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人間1号

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人間1号

10 - Episode.10

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2024年06月05日

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Episode.10 過去編start.

いちばん古い記憶。

それはお父さんの顔だった。

お母さんは、物心がついた時にはもう居なかった。

私はお父さんが大好きだった。

これは、私が6歳の時起きた

救いようの無い悲劇───────

お父さん

○○。

○○


なあにお父さん。

お父さん

お父さんな、新しい人と結婚しようと思ってるんだ。

○○

ん〜?
そうなの?

お父さん

うん、○○はそれでも良い?

○○

うんっ!
…あ!もしかしてその人、私の新しいお母さん?

お父さん

…そうだな。

○○

ねぇお父さん!
私の最初のお母さんってどんな人だったの?

お父さん

うーん…
○○に似た美人だったなあ

○○

へへへ!
そうなんだぁ〜

○○

うーん…じゃあじゃあ!

「なんでお母さん居なくなっちゃったの?」

お父さん

…!

この一言で、 お父さんの声のトーンは一気に落ちた。

当時の私にはよく分からない話だったけど、今なら分かる。

私は父方の家の人間の誰とも血が繋がっていない。

私は、お母さんの不倫相手との子供だった。

妙に誰とも似てないと不思議に思った家族達が DNA検査をしたら1発で分かったらしい。

お母さんは 私を置いてどこかへ行ってしまった。

翌日、お父さんの再婚相手が私達の家を訪ねてきた。

甘い匂いとピンクのリップをした女性。

思い出せるほど鮮明に覚えている 女の香水の匂い

○○

(…くさい)

恵里奈

○○ちゃん。
新しいお母さんになる恵里奈っていいます!

恵里奈

よろしくね。

嫌な笑顔だった。

怖かった。

正直お父さんと2人で良かった。

帰って欲しかった。

私達の生活に踏み込まないで欲しかった。

○○

………お母さん。

○○

お母さんお母さん、お母さん、!

○○

うん!
お母さん!

○○

よろしくね、お母さん!!

お母さんお母さん、これはお母さん。

お母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母

パチン!!!!!

○○

あ…

恵里奈

ごめんねぇ○○ちゃん?

「私とお父さんの時間奪わないでくれるかな?」

恵里奈さんと暮らし始めて3日目

頬を叩かれた所から頭が真っ黒になった。

私のお父さんなのに…

でも、お父さんと私は家族ではない

血が繋がっていないから。

でも…でも

お父さん

な…な、

お父さん

何やってるんだ○○…!!!!

○○

んっ?

お父さん

…………、

お父さん

○○。

お父さん

人の命は…奪っちゃいけないんだ…っ、

お父さん

○○が今やった事は…怪獣と一緒だよ

恵里奈

……………

冷たくなって動かなくなった恵里奈さんを見て お父さんはそう言った。

○○

だって…だってえ…っ、

○○

お父さんのこと…恵里奈さん取っちゃうんだもん…っ!

○○

もっと…っ、もっとお父さんと一緒がいいのに!!!!

○○

私のお父さんなのに!!!!

お父さん

…………っ、

○○

うえぇん…っ、うわぁぁぁんっ…!!!!

○○

うぁあああっ…、

私の悲痛な叫びが響くリビングには

鈍い血の匂いがした。

─────数日後 恵里奈さんのお葬式

恵里奈さんを殺害した私は、葬儀の後施設に連れていかれる事になった。

当時の私はもうお父さんと会えなくなると思って酷く癇癪を起こした。

○○

……お父さん

○○

私…1人にならないよね、

お父さん

…うん
きっとね

お父さん

…○○

お父さん

○○がやった事は許されない事だし、お父さんだって怒る。

お父さん

だけど、
1度の間違えで全て諦めるのは違う。

○○

え…?

お父さん

○○にはまだ未来がある。
まだ君は6歳なんだ。

お父さん

若いんだから諦めちゃダメだよ。

お父さん

お父さんは○○を応援してるからね。

○○

……うんっ、

○○

私…私頑張るから
もっと前に進むからねっ、!

そう言うとお父さんは微笑んだ。

その時のお父さんの目には愛が籠っていた。

私を本当に愛していたのは 血が繋がっていないお父さんだった。

○○

お父さん

お父さん

なに?

○○

大好き…、

お父さん

…うん、
お父さんも

お父さん

○○が大好きだよ。

──────1度は愛した人を殺した娘を

大好きでいてくれた、お父さん

どんな気持ちだっただろうか

冷たくなっていく恵里奈さんと 凶器を持った私を見たお父さんは

どんな気持ちだっただろうか?

○○

ごめん…なさい、

○○

ごめんなさい……っ、!!

ただ、謝ることしか出来なくなった。

─────翌日

お父さん

じゃあ
行こっか

○○

うん…

○○

私施設に行っても頑張るから、お父さんは
私が戻ってくるまで待っててね。

お父さん

勿論そのつもりだよ。

お父さん

頑張れ。

○○

…………うんっ!
私がんば

ドカン!!!

○○

きゃっ……!?!?

怪獣発生情報   怪獣発生情報

皆様 速やかに避難を───────

○○

げほっ、ごほっ………

○○

えっ…、?

お父さん

……………。

○○

お父さん、?

目の前に血を流して倒れているお父さんの姿が どうしても忘れられない

あの悲劇の日 周辺に発生した怪獣の攻撃で向かいの家の一部が崩落し

私達の家の玄関に直撃した。

防衛隊が取りこぼした余獣だった。

取りこぼしの余獣がした攻撃たった1発で 6歳の私の生きる意味だった人は目の前で、一瞬で命を落とした。

○○

やだ………やだっ、!!!!

○○

やだ…っ
置いていかないで!!

○○

お父さんっ…!!!!
お父さん!!!!

○○

まって…まってっ、!!!!

○○

やだぁ…っ、うわあっ…

○○

うわぁあああああぁん!!!!!!!!!
うぁああああああああっ…

○○

うわあぁあっ…、

○○

ひとりにしないで………!!!!!!

あの日の血の匂いは 恵里奈さんの甘い香水の匂いより鋭く尖っていて

鼻の奥を突き刺すようにしながら 私を絶望させたのです。

鳴海

…寝てる

涙の跡───────

鳴海

……コイツ
悲しかったんだろうな

○○

………、

鳴海

(…………頑張ったな、○○)

鳴海

…お疲れ様。

Episode.10 finish!

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