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…(「・ω・)」なんこれ 尊い(◜¬◝ )
いふ
鏡の中にいる自分に向かって、 自己暗示をかけるためにそう言った
いふ
いふ
いふ
もう一度、何度目かわからない デート前の確認をした
いふ
よし、と両頬をパチンッと思い切り 叩いた。所謂気合い入れだ。
いふ
母親
俺はドアを開け、駆け出した
先週のことだ
悠佑
いふ
悠佑から放課後、いつもの屋上に 集合なと言われた。
いふ
いつもなら、何も言わなくても 自然と二人で集まっている。 だから、心配になったのだ
悠佑
途端に、アニキは俯いてしまった
悠佑
いつもとは違う様子の君だったが、 嘘は言ってないと思った。 だから、安心した
いふ
アニキの顔はいまだに俯いたままだ。 一体、どうしたというのかと 心配、いや不安がどこかに残っていた
いふ
表情のわからないアニキに、 拭えない不安を抱えて聞いた
悠佑
悠佑
数秒口を閉ざした後に 覚悟を決めたようにこちらを見上げ 口を開いた
悠佑
…悠佑は、確かにそう言った
いふ
随分間抜けな声が出てしまった気が したが、その時はどうでも良かった
悠佑
君が顔を歪めても、 それでもこの空気を、 この砂糖のように甘い甘い空気を 変えることはできなかった
悠佑
悠佑
甘い空気を吸い込み、また悠佑は 口から甘ったるい空気を吐き出した
悠佑
「大好きなんや」
いふ
ようやく、脳が追いついてくれた。
いふ
それでも心が追いついてくれなくて 情けない声をあげた。
悠佑
耳までイチゴみたいに赤くなってる 君は目を逸らした。 けれど、続けてこう言った
悠佑
君は少し長い前髪を耳にかけた
悠佑
琥珀の瞳が俺を溶かすように、 熱を持って見つめて、
悠佑
淡いピンク色の唇が甘い空気を 吸って、吐いて、 そして弧を描くように微笑んだ
悠佑
愛を謳った君の声が 俺の脳をドロドロに溶かして 中に侵ってくる
いふ
こんなの、甘すぎて、 可笑しくなっちゃうわ
いふ
そう嘲笑えたら良かった… のかもしれない。
いふ
けれど、俺はそうは思えない。
いふ
だって、君が目の前にいるから
まあその後砂糖水に溺れてしまった かのように話せなくなったが、 なんやかんやで付き合った。
いふ
緑が生い茂る公園の橋のベンチで アニキは静かに…いやそわそわして 座っていたため声をかけた
悠佑
ぱあっという効果音がお似合いの、 純粋な笑顔が向けられた
いふ
その眩さに早速やられそうになるが 今日はカッコいい彼氏をやると 決めているために、耐えた
いふ
デートの常套句とも言える言葉を ついに使う日が来るなんて、と 幸せに入り浸っていると、 アニキが口を開いた
悠佑
15分よりも前に君は来ていた その事実が浮かれているのは俺だけ、 ではないことを示していた。
いふ
それが、どんなに嬉しいことか!
幸せメーターを1〜10で 考えるとすると9くらいはいく。 因みに告白されたのは600はいった
いふ
悠佑
デートという自分で呟いた言葉に ドキドキしながら、 ちゃっかり手を繋いで歩き出した
二人で水族館にやってきた。
悠佑
アニキは不安気、 というよりも恥じらいの方が 大きそうな表情をしている
いふ
いふ
いーっと歯を見せて拒否顔をすると、 アニキはふっと笑って、
悠佑
悠佑
同じ気持ちだと、俺に伝えてくれた。
いふ
甘い、甘すぎるよ
いふ
悠佑
変に、甘い空気になったのを 変えようと話題を出すアニキの耳は 赤く染まっていた
いふ
話題に乗っかって、一緒になって 水槽の中を泳ぐ魚を見た
悠佑
アニキの顔を見る 仄暗い水槽の前で、琥珀の瞳がより 輝いて見えた。
いふ
思わず口から出た言葉に、あ、と 思いながらも言ったことの満足感も 少なからず存在した
悠佑
一瞬、コチラを見て戸惑ったが、 すぐに水槽の方へ向き魚のことか、と 思っていそうなアニキがいた
いふ
公共の場でこれ以上甘ったるい空気を 出すのはよそうと俺はグッと堪え、 その後も水族館デートを楽しんだ
いふ
デート終わりの帰り道、 俺の手を握って隣を歩くアニキに そう問いかけた
悠佑
疲れている様子は全くない、 それどころかはじけるような笑顔で こちらを向いた。
いふ
ああ、愛おしい。 デートが終わることが、 人生が終わることと同じくらいに嫌だ
いふ
悠佑
いふ
悠佑
これで終わらせないために、 精一杯の気持ちで聞いた。 手がベタついてないかが、少し 気掛かりなほどには。
悠佑
夕日に照らされているだけではないと 分かるほどには赤い君の頬で その言葉の意味がわかった。
いふ
きっとアニキも、ずっと一緒にいたい そんな風に思ってくれているのだと、 少し傲慢な考えを持って肯定した
悠佑
先ほどまでの甘い会話とは無関係の 天気の話題へと変わったのは アニキの頭に雫が落ちてきたからだ
いふ
天気予報が嘘をついた。
いふ
けれど、これはもしかしたら チャンスかもしれないと思い、 問いかけた
悠佑
鞄から出されたソレに俺は心底、 残念に思ってしまった。
悠佑
君に、なるべく嘘はつきたくなかった だから、俺も鞄からアニキと同じソレを出した。
いふ
鞄に入れっぱなしにしていたせいで 相合傘という全リア充の夢が なくなってしまった。
いふ
勿体無いことをしてしまった自覚は 当然ある。今も悔やんでいる。
いふ
泣く泣く傘を広げると、 アニキがその傘のスペースの内側に 入ってきた
悠佑
驚きを隠せない俺を前に、アニキは ニヤリと可愛い悪い顔をしていった
悠佑
いふ
小悪魔みたいに俺を惑わす。 だけどそんな君も愛している、 今、確信してしまった。
いふ
悠佑
カッコいい彼氏だなんて君の前では 結局、無理なんだ。 ならせめて、彼氏ではいたいと思った
いふ
聞こえないように小さな声で言った。
歩いているとだんだんと雨が強くなり 傘をさす人も だいぶ増えたように感じる
いふ
悠佑
いふ
男前で優しい、完璧な彼女。 だが、濡れてほしくなんてないので 俺はアニキの肩をグイッと寄せた
いふ
アニキの耳元で囁くと、 こそばかったのか、身を捩った。
いふ
肩を抱いたまま、問いかける
悠佑
しどろもどろになりながら、 望んだ返事をしてくれた。
いふ
ああ、このまま
いふ
時が止まって仕舞えばいいのに。
いふ
そんなこと、言わないからさ、 代わりにこの言葉を君に送るよ
いふ