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――国の空気は、妙に静かだった。
整然とした街並み。 人々は穏やかに暮らしている。 だがどこか、皆が“何かを知っている”ような顔をしている。
らっだぁ
自分の未来を知っている人間ほど、奇妙なものはない。
王城は白い石で築かれ、塔の先端には青い水晶が輝いている。その水晶が予言の源だという話もある。
門番に名を告げると、あっさり通された。
門番
淡々とした声。
玉座の間へ通される。
そこにいたのは、四人。
まず目に入ったのは、王座に腰掛ける穏やかな男。
炎の色を宿した瞳。 だがその表情は柔らかい。
彼が、この国の統治者――レウクラウド。
そしてその傍らに、腕を組んで立つ緑髪の青年。冷静な視線でらっだぁを観察している。
光の紋章を浮かべた槍を持つ金髪の男は、やや騒がしそうにこちらを見ている。
そして、玉座の奥。 水面のように揺らぐ影の中に、ひとり。
静かに、笑っている男。
コンタミだ。彼は予言者である。
レウクラウド
レウクラウド
コンタミ
らっだぁ
らっだぁ
レウクラウド
レウクラウドの声は温かい。
らっだぁ
らっだぁは気軽に言う。
緑の青年――みどりが小さくため息をついた。
みどり
らっだぁ
らっだぁは肩をすくめる。
金豚きょーが前に出る。
金豚きょー
らっだぁ
らっだぁはくすりと笑う。
その瞬間、空気がわずかに歪んだ。
青い影が、彼の背後に立つ。 巨大な角を持つ鬼の姿。
――青鬼。
金豚きょー
らっだぁは振り返りもせず、青鬼を消した。
らっだぁ
みどりが一瞬、姿を霞ませる。
幽霊のように消え、次の瞬間にはらっだぁの背後に立っていた。
らっだぁ
みどり
らっだぁ
レウクラウドが手を上げると、場の緊張が緩んだ。
レウクラウド
その声には不思議な安心感があった。
炎の魔力が微かに揺れる。 だがそれは攻撃ではない。
守る炎
レウクラウド
レウクラウドは奥へ視線を向けた。
水面が揺れる。
コンタミがゆっくりと歩み出る。
床に広がる水紋。 そこから、細い触手のような影が這い出る。
だが攻撃ではない。 それは魔力の媒介。
コンタミ
コンタミの声は低く、静かだ。
らっだぁ
コンタミ
触手がらっだぁの影に絡む。
冷たい水の感触。 一瞬、世界が反転する。
――闇。 ――光。 ――笑い声。
青鬼が笑う。 炎が揺れる。 光が弾ける。 水が満ちる。
そして、四つの影。 その中心に、らっだぁ。
未来の断片が、コンタミの瞳に映る。
長い沈黙
みどりが目を細める。 金豚きょーがごくりと唾を飲む。 レウクラウドは静かに見守る。
やがて、コンタミが口を開いた。
コンタミ
らっだぁ
コンタミ
らっだぁ
コンタミ
水紋が消える。 らっだぁはしばらく黙っていた。
らっだぁ
レウクラウド
レウクラウドが穏やかに答える。
らっだぁ
らっだぁはそう言いながら、笑っていた。
青鬼が再び背後に現れる。 だが今度は暴れない。 ただ、彼の肩越しに玉座を見下ろしている
らっだぁ
みどり
金豚きょー
レウクラウド
コンタミ
らっだぁはゆっくりと歩き、玉座の前で止まる。
らっだぁ
青鬼が、彼と重なる。 憑依。 瞳が蒼く染まる。
らっだぁ
炎が揺れる。 光が瞬く。 水が波打つ。 空気が震える。
だが誰も攻撃しない。 レウクラウドが立ち上がる。
レウクラウド
その声は本心だった。
みどりは小さく肩をすくめる。
みどり
金豚きょーは槍を肩に担ぐ。
金豚きょー
コンタミは静かに笑う。
コンタミ
らっだぁは青鬼を消し、くるりと背を向けた。
らっだぁ
レウクラウド
レウクラウドが首を傾げる。
らっだぁ
彼は振り返らず、手をひらひらと振った。
玉座の間に、しばし沈黙。
やがて金豚きょーが吹き出す。
金豚きょー
みどりも、わずかに笑う。 レウクラウドは静かに窓の外を見る。 空は青い。
コンタミが呟く。
コンタミ
その言葉に、誰も気づかない。