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無言でフェンスに手を掛けます。

少し、思い出してみることにしました。

⚠️ご注意⚠️

・今回、死を思わせる描写があります

・長いです(2000文字超え)

・政治的意図は全くありません

・それでもいいなら、このまま画面をタップ又はスクロールして下さい。

後悔しないことを願っております。

言ってしまえば私のせいです。

貴方にたくさんのことを押し付けてしまった、私が悪いのです。

事の始まりは少し前のことです。

貴方に何か特別な感情を抱いてしまったのは確かでしょう。

浮かれていたのも間違いありません。

世界がきらきらと光り始めて、

同時に凄く辛くなったんですよね。

イギリス

......はぁ。

私がため息を吐くと、貴方は不満そうに表情を歪めます。

フランス

なーによ、人の前でため息なんか吐いて。

いつも通りの貴方に少し安心を覚え、私もいつも通りのように返します。

イギリス

いやぁ、幸せの定義について考えていまして。

フランス

哲学的ねぇ......頭痛くなりそう。

貴方は深く考えたという風でもなく言いました。

フランス

幸せなんて私たちが決めりゃいいでしょ?私は今幸せよ。

実に貴方らしい考えに、私がくすりと笑うと、貴方はいつも通りの膨れっ面で言いました。

フランス

ちょっとなによ!何がおかしいっていうの!?

私も幸せです。

フランス

わぁ!きれい!

じりじりと日の光が照りつけるなか、子どものようにはしゃいでいる貴方は言います。

イギリス

きれいよりも暑いが勝つんですが......。

少し先の砂が歪んで見えるほどの猛暑日でした。

イギリス

なんでよりにもよってこんなに暑いんですか......?

フランス

ばかねぇ......こんなんでも体力持たないならどこにも行けないわよ?

もうぶっちゃけどこにも行きたくないです。夏は部屋に籠っていたいんですよ!

イギリス

うぅ......

フランス

も~、せっかくの海なのに楽しめないじゃない!ほら、立てる?日陰に行くわよ?

どこまでも優しい貴方は、私を日陰に連れていってくれました。

イギリス

申し訳ないです......せめてフランスだけでも楽しんでください......。

フランス

私は貴方と来たかったから来たのに、それじゃ意味ないじゃない!

イギリス

えぇ......?

フランス

回復するまで、ここで待ってるんだからね!

本当に、幸せです。

イギリス

ん......?

肌にぽつっと、冷たい何かが当たった気がしました。

それは徐々に増えていって、視界が絹糸で満たされていくようでした。

フランス

えっ?雨?

イギリス

天気予報では言ってなかったはずなのですが......。

フランス

ちょ、私傘持ってないわよ?

イギリス

私も持ってないですね。

私たちは顔を見合わせて、小走りで雨をしのげる場所まで急ぎました。

フランス

はぁー......

貴方が冷たい空気に白い霧を吐き出します。

フランス

ねぇ見てよイギリス!もう息が真っ白!

イギリス

本当ですね......。

私もためしに息を吐いてみると、湯気のようなものがうっすらと見えました。

もうすっかり冬。フランスと一緒にいるようになってから一年がたとうとしています。

なんだか寂しいような、複雑な気持ちになって足下を見ていると、突然、頬に冷たいかたまりがぶつかりました。

イギリス

つ......めた......!?

フランス

ふふふっ......隙ありっ!

またも貴方は雪だまを投げてきて、私の腕に当たりました。

イギリス

そっちがその気なら......やってやりますよ!

私も雪だまをフランスに投げつけます。

フランスも雪だまを次々に投げ飛ばします。

いい年して雪合戦。しかもふたりぼっちで。

でも、楽しかったです。

幸せでした。

でも、どうしてか......

私は少し幸せになりすぎたようです。

フランス

ねぇ......イギリス......

イギリス

どうしたんですか?

フランス

あのさ......えっと......

イギリス

言うなら早く言えばいいじゃないですか。

フランス

ごめん......やっぱいいや。

重かったんでしょう。

私が貴方だけにこだわるから、余計に。

あのとき、きっと言おうとしてくれてたんですよね。

私が変に圧をかけたせいで、言えなくなってしまった。

貴方と居る価値もありませんね。

イギリス

フランス、また来週......

フランス

あ、ごめん......ちょっと......無理......

イギリス

なにか予定があるんですか?

フランス

うん......ちょっとね......ごめん......

イギリス

そうですか。

フランス

じゃあ!またね!

どうしてか......辛いと思うことが増えていきました。

勝手に舞い上がって、その反動でちょっと傷ついただけのくせに、よくそんなことが言えたものですね。

これには、ほとほと呆れます。

フランス

あら、こんなところにいたの?

イギリス

げ......。

フランス

げ......ってなによ!捜したんだからね!

イギリス

すみませんって......それで?何かご用ですか?

フランス

これ、頼んだわよ。

素っ気ないなんてことはありません。

いつも通りでした。

いつも通りなのに、どこか寂しさを感じている私がいます。

いつも通りを望んでいるのに、ほんの少しの特別も欲している、

自分勝手な、私がいます。

貴方がもう二度と、悪夢を見ることが無いよう。

私がもう二度と、貴方を蝕むことが無いよう。

そんな綺麗な建前で飾って、逃げたいと思います。

世界が悪い、なんてことは少しもありません。

私が少し......弱かっただけですので。

私の存在理由を示してほしい。

私のことなんて忘れてほしい。

新しく私を孵してほしい。

私をさっさと壊してほしい。

前の私に戻してほしい。

馬鹿な私を諭してほしい。

私の心を放してほしい。

大嫌いな私を貶してほしい。

なにも見えなくなった私を直してほしい。

どうか私を許してほしい。

どうか貴方自身を、愛してほしいです。

きっと、もう無理です。

貴方の優しい声が、とても痛いんです。

これが最終手段です。

だから、もう探す必要はありません。

【達成失敗】

大嫌いな貴方の

殺し方

フェンスに手を掛けた。

そこから見えたのは、紛れもない......

フランス

どう......して......
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