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家族を求めた下弦の鬼達 その本質は似ているとも 全く異なるとも言える 方や『恐怖の絆』 方や『親の愛情』 家族を求めた訳も異なる 方や失った絆の心の穴を埋める為(本人………本鬼は無自覚だが) 方や看病をする事で癒やされる為 彼は虚しかったのでは無いだろうか。 所詮彼の『絆』は紛い物 『家族』が彼を守るのは自分自身の為 彼女は幸せだっただろう。 彼女が愛したのは自分自身 求めていたのは優しい自分自身を演出する為のお人形 もし彼が彼女の元へ訪れたらどうなったのだろう。 無意識の内に病気への嫌悪から彼女を嫌っただろうか? 結局は『子供』を殺している彼女を 親の役割を果たしていないと断罪しただろうか? それとも自分自身の欲望の為他者を傷つけ利用し搾取する似たもの同士 案外良い家族になっていただろうか? その下弦達の左目に 両目に数字を刻まれた者はどう映ったのだろう 弟に嫉妬し、殺したい、死んで欲しいと願った彼は 両親が眼の前で死んでも、何も感じなかった、感じることの出来なかった彼は 何も守れなかった彼は 幾人もの妻子を殺して来た彼は 親の水死体に感動した彼は 紛う事なき兄妹彼と彼女は どう映っていたのだろうか。