テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
セイナ
セイナ
セイナ
セイナ
セイナ
セイナ
セイナ
セイナ
セイナ
セイナ
イタ王
すっかり日が沈み、心地よいそよ風が吹いていたある日。
イタ王は自室で読書を嗜んでいた。
サロ
一枚ドアを挟んだあちら側で、サロの不機嫌そうな声が聞こえる。
イタ王
本から目を離さず、向こう側にいるサロに答えた。
読んでいる本は他国の歴史書。こう見えて、彼はインテリ系なのだ。
サロ
ドアを静かに開け、サロが部屋に入る。
廊下より少し明るい部屋。
暖かな雰囲気は、まるでイタ王の性格を写したようであった。
ドアを閉め、サロは気づかれない様に鍵を閉める。
だが、その小さな音をイタ王は聞き逃さなかった。
イタ王
ページを一枚めくり、静かに問う。残りはあと3ページ。あとがきもじっくり読む派である。
サロ
サロは無言で歩みを進め、奥に座っていたイタ王の目の前に立つ。
イタ王
少し不機嫌そうに答えるが、やはり本からは目を離さない。
すると、何かが目の前に突きつけられる感覚がした。
……いくつもの戦いを乗り越えてきたゆえ、それが銃であるというのを理解するのは、容易かった。
イタ王
そこで、イタ王は初めて顔をあげた。目の前に突きつけられた銃。傷が多数ついており、少々年季を感じる。
次に見たのは、我が弟の目。殺気がこもって、いつその目で貫かれるかわからないくらいであった。
……まるで、あの時のナチの目にそっくりである。
サロ
サロの言葉に少々喜びを感じたのは気のせいではないかもしれない。
イタ王
銃口を見つめながら、冷たい笑みを浮かべる。
サロ
怒りのあまり、引き金を引きそうになるが、ゆっくりと戻す。
イタ王
サロ
サロは顔を歪ませながら吐き捨てるように言う。いつも喧嘩しがちな2人であったが、それは所詮ただのお遊びの様なもの。今回ばかりは本気の様だ。
イタ王
イタ王は、少々鬱陶しそうに過去のやり取りを思い出しながら言う。だが、いつもとは違い今回は銃を突きつけられている。
彼が本気であるという事は想像に難くなかった。
サロ
サロ
そう言い切ると、イタ王の顔を見つめる。……だが、当の本人は一切顔を合わせようとしなかった。
その様子がどうやら気に入らなかったらしく、イタ王の額に銃で殴る様にさらに突きつけた。
イタ王は一瞬顔を歪めたが、また余裕のある顔に戻る。
イタ王
そして、サロに目を合わせながらこう言った。
イタ王
その途端、サロは思いきり引き金を引いた。
……一発の銃声が鳴り響く。だが、両者とも怪我はない。イタ王が間一髪、サロの腕を捻り上げ、銃の向きを逸らしたのだ。
捻り上げられた勢いで、サロは銃を落とす。それを確認すると、イタ王は腕を掴んだまま立ち上がり、サロを床に押さえつけた。
サロ
ジタバタと抵抗するサロに馬乗りする。そして、腕を離したと思いきや……首筋に手をかける。イタ王はゆっくりと力を込めた。
サロ
苦しむサロを見下ろしながら、静かに語る。
イタ王
イタ王
イタ王
首を絞める手に、さらに力を込める。サロの顔はさらに歪む。だが、まだ抵抗は続いている。
イタ王
真剣な表情で、サロの目を見る。
イタ王
目を伏せながらそう語るイタ王の姿を、サロは驚きと苦しみの表情で見つめた。
過去を思い出すように、遠い目をしながらイタ王は語る。
イタ王
気絶しない程度に力を強めて、さらに語る。
イタ王
イタ王
イタ王は、ゆっくりとサロの首から手を離した。
イタ王
苦しみから解放され、酸素が急激に体内に入る。
追いつけず、呼吸は乱れ、咳が止まらない。
サロ
