渡辺side
阿部亮平
なにしてたんですか?
リビングについて、 やっとゆっくりできると思ったら、
いきなりこんな質問をされる。
渡辺翔太
色々あって。
阿部亮平
俺はそんなことよりも、
阿部ちゃんを食べたい衝動を 抑えることで必死なんだ。
阿部亮平
何かの縁ですし!
阿部亮平
渡辺翔太
そうしてノリと勢いで、 連絡先を交換してしまった。
阿部亮平
............翔太って言うんだ!
阿部亮平
阿部亮平
いきなりそんなことを言われて、 納得する奴がいるのか?
.....................でも、
俺には納得する他なかった。
俺にできた初めての友達だったから。
...あれから何時間か話して、
だいぶ打ち解けてきた。
阿部ちゃんと言う人間が、
少し分かった気がする。
阿部亮平
渡辺翔太
正直、
こんな夢みたいな時間は初めてだ。
俺は今までみんなに怖がられてきて、
『蜘蛛だから』
というレッテルを、 何度も押し付けられてきたことが。
しかも、
普通の人間の食べ物が 食べられないせいで、
仕方なく蝶を食べるしかなかった。
生きるためには、 しょうがないことなのに。
...阿部ちゃんも、 匂い的にきっと蝶だ。
俺が蜘蛛なんて知ったら、
嫌われてしまうのだろうか?
阿部亮平
帰らなきゃだよね?
阿部亮平
明日も学校あるでしょ?
...そうだ、そういえば、
俺の年代は 普通、学校に行ってるんだっけ
渡辺翔太
渡辺翔太
学校行ってないんだ。
阿部亮平
阿部ちゃんは、 すんなり受け入れてくれた。
学校なんて、 最初の一回しか行っていない。
同級生に蝶の匂いがする奴が、 いっぱいいたんだ。
自分が怖かった。
同級生をもし食べてしまったら、
どうしようかと思うと
怖くなって学校に行かなくなった。
阿部亮平
もう少し話してく?
阿部ちゃんほど優しく、
話しかけてくれる人間を、 見たことがない。
...............この人になら......................
渡辺翔太
あの............
阿部亮平
俺が少し言いにくそうにしていると
阿部亮平
阿部亮平
そう言ってくれた。
渡辺翔太
渡辺翔太
阿部亮平
渡辺翔太
渡辺翔太
渡辺翔太
ここに泊めて欲しい............
阿部亮平
渡辺翔太
阿部亮平
阿部亮平
友達あんまりいなくてさ、
阿部亮平
阿部亮平
ほんのちょっとどころか
阿部亮平
渡辺翔太
阿部亮平
そう言ってくれた阿部ちゃんの目は
キラキラと輝いていた。






