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体育大会の打ち上げは、夜まで続いた。 競技中の熱気などとうに冷めているはずなのに、 広間に集まった生徒たちの興奮は一向に収まる気配がない。 食事を囲み、騒ぎ、笑い。 ふと誰かが提案した王様ゲームも、気付けば終盤を迎えていた。
ウィリデ・グラティア
間延びした声で場を仕切るのは、 プロプリウス学園・高等部三年A組、ウィリデ・グラティア。 円陣の中央に積まれていた札が、それぞれの手元へ渡っていく。
アトゥモ・チャパサ
小さく声を漏らしたアトゥモの手元を、 隣にいたリュリュがすかさず覗き込む。 一瞬。 その瞳が、きらりと輝いた。
リュリュ・トゥイ
アトゥモ・チャパサ
リュリュ・トゥイ
勢いよく挙げられた腕につられ、一斉に視線が集まる。 突然注目の中心へ押し出されたアトゥモは、恥ずかしげに口を尖らせた。
ヴィナーヤカ・ヒーカー
ヴィナが優しく声を掛け、ホワイトボードを手渡す。 受け取ったアトゥモは、白紙の盤面と手元のマーカーを交互に見た。
アトゥモ・チャパサ
せっかく王様になったというのに、肝心の命令が思い浮かばない。 眉間に皺を寄せ、アトゥモは必死に記憶を辿った。
アトゥモ・チャパサ
ふと蘇るのは、オリギナにいた頃の記憶。 生前。 宴会の席でも、同じように王様ゲームが行われていた。 誰かが笑っていた。 誰かが囃し立てていた。 そして――。
アトゥモ・チャパサ
ぱっと雲が晴れたように表情を明るくし、 ホワイトボードマーカーを走らせる。 きゅっ、きゅっと文字を書き終え、アトゥモは勢いよく盤面を掲げた。
アトゥモ・チャパサ
ヴィナーヤカ・ヒーカー
クマーナ・ヒーカー
アトゥモ・チャパサ
途端、円陣がどっと沸く。 からかう声に、アトゥモは慌てて否定した。 けれど一度上がった熱は、そう簡単には冷めない。 誰と誰が当たるのか。 期待と好奇心が入り混じり、視線がそれぞれの札へ落ちていく。
ウィリデ・グラティア
リュリュ・トゥイ
クマーナ・ヒーカー
わざとらしく煽る司会。 素直に乗せられる生徒たち。 その中で、不意にいくつもの視線が一点――いや、二点で止まった。 まじまじと、自分の札を確かめる両名。 何度見ても、数字は変わらない。 プロプリウス学園・秘書、ヴァローナ・プログレッシブ。 哲仏学園・時金いちめの護衛、ローゼ・シュテアネ。 犬猿。 不仲。 周囲からそう言われる、ふたりだった。
ヴァローナ
ローゼ
イダル・ノバラ
片や、露骨に顔色を失う。 片や、確認を終えるなり即答。 しかし無情にも、司会から逃げ道は塞がれた。 先ほどまであれほど騒がしかった広間が、妙な静けさに包まれる。 青ざめた様子で成り行きを見守る者。 反対に、滅多にない組み合わせへ期待を寄せる者。 二種類の熱がぶつかり合い、誰もが息を潜めていた。
ヴァローナ
口には出さずとも。 その場にいる誰もが、同じことを思っていた。
コメント
1件
うわああ第1話からエモすぎる…!!😭💕 王様ゲームってだけで青春の香りがプンプンするのに、「愛してるゲーム」を命じたアトゥモくん可愛すぎるし、よりによって指名されたのがヴァローナさんとローゼさんって…!? 犬猿の仲コンビが向かい合う緊迫感と周りの期待の視線、まさに「空気読めない王様ゲーム」の神展開すぎてニヤニヤ止まらんかったわ〜 続きどうなるの!?二人は本当にやるの?早く読みたい🔥