サロはよろよろと立ち上がり、イタ王に向き合う。その目は、兄そっくりの真剣な眼差しであった。
サロ
そう告げた途端、目から一粒一粒、涙が流れ落ちた。
サロ
熱く語る彼は、兄が大好きな可愛い弟の姿であった。
イタ王
涙で震える彼を、イタ王が優しく包み込む。……彼の苦悩は自分も痛いほどわかっていた。
自分自身、戦争の後半はナチの指示に従っていた事もあり、自分がしたい事と、現実と、かけ離れていたあの無力さ、サロの気持ちが本当によくわかっていた。
イタ王
その一言に、サロは思わず顔を見上げる。自分に一度も、謝ってくれたことは無かったから。
イタ王が……初めて、自分を見てくれた。そんな気がしたのだった。
イタ王
サロ
初めて聞いた、自分の弟の本心。戸惑いもあったが、何よりも……嬉しかった。初めて、心から繋がれた様な気がしたから。
イタ王
サロ
イタ王の腕に抱かれ、泣きじゃくるサロ。初めて、2人の間に兄弟愛が生まれた……そんな気がした。
そんな中、急に入り口からとてつもなく大きな音が鳴り響く。そして、何かがこちらに吹っ飛んできたのだ。
……そう、ドアだ。ドアが誰かによって壊された。駆け込んできたのは……イタ王の息子である、イタリアだった。
イタリア
まんまるの目がさらに大きく開かれ、慌てた表情で問いかける。
だが、自分が思っていた光景とは180度違い、呆気に取られた。
イタリア
さらに後ろから、ナチと日帝が部屋に入ってきた。
ナチ
ほんの少しだけ、珍しく焦った顔をしているナチ。……どうやら、ドアを壊したのはナチのようだ。
日帝
日帝も、思いもよらない光景に戸惑っている様子。
イタ王
そう語るイタ王の顔は、とても穏やかで嬉しそうな表情であった。
イタリア
ナチ
日帝
3人ともほっとした様子で2人を見つめる。
サロはどうやら……寝てしまったようだ。イタ王がゆっくり、自分のベッドへ横たわらせる。
イタ王
苦笑いしながら入り口を見る。ドアは無くなり、壁にはヒビが多数入っていた。
イタリア
イタ王
ウインクしながらイタリアに話しかける様子は……いつものイタ王であった。
ナチ
日帝
ナチと日帝が気まずそうに言う。その様子に、イタ王は少し吹き出しながら、ありがとうと答えた。
少し2人にして欲しいという、イタ王の願いで3人は部屋を後にした。
サロ
イタ王のベッドで寝るサロ。こんなに無防備な姿を見るのは、初めてであった。
……サロのつけている帽子。それは、イタ王がファシズムの全盛期につけていた物である。
それをそっ、と外してサイドテーブルに置いた。
頭を軽く撫でて、イタ王は1人呟く。
イタ王
すっかり遠くに落ちて忘れかけていた、他国の歴史書を拾い上げる。
しおりはどこかに消えてしまったようだが、残りは確か3ページ。
サロが寝ている横で、また静かにイタ王は続きを読み始めた。彼が、目を覚ますその時まで。
セイナ
セイナ
セイナ
セイナ
セイナ
うちの子設定集
56
コメント
5件
これってイラスト載せてるとこの8話のストーリーですか!? サロちゃん…今回は本気だったんだね… いた王に睨まれて(?)猛反省してたサロちゃんが… いた王に銃口を向けて…しかも発砲するなんて… でも最後は仲直り(?)できたのかな…? 子供っぽいというかなんというか…そんなにサロちゃんが見れてよかったです!! 長文失礼しました!!
…えっ…好き…♡なんですか、これ!最高すぎじゃないですか!?セイナさんは神ですか!?神ですね!はい!セイナさんいつも天才すぎません!?絵も小説も最高です!生きててほんとによかったです!これからも応援します!頑張ってください!あとイタ王推しになりそう…

いいねぇ(語彙力消失)