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第二十五話 個の為に全を擲つ者達-離別
きりやんが神々しく輝き スマイルに手を伸ばす
スマイルはその手に 自分の手のひらを重ねて
杖に魔力を込め始めた
神
神
Nakamu
きんとき
神は頷いた
神
神
神
スマイル
皆はスマイルを信じて力強く頷く
シャークん
シャークん
シャークんは笑った
これは決して永遠の別れなどではない
Broooockを元気にするためなのだ
Nakamu
きんとき
スマイルが杖を振りかざすと
Broooockを中心に 白い魔法陣が展開された
展開された魔法陣に きりやんが手を翳す
神
きりやんが聞きなれない言語で
呪文を唱えながら 魔法陣に神語を刻んでいく
するとスマイルの身体が パリパリと電気を帯び始め
次第に魔法陣が歪み 大きくブレはじめた
Nakamu
Nakamu
きんとき
Nakamu
Nakamu
シャークん
Nakamuとシャークんときんときは 手をつないで
その魔方陣に魔力を送る
三人に支えられた魔法陣は
ブレと歪みがおさまり 綺麗に神語が刻まれていく
すると三人の身体にも パリパリと電気が帯び始めた
シャークん
送る魔力の回線から 得体の知れないものが逆流してきて
三人の身体を蝕む
内側から焼かれるような感覚が 体中に走って痛みが伴った
Nakamu
神語はまだ 魔法陣の半分しか刻まれていない
魔法陣から溢れ出る風が部屋中を荒らす
それでも三人は魔力を送り続けた
シャークん
Nakamu
Nakamu
Nakamu
きんとき
次の瞬間――
パキンッ――!
スマイルの杖が音を立てて壊れた
スマイルは目を見開き――
その場に崩れ落ちそうに なったところを
手のひらを重ねていた きりやんに支えられた
耐えろ
頭に鐘が鳴るような声が響いた
スマイルが倒れた事で 魔法陣がより一層崩れたが
スマイルはきりやんの手を両手で握って きりやんに魔力を流し込み始めた
媒体を失ったのなら その代わりがあれば良い
スマイルはその代わりに きりやんを選んだ
それに気付いたきりやんは にやりと笑った
きりやん
スマイル
きりやん
神
強力な魔方陣になった事で 三人への負担も軽くなり
悲鳴は聞こえてこなくなった
やがて魔法陣に神語が完璧に刻まれた
それを確認したスマイルは 魔法陣を縮小させ
Broooockに標準を合わせる
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
Nakamu
Nakamu
きんとき
シャークん
スマイルが大雑把に合わせた標準を きりやんが修正して固定する
きりやん
スマイル
きりやんはスマイルの手を離して 魔法陣に手をかざす
スマイル
スマイル
スマイル
Nakamu
Nakamu
魔力が足りないと 嘆いていたNakamu達の中に
奥底から湧き上がるような 魔力が溢れ出てきた
シャークん
きんとき
大量の魔力を与えられた三人の眼が輝く
溢れ出るその力を全力で開放した
全員
輝きを増した魔法陣は 部屋全体を光で埋め尽くし
視界は真っ白に染まった
――光が見える
赤色の光が弱々しくそこにいる
神々しく輝く黄色の光が 赤色の光の傍にやってきた
黄色の光は音もなく 消え去った
次に赤色の光の傍にやってきたのは
炎のように揺らめく紫色の光だった
紫色の光は風に吹かれたように 消え去った
次に赤色の光の傍にやってきたのは
普通の青色の光だった
青色の光は小さくなって 見えなくなった
次に赤色の光の傍にやってきたのは
歪に刺々しく輝く緑色の光だった
緑色の光はぱっと力強く輝くと もうそこには何もなかった
大きく力強い輝きを放つ水色の光が
赤色の光に寄り添った
水色の光はふっと 消え去った
一番最初に目を開けたのは Nakamuだった
Nakamu
倒れていた体を起こして
Nakamuは顔を上げる
そこには神々しく光を放つ きりやんが佇んでいた
罪が犯された―― 罰を――
頭に鐘のような声が響く
Nakamu
Nakamuがスマイルに視線を移すと
スマイルはその場に倒れていた
Nakamu
Nakamu
Nakamu
Nakamuがそう叫んだ瞬間――
Nakamuは自分がどうして ここにいるのかわからなくなった
Nakamu
Nakamu
Nakamuが最後に見たものは
神々しく輝きを放つ神の姿だった
Broooockの部屋で倒れていた Nakamuとシャークんと きんときの姿が消えた
きりやんは視線を上げると
何もない空中を見据える
きりやん
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
スマイル
ただの魔力の塊となったスマイルは きりやんから記憶を奪った
スマイルは残り少ない魔力で Broooockの部屋に時間凍結魔法をかけて
部屋全体を異空間へと転送した
これで彼が外部から 攻撃されたりする心配はない
これらの魔法は Broooockの目覚めと共に解ける魔法だ
それからスマイルは 自分の記憶からもそれを取り出し
Broooockの中へとすべて注ぎ込んだ
スマイル
Broooockが目覚めた時――
彼は仲間たちの記憶を視るだろう
そして、全てを知った彼は――
絶対に、全員を集めるために 動いてくれる事だろう
Broooockの部屋の 中央にいたきりやんは
ぐるりと部屋を見渡すと
その場から消え去った
もう魔力の残りも少なくなって
存在さえ掻き消えようと していたスマイルは
眠っているBroooockから 少しだけ魔力を抜き取ると
器に戻って身体を動かして ふらふらと立ち上がった
スマイル
スマイル
スマイル
記憶がなくなったスマイルは 壁を支えにしながら立ち上がると
眠っているBroooockに視線を落とす
スマイル
スマイル
スマイル
Broooockの病室は亜空間にあるし ここは時間凍結魔法がかかっている
しかしそれだけの魔法だけでこんなに 消滅寸前まで消耗するものだろうか?
スマイル
スマイル
そうしてスマイルが顔を上げたとき 彼の頬に何かが伝った
スマイルはそっと それを手に取って確認する
そこにはみずが付着していた
スマイル
スマイルは一人 震える手で自分を抱きしめた