私
せんせい退屈だよ!
先生
そうね
先生
じゃあ、怖い話しよっか
プールに行けず、学校で課題を済ませた
そんな私に話した怖い話は
幼いながらにトラウマとして記憶に残ることとなった
先生
あれは…私が小学生の頃
先生
ちーえちゃん
先生
かーえーろ!
ちえ
うん!
ちえ
ねえ、あそこ見て
先生
女の人…?
先生
なにあれ
校門の方を見ると
この時期じゃおかしいなって感じのコート着て
目深にフード被った女性がいたの
手には小さなバスケット持ってた
先生
行ってみる?
ちえ
行ってみよっか!
ちえ
ドキドキするね…
先生
そうだね…
その距離が少しづつ近づいていく
先生
きた…!
???
飴、いりませんか?
先生
飴、だってさ
ちえ
…
先生
怖いし行こう?
先生
ちえちゃん!
ちえ
欲しい、かも
先生
ええ!
先生
やめときなって
ちえ
一つください
???
…
無言で飴を差し出してきた
そして気づくと消えていた
先生
ちえちゃん危ないよ
ちえ
もう貰っちゃったし
ちえ
いただきまーす
先生
あ!
ちえ
っ…!
先生
ちえ、ちゃん…?
ちえ
この飴…
ちえ
すっごい美味しい!
先生
え…?
ちえ
もっともっと食べたい
先生
…?
今思えばちえちゃんが虚ろな目をしてたなって分かる
でも、止めようとしてもできなかったの
先生
ちえちゃんかーえーろ?
ちえ
うん
先生
また、窓見てる…
ちえ
今日もいるかな
次の日には飴の話しかしなくなってた
ちえちゃん曰く「普通の飴じゃない」らしい
ちえ
あー!いる!
先生
あ、ちえちゃん!
走ってあの人の元へ行ってしまった
???
飴、いりませんか?
ちえ
欲しい…!
ちえ
もっともっと沢山欲しいの
???
それなら材料が必要だ
ちえ
お金…?
ちえ
なんでもいいから頂戴よ!
???
材料は…
???
お前の目玉だよ
ちえ
…う、あ!
先生
ちえちゃんっ!
駆け寄った時にはもう目玉をとられてた
私は走って走って逃げたわ
ちえちゃんをおいてね
先生
そういえばね…フードの下見えたのよ
先生
走り去る瞬間に
私
…
先生
目が、無かった
先生
2つぽっかり窪んでいたの
これが、私が聞いた話
え、ちえちゃんの行方?
さあ?怖くてそこまで聞けませんでした