。
この言葉が 自分に向いたモノなら どれだけ幸せなんだろう…
そう思いながらも 俺は 指摘を繰り返した。
…そんな中、俺は ふと スマホを取り出す。
19時52分か…。
実は 俺は この場に兄を呼んでいる。
兄ちゃんは遅刻しそうだから…
そう思って、兄には
竜胆
竜胆
蘭
…と 早めに時間を伝えてある。
我ながら、完璧だ。
竜胆
思わず そう呟く。
それと同時に
ガチャ…
さすが、兄ちゃん。
タイミング 完璧。
蘭
蘭
そう、こっちに向かってくる兄の声。
まさか、三途が居るとは 兄ちゃんも思ってなかっただろうな(笑)
蘭
蘭
竜胆
蘭
予想外の出来事に 兄は驚いていた。
コメント
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竜胆、、、、、、
竜胆も色々考えてるんだな〜♡