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中庭
類
秋だっていうのに、まだまだ暑いねぇ
瑞希
うん……。ホント、やんなっちゃうな
類
……フフ
瑞希
…？何、急に笑って
類
なんだか昔のようだと思ってね。よく放課後、暮れる日を見ながらふたりで話していただろう？
瑞希
ああ……まあ、暇だったからね
類
そうだね
類
あの頃はｰｰ目の前を流れていく時間をどう埋めたらいいか分からないまま、過ごしていたね
瑞希
…………
類
それでｰｰ
類
どうしたんだい、瑞希
瑞希
………
類
もちろん、話したくないならｰｰ
瑞希
ｰｰううん
瑞希
……聞いてほしい、かな
瑞希
……全部話そうって思ってるんだ
瑞希
サークルのみんなに、ボクのこと
類
……！
類
……そうか
瑞希
うん……
瑞希
でも…………ダメなんだ
瑞希
頭では進もうと思ってても………なにも、できなくて
瑞希
ｰｰずっと、怖いままで
類
…………………
類
……何が、一番怖いんだい？
瑞希
……受け入れてもらえないかもって、 怖さもある
瑞希
でも、 一番は……
瑞希
………変わることが、怖い
瑞希
話したら……みんなとの関係が、変わっちゃうかも しれない
瑞希
みんなといられる、大切な時間もｰｰ
瑞希
………………………変わってほしく……ない
瑞希
……頭では、わかってるんだ
瑞希
みんなはきっと……ボクを拒絶したりはしない
瑞希
全部……ボクが気にしすぎてるだけで…すぐに、類達みたいに、なんでもないことみたいに受け入れてくれるって、思う
瑞希
だけどｰｰ
瑞希
もしも、｢受け入れなくちゃ｣ってｰｰ
瑞希
傷つけないようにしなきゃとか、気をつけて話さなきゃとか………そう、そう思わせちゃったらｰｰ
瑞希
……そうなったって……ボクが思っちゃったら……
瑞希
ボクは………きっと、耐えられない
類
……瑞希……
瑞希
……ワガママだよね、こんなの
類
……そんなことはないよ
類
その関係が大事であればあるほど、変わってしまうのは怖いものだ
類
……とてもね
瑞希
…………
類
……もどかしいね
類
僕に、その恐怖を消すことはできない
瑞希
…………うん
類
ただｰｰ
類
願っているよ
瑞希
え？
類
瑞希の心が、守られることを
類
ｰｰ瑞希が、心から幸せを感じられるようになることを
類
友人として、願っている
瑞希
…………類
瑞希
あ……
キーンコーンカーンコーン
瑞希
………そろそろ、帰ろっか
類
……ああ
瑞希
ｰｰありがとう、類
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