ゆあん
えと
ゆあん
冷たい、目。
暗くて、鋭い光を、宿した目。
その眼差しに、私はいつものように俯いた。 いつから、こうなってしまったんだろうか。 前は、こんなんじゃなかったのに。
いつも明るくて、優しくて、まるで太陽のようだった、 ゆあんくんは、もういない。
今は同棲こそしているけれど、1日に目を合わせることはほとんどない。 合わせたとしても暴言を吐かれるだけだから、 合わせないようにしてるんだ。
…情けないな。
年下に、こんなに怯えてるなんて。
やっぱり男運がないのかな。 最近なんて、暴力を受けることが何回もあった。 ゆあんくんは、絶対に暴力を振ることはなかったのに。
でも、それを言ったら、また殴られるだけだから、何も言えない。
顔を殴られてないだけ、マシかな。 私が仕事の付き合いで飲み会行った時は、会社の先輩の所に殴り込みに行ってたけど、当のゆあんくんは、夜遅く帰ってきて、 ほんのり、女の人の香水の香りがした。
ゆあん
もう、何も言えない。
怖い
ゆあんくんが、怖い。
ゆあんくんに、傷つけられるのが怖いんだ。
ゆあん
もう、何をしても、言っても、怒られる。 私って、そんなにダメな子なの? そんなに、ゆあんくんに迷惑かけたかな?
えと
えと
ゆあん
その言葉を最後に、玄関の扉が閉まる。 取り残された私は、もう涙さえ、枯れたように出てこなかった。
生きている意味が、分からない。 このまま生きていても、未来に希望なんて、あるわけない。
…死にたい。
えと
のあ
その声を聞いた途端、安心感か、涙目になってしまう。
えと
高校からの友達である、百瀬のあ。 彼女とは、ずっと連絡を取り合っていて、ゆあんくんの事も相談している、頼り甲斐のある人だ。
私が信用している、数少ない内の1人でもある。
のあ
えと
えと
心配をかけるのが怖くて、また笑ってしまう。 何も、おもしろくないのに。
笑える事なんて、何もないのに。
いつからか、いつでも笑ってしまうようになっていた。
のあ
えと
のあ
のあ
のあ
いつになく、真剣な声音に、私は何も言えなくなっていた。
のあ
えと
のあ
のあ
えと
ゆあんくんも飲み会だし、いいよね。
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