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#いじめ→愛されかも…?
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――予言の国には、二つの未来がある。
ひとつは、公に語られる未来。 もうひとつは、決して語られない未来。
玉座の間の奥。 水鏡が静かに揺れている。
そこに映るのは、燃え上がる城。
白い石が赤に染まり、 空を焦がす炎。
その炎は、ただの火ではない。
――王の炎。
みどり
振り向けば、みどりが壁にもたれかかっている。 姿は半ば透け、幽霊のように存在している。
水面の前に立つのは、コンタミ。 彼は静かに頷いた。
コンタミ
金豚きょー
いつの間にか金豚きょーも来ていた
コンタミが幼い頃。 まだこの国が今ほど大きくなかった頃。
彼は泣きながら予言した。
――この国は、いつか炎に燃える。
その炎の中心にいるのは、レウクラウド。
炎の魔法を操る王。 誰よりも優しく、誰よりも穏やかな男。 だが未来では、彼の炎が国を焼き尽くしていた。
レウクラウド
背後から、柔らかな声がする。 レウクラウドだ。
玉座の間にいる時の、あの穏やかな“王”の顔ではない。 少し疲れた、ただの青年の顔。
みどりは視線を逸らす。
みどり
金豚きょーが大きくため息をつく。
金豚きょー
レウクラウド
レウクラウドは苦笑する。 だが、皆わかっている。
炎の規模。 魔力の波動。 中心に立つ影。
あれは、間違いなくレウクラウドの炎だった。
――解決策は、一つだけ。
コンタミは、震える声で告げた。
コンタミ
その予言は、さらに残酷だった。
コンタミ
金豚きょー
コンタミ
沈黙
レウクラウドは、しばらく目を閉じていた。 そして微笑んだ。
……簡単だよ
それが、彼の嘘の始まりだった。
城のバルコニー。
国民が集まっている。
レウクラウドは手を振る。 歓声が上がる。 優しく、強く、誠実な王。
完璧だ。 誰も疑わない。 誰も知らない。
夜になると、彼が玉座の間で一人、膝をついていることを。
レウクラウド
小さな声
その瞬間、空間が揺らぐ。 みどりが姿を現す。
みどり
レウクラウド
レウクラウドは微笑む。 その笑みは、昼間のものとは違う。
少し弱い。 少しの本音。
金豚きょーが乱暴に床へ座る。
金豚きょー
コンタミは水を揺らしながら言う。
コンタミ
みどり
レウクラウドは三人を見る。 この三人の前だけでは、王でなくていい。 完璧でなくていい。 嘘をつかなくていい。
レウクラウド
ぽつりとこぼす。
その時だった。 廊下の向こうから、足音。
軽い。 気まぐれ。 迷いがない。
扉が開く
らっだぁ
入ってきたのは、らっだぁ。 青い外套を翻し、にやりと笑っている。 空気が凍る。
みどりは即座に姿を消す。 金豚きょーが立ち上がる。 コンタミの水が波打つ。
レウクラウドは一瞬だけ目を見開き、すぐに微笑んだ。
昼の顔に戻る。
レウクラウド
らっだぁ
らっだぁは部屋を見渡す。 違和感に気づいている。 空気が重い。 誰も笑っていない。
らっだぁ
軽い声。 だが目は鋭い。 青鬼の影が、彼の背後にちらつく。
コンタミは、らっだぁを見つめる。 未来が、わずかに揺れる。
コンタミ
コンタミ
らっだぁ
コンタミ
らっだぁ
レウクラウドが前に出る。
レウクラウド
らっだぁ
らっだぁは笑う。 そして、ゆっくりとレウクラウドの目を見る。
らっだぁ
レウクラウドの笑みが、ほんのわずかに揺れた。 みどりの姿が壁際で固まる。
金豚きょーが息を呑む。 コンタミの水面が震える。
だが次の瞬間、レウクラウドは優しく笑った。
レウクラウド
らっだぁ
らっだぁはそれ以上追及しない。 青鬼を一瞬だけ憑依させる。 蒼い瞳が光る。 何かを感じ取る。
炎。 嘘。 優しさ。 痛み。
らっだぁ
金豚きょー
金豚きょーが警戒する。 らっだぁは背を向ける。
らっだぁ
扉へ向かう
コンタミ
コンタミは小さく目を細めた。
未来が、少しだけ変わった。 燃え盛る城の中に――
青い影が立っている。 炎を、笑って見ている影。 それが、敵か味方かはまだわからない。
扉が閉まる。 静寂。
レウクラウドは、ゆっくりと息を吐いた。
レウクラウド
みどりが姿を戻す。
みどり
金豚きょーが頭を抱える。
金豚きょー
コンタミは静かに言う。
コンタミ
水面には、燃える未来。 そして、その中に立つ五つの影。
みどり
レウクラウドは三人を見る。 今だけは、王ではない。
レウクラウド
微笑む。 それは本音。
レウクラウド
国民のために。 炎を暴走させないために。
終わらない演技。 終わらないカリスマ。
だがその背後で、青い嵐が笑っている。 らっだぁは廊下を歩きながら呟く。
らっだぁ
らっだぁ
青鬼が、楽しそうに笑う。 予言は絶対。 だが、炎の形までは決めていない。
この国が燃えるなら。 それをどう燃やすか。 それをどう止めるか。 それをどう“楽しむか”。
未来は固定されている。 けれど、過程はまだ揺れている。 青い瞳が、夜空を見上げた。
らっだぁ
彼は笑う
予言の国。 燃える未来。 嘘をつき続ける王。
そして、それを盗み聞きした旅人。
炎は、まだ灯っていない。 だが確実に、くすぶっている。 物語は、静かに火種を抱えながら進み始めた。
レウクラウド
レウクラウド
みどり
みどり
金豚きょー
金豚きょー
コンタミ
コンタミ