響渡るスマホの音
鳴り止まない通知
黄
知らない
黄
もういいじゃないか
僕は悪い子だ
悪役だ
裏切り者だ
紫
何かあったら相談してね?
そんな彼の優しさに頼らなかった
頼れなかった
黄
君達が眩しいから
黄
僕は必要ないから…
黄
ごめんなさい
るぅとくんがグループを辞めて数ヶ月
彼の本名がニュースに出た
自殺だ
「そんな!?」と僕含めたメンバー、リスナーさん達が言った
そんな彼の実家にお邪魔した時
彼の父と母が出迎えてくれた
黄母
来てくださりありがとうございます…
あの子もきっと喜ぶわ…
あの子もきっと喜ぶわ…
葬儀が終わり、彼の残した物を片付けていた
彼の残した物には非常に少なかった
束になった診断書
薬のデータ
紫
るぅとくんは病気だったんですか?
黄母
ほ、本人から聞いてなかったのですか?
聞いてない 何も聞いてない
紫
(僕は信頼されてなかったの?)
黄母
るぅとは…白血病だったんです…
紫
え…
紫
(知らなかった…長年一緒に活動して来たのに…)
後悔で埋まる声
紫
…ッ
そして残された…沢山の作曲のデータ
データが詰まったCDには ななもりさんへ
と書いてあった
黄母
あの子は最後まで貴方達のために作曲し続けたらしいです…
黄母
どうかもってて下さい…!!
紫
…ぁ
青
そんな…るぅちゃん…ッ!
青
こんな終わりかた嫌だよぉ…ッ
泣き叫ぶ誰かの声
赤
お、俺…また友達を助けられなかったの…?
赤
あ…あぁ…
か細い誰かの声
桃
最年長なのに…
桃
しっかりと支えてやれなかった…?
倒れこみ絶望につかる誰かの声
橙
何がエンターテイナーや…
橙
1人でも守れんかったのに…
自分を否定する誰かの声
ちがうちがう…
るぅとくん…
不必要なんかじゃない 暗い闇なんかじゃない
君は必要とされてたんだ
君は光だったんだ
僕たちには君が必要なんだ
生きてて欲しいんだ
紫
今なら間に合うよ…
紫
帰ってきてよ…るぅとくん…
ぬぴ
すまん没