血のハロウィンから…一ヶ月ぐらい
千冬
突然だが
千冬
オレの恋バナ?をしようと思う
千冬
オレには
千冬
好きな人がいた
千冬
名前は
場地圭介
千冬
彼に抱く想いが
千冬
憧れだけではないと気付くのに
千冬
そう時間はかからなかった。
バジさん!
千冬
そう呼べば
千冬
どんな時も
おー、千冬!
千冬
そう返してくれた
千冬
大好きな人
千冬ぅー
千冬
最後の音を伸ばす
千冬
くすぐったい声で
千冬
いつもオレを呼んでくれた
千冬
大好きな人
バジさん、オレ足やっちゃいました💦
千冬
ケンカの時そう言ったら
仕方ねぇなぁ
千冬
と言って、おんぶしてくれた
千冬
大好きな人
千冬
…いつか
千冬
この想いを
千冬
伝えられたら
千冬
ずっと
千冬
そう思ってた
千冬
でもそれは
千冬
叶わなかった
千冬
10月31日
千冬
彼は
千冬
大好きな彼は
千冬
死んだ
千冬
残ったのは
千冬
悲しさと
千冬
悔しさと
千冬
眠れない夜と
千冬
抗争後一緒に食べようと思っていた
千冬
ペヤング
千冬
もう
千冬
半分コは
千冬
できない。
千冬
「…バジさん」
千冬
そう呼んでみたけど
千冬
…返事はこない
千冬
もう
千冬
オレの名前は
千冬
呼んでくれない
千冬
「バジさん…オレ…心を、ケガしました」
千冬
そう言っても
千冬
呆れながらおんぶしてくれることは
千冬
もうない
千冬
この思いを
千冬
伝えられなかったのは
千冬
オレとバジさんの関係が
千冬
変わってしまうから?
千冬
オレじゃなくて、
千冬
バジさんの方から告白して欲しかったから?
千冬
それもある
千冬
でも、1番は
千冬
男が男に恋をしているなんて知った時
千冬
バジさんがなんて思うか分からなくて
千冬
怖かったから。
千冬
ケンカが強くても
千冬
オレの心は、まだ未熟で
千冬
たけみっちとヒナちゃんみたいな
千冬
甘い関係にはなれなくて
千冬
そんなこと分かってる
千冬
ずっと自分に言い聞かせて
千冬
隠して
千冬
誤魔化して
千冬
忘れようとして
千冬
でも
千冬
今になって悔やんでる
千冬
この想いを、伝えなかったこと
千冬
嫌われてもいいから
千冬
好きだって、
千冬
大好きだって
千冬
伝えればよかったなぁ
千冬
何も言わない墓の前に座って
千冬
持ってきたペヤングを見つめて
千冬
つぶやいた
千冬
「半分…食べてくださいよ」
千冬
「慣れちゃったんです、半分に」
千冬
「1人じゃ…食べれませんよ…‼︎」
千冬
「…ずっと、好きだったのに…」
千冬
オレの言葉は
千冬
誰にも拾われずに
千冬
空に、消えた。
〜次の日〜
千冬
「行ってきます」
千冬ママ
「いってらっしゃい」
千冬
いつもと変わらない、朝
ガチャ(ドアを開ける音)
コツン(ドアが何かにあたる音)
千冬
?
千冬
そこには、
千冬
一箱のペヤングと、手紙が置いてあった。
千冬
手紙には、
千冬、今までありがとな! おれも、好きだった!
千冬
…と、書いてあった。
千冬
オレは
千冬
涙が込み上げるのをグッとこらえて、
千冬
「…汚ねぇ字」
千冬
そう、つぶやいた。
千冬
オレの言葉は
千冬
空に消えてったけど
千冬
きっとあの人が
千冬
拾ってくれるだろう。
〜おしまい〜