mnドッペルゲンガー

bnさんの声が聞こえ、急いで向かう

早く

早く行かないと

ドアの先は他の部屋よりも1層荒れていた

血の付いたカッターが落ち

それに伴うように至る所に血が付着していて

出来合いの食品のゴミやペットボトルが放置され

薬のシートや瓶も散らばっていた

そして

血の付いた布団に横たわっているmn

最初、mnを見つけたとき

ぐったりと横になってる姿を見て寝ているだけだと思っていたかった

けど

mnの周りにある大量の薬のシート

そして近づいて行くほどにはっきりとするmnの顔の青白さ

mnの白い腕に刻まれた無数の赤い線

そして

いつもmnが使っていた“開かれた”メモ帳

そこに書かれていた文字は

信じてほしかった

少し雑な、でも確実にmnの筆跡

あの時すぐに決めつけなかったのなら

少しでも信じてあげていたら

ものすごく後悔した

せめて

まだ救えるかもしれないから

今はちゃんとしよう

他のメンバーがショックを受けないよう手帳をポケットに入れ

mnの口元に手を当てる

微かだけどmnの呼吸を感じる

多分だけど今日、自○しようとしたんだろうな

1日遅れていたら

そう考えるだけでゾッとする

絶対助ける

俺の声を聞いて来たのだろう

dzさんが息を切らして来る

考えている暇なんてない

2人も合流する

2人にも指示を出し救急車が着くのを待つ

自分勝手だって分かってる

けど

頼む

謝らせてくれ

信じてあげれなくてごめんって

どうか

神様がいるのなら

まだmnを連れていかないでください

俺をどんな苦しい目に合わせてもいいから

どんな罰でも受けるから

僕は無力だな

ストレッチャーに乗せられたmnを眺めて思う

せめて

謝りたいと思う

許されることじゃないけれど

mnをここまで追い詰めたのは僕だから

このままmnが○んでしまえばそれすら叶わない

今度こそ

守らせてよ

それが僕にとっての贖罪だから

先に救急車で着いていたdzさんと合流する

正直、混乱してばっかだった

急に呼び出されたと思えば

5年前の事件の真相が違ったと言われ

本物のmnは○にかけていて

でも思うんだ

確かにって

よくよく考えればあの事件以降mnは変わっていた

事件に巻き込まれて周りに敏感になってたからだと思っていた

けどそれじゃ辻褄が合わないことも少なからずあった気がする

というか

5年前の事件の時に少しでも信じていたら良かったんだ

そうしたらこんなにmnが苦しむ必要も無かったのに

馬鹿だなぁ、俺は

もっと周りを見ればよかった

神様でも仏様でも誰でもいい

mnを救ってください

ｳｨｰﾝ

良かった

本当に良かった

けど

まだmnの状態がいいとは限らない

一瞬、医者が顔を顰める

そして

覚悟はしていたけど

気まづい沈黙

そんな沈黙を破ってbnさんが話す

たしかに片付けやらなんやらしなくてはいけない

そうして俺らはmnの家へ再び向かった

皆でmnの部屋の片付け中

少しずつ頭の整理ができてきた

なんで

後悔ばっかしよる

今、考えんのはそれやないのに

はよ謝って

またmnとゲームしたいな

いっぱい美味しいもんも食べて

たくさん笑って

泣いて

それで今までの5年が埋まるわけやないけど

どうか

またmnと一緒に過ごしたい