ご褒美は

桃赤

ご褒美は3

服の裾から手を入れると

赤先生はビクンっと身体を震わせた

その反応が可愛くて

思わず体を逆転させて

細い手首を掴み

彼の上に覆い被さる

ふにふにと小さな唇を撫で

またキスを落とすと

顔を真っ赤にしながら

震えた手で俺の服を掴んでくる

それがまた可愛くて可愛くて

少し空いた隙間から舌をねじ込んだ

聞こえてくるのは

赤先生の砂糖のような甘い声と

普段こんなに甘く感じることのない

重なり合う水音

赤先生が苦しそうだったので

渋々キスを辞めると

そこには真っ赤な顔と涙目で

俺を見つめる彼がいて

たまらずまた上の服を捲り上げ

シミ一つない白い肌に指を滑らせた

耳元で囁きながら

耳たぶをカプっと甘噛みする

知らない

こんな可愛い声知らない

赤先生のクラクラするような甘い匂いに

酔ったみたいにクラクラする

もっと

もっと知りたい

ずっとずっとこうして触れたかった

彼に今こうして触れられている

その事実がじわじわと体の奥まで

広がって溶けてしまいそうだった

必死に手を押えているが

力が抜け荒い息が漏れてしまっている

俺の下で乱れる彼のせいで

理性なんてとっくに切れてしまった

また深いキスをしながら

赤先生のゆっくりと太腿を撫でながら

自分の服のボタンを

器用にもプチプチ外していく

そして彼の下のズボンに手をかけた時、

ガチャっと玄関のドアが

勢いよく開いた音がした

そしてドタドタと誰かが俺達のいる

リビングに向かって来ようと

するものだから

俺は渋々一目散に真っ赤な顔の

赤先生に毛布をかぶせ

自分の服のボタンをはめ

何事も無かったように彼の隣に腰掛けた

ぐしゃぐしゃと俺の頭を撫でる母さんを

軽くあしらう

沢山のお土産を抱えて

しゅん、としている父さんには悪いが

俺はせっかくのチャンスを逃し

今大変不機嫌だ

俺が不貞腐れていると

赤先生は火照りがようやく治まったのか

そろりと毛布を羽織りながら出てきて

ぺこりと両親に頭を下げた

母さんは嬉しそうに赤先生の

小さな手を取って上下にブンブン振る

嬉しそうに顔をほころばせる彼を見て

結婚したらこんな感じになるのか、

など考えてしまう俺は末期だった

すると毛布を羽織ったままの彼を見て

母さんが首を傾げる

また真っ赤になる赤先生に

俺が面白がってニヤニヤしていると

涙目でキッと睨みつけてくる。

しかしそれも可愛いだけだった。

あの後桃くん一家に

ケーキやら、買ってきたお土産を

ご馳走になりながら

俺は大学で今日午後から授業を

取っているのを思い出した

さっきされたこともあるし

頭を冷やしたいから丁度いい

まだ話は終わってないんだけど

という目で不機嫌そうに

こちらを見る桃くんに

慌ててばっと視線を逸らし

帰り支度をして立ち上がる

桃くんのお母さんは

バイト代がちゃんと口座に入っているか

確認することと

また何時でも遊びに来てね

と、沢山のお土産を渡された

桃くんが立ち上がろうとするのを

見計らって慌てて家を出る

だって分からない

弟のように可愛がっていた生徒に

あんなことされて

無我夢中に走って走って

いつもの駅に着くと

荒い呼吸を繰り返しながら

必死に身体の中に酸素を取り込む

''赤先生の彼氏になりたい''

だってそんなの

桃くんが俺の事好きみたいな

彼に触れられた時

....嫌、じゃなかった

彼の優しい指先から、声から

まるでチョコレートみたいに

ドロドロに溶かされるみたいで

思わず自分の唇を人差し指でなぞる

バクバクとなる心臓は

しばらくなりやんでくれなかった

大学の講義が終わり

ぼんやりと荷物をまとめていると

ニコニコ顔の青ちゃんが

ひょこっと俺の前に現れた

苦笑する俺に

青ちゃんはそうだ！！

と目を輝かせて俺の手を

グイグイ引いて歩みを進めていく

あからさまに嫌そうな顔をする俺に

青ちゃんは可愛い顔を

ぷくぅっと膨らませた

少し離れたところで

沢山の女子に囲まれている青ちゃんを

横目にため息をついて

もう何杯目か分からない烏龍茶の

グラスを口につけた

お酒を飲んでいる人が

ほとんどだか

生憎俺はお酒に強くない

もう帰ってもいいかな....

辺りを見回しながら

残った烏龍茶を飲み干すと

ガタンと音を立てて

誰かが隣に座った

にこりと微笑んで

俺の隣に座ってきた見知らぬ男は

青ちゃんの知り合いのようだ

髪を明るく染めて

高そうなピアスをしていて

ちょっと苦手なタイプだ

小さく頷くと

彼はフッと軽く笑って距離を縮めてくる

青ちゃんの友達らしいし

良い人かもしれない

俺は微笑む彼の手から

恐る恐る

ワインのグラスを受け取った

皆さんごめんなさい お久しぶりですm(*_ _)m テスト終わりましたw 死にましたw 次で多分最後です(( これセンシティブ つけた方がいいのかな(((