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夜が明け,セレフィア魔法学院の朝が始まる
窓から差し込む光が, 玲乃の頬をやさしく照らしていた
玲乃
目を覚ました玲乃は、隣で丸くなって眠る 由宇を見て、ふっと微笑んだ
玲乃
由宇が魔物から自分を守ってくれたこと 雪兎が、迷わず自分を追ってきてくれたこと あの一瞬だけ見せた、雪兎のやわらかな表情
玲乃
朝食の時間。食堂は新入生たちの ざわめきでにぎわっていた
玲乃はなるべく目立たないよう、隅の席に 座っていたがーー
雪兎
玲乃
雪兎
周囲の視線が痛い
玲乃
その日の授業は、属性適性の実技演習だった
生徒たちはそれぞれの属性に応じた魔法を発動し、教師が評価を下す
教師
玲乃
空中に水の粒が浮かび、やさしく渦を巻く 美しいが、力強さはない まさにC+相当の魔法 教師は無表情にうなずき、次の生徒を呼んだ
玲乃
授業が終わると、玲乃はそっと人波から離れ、学院の裏手にある温室へと足を運んだ
ここは、魔法植物の栽培や研究のための施設で、生徒の出入りも自由だが、放課後になると人影はまばらになる
玲乃は、温室の一番奥——水辺の植物が集められた区画の、ツタの絡まるベンチに腰を下ろした
ガラス越しに差し込む西陽が、葉の影を揺らしながら、彼女の髪を淡く照らす
膝の上には、分厚い魔法理論書 その横で、由宇が丸くなってうとうとしている
由宇
玲乃
玲乃
自分と同じSS+ 彼は隠さない むしろ、堂々とその力を受け入れている それなのに、どこか孤独そうで、 誰にも心を開いていないように見えた
玲乃
そのとき、足音が近づいてきた 玲乃は反射的に身を縮めたが、聞き覚えのある声がした
雪兎
玲乃
雪兎
雪兎は、彼女の隣に腰を下ろし、何も言わずに空を見上げた
しばらくの沈黙 温室の中を満たす湿った空気と植物の香りが、ふたりの間の距離をそっと和らげていく。
玲乃
玲乃
雪兎
玲乃
雪兎は何も言わなかった。 ふと横目で玲乃を見る。その頬が、 ほんの少しだけ赤く染まっていた
玲乃が本に夢中になっている間、由宇はふわりと彼女の膝から飛び降りた
由宇
雪兎
由宇
由宇はくるりと振り返り、雪兎に向かってしっぽをふわりと揺らした
由宇
雪兎
由宇
雪兎は無言で歩き出す。 由宇はくすくす笑いながら 花の間をすり抜けていく
由宇
雪兎
由宇
雪兎
由宇
雪兎
由宇
雪兎は立ち止まり、由宇を見下ろす
雪兎
由宇
雪兎はふっと鼻で笑った。 それを見て由宇は満足そうにしっぽを揺らした
雪兎
由宇
雪兎
由宇
雪兎はしばらく黙っていたが、やがてぽつりとつぶやいた
雪兎
由宇
由宇と並んで歩く温室の小道は、湿った空気と草の香りに満ちていた
ガラス越しの夕陽が、葉の隙間から差し込み、白猫の毛並みを金色に染めている
雪兎
雪兎は、由宇の言葉を反芻していた 玲乃の中にある、誰にも見せない想い。 それを、目の前の小さな存在が抱えているというのなら——
雪兎
ただの使い魔の動きじゃなかった 玲乃を守るために、限界を超えて変化した あの白い光の中にあったのは強い意志と 深い絆だった
雪兎
雪兎は、温室の奥に戻ってきた。 そこには、ベンチに腰かけ、本を読みふける玲乃の姿があった
彼女の横顔は穏やかで まるで何事もなかったかのように静かだった けれど、雪兎にはわかる その瞳の奥にどれだけのものを隠しているのか
玲乃
由宇
雪兎
玲乃は不思議そうに首をかしげた その仕草がどこか子どもっぽくて雪兎はほんの少しだけ目を細めた
雪兎
彼は何も言わず玲乃の隣に腰を下ろし、静かに本を開いた けれど、文字は目に入らなかった
ただ、隣でページをめくる音と由宇の 小さな寝息が、やけに心地よく響いていた