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狐地 桜
…夏目、昨日はごめんね
夏目 貴志
ん？
狐地 桜
私のせいで
夏目 貴志
気にするな。というか、体調はもう大丈夫なのか？
狐地 桜
うん。一時的なものだったみたいで…
多軌 透
桜ちゃん！
狐地 桜
多軌…
多軌 透
体調は？大丈夫なの…？
狐地 桜
うん。もう大丈夫、ありがとう
夏目 貴志
…桜、オレか田沼に隠れててくれ
狐地 桜
え、
凪桜
ふんふふーん
夏目が見やった方を見てみると、そこには鼻歌交じりに歩く凪桜。
狐地 桜
ッ、
狐地 桜
田沼くん、ごめん。失礼するね、
田沼 要
あぁ。
田沼くんの後ろにしゃがんで、袖をきゅっと握る。
凪桜
…あ！夏目くんじゃんー！
夏目 貴志
…あぁ。おはよう
凪桜
ねぇ、わたしこの前さあ
凪桜
“狐地桜”って子見かけたんだけど､このクラスなの？
狐地 桜
っ、…？！
夏目 貴志
…オレよくわかんないって言ったよな？
夏目 貴志
この前日直の話しただけだから
凪桜
えー？でも日直だったらクラスここじゃん
夏目 貴志
分からないことを教えていただけだよ。名前なんていちいち聞かない
凪桜
…そっかぁ
凪桜
りょーかい。ありがとねー
凪桜の足音が過ぎ去っていくのを確認して、夏目を見る。
夏目 貴志
…桜
狐地 桜
あ、りがと…
多軌 透
でも…こうなるとバレるのも時間の問題だね…
田沼 要
あぁ…危険だな…
狐地 桜
…うん
狐地 桜
…ふぅ
家に着いて、私は玄関に座り込んだ。
狐地 桜
ほんとにこれからどうしよ…
頭を抱えていた私の目の前に、またもや天狐と空狐が現れる。
空狐
我が始末してやろうか
狐地 桜
それはだめ
狐地 桜
…でも、バレたら本当にどうなるんだろう
天狐
言うては悪いが桜
天狐
主はあの娘に何をされた？
狐地 桜
…別に、特別何かされたってわけじゃない。
狐地 桜
ストレスのはけ口にたまに手あげられたりとか
狐地 桜
あとは、暴言とか、蹴られたり、
天狐
まて、もういい。我が悪かった
狐地 桜
そ、そう？
狐地 桜
…バレたら、多分母さん達の所に連れてかれる…のかな、
空狐
安心しろ。その時は我が命をかけて護る
天狐
うむ、同じくだ。
狐地 桜
…ありがとう、ふたりとも
ピンポーン…ピンポーン…
インターホンが鳴る。
誰だろ、今日はだれとも約束はなかったはず……
狐地 桜
今出まーす……
私は立ち上がって、ドアノブに手をかけた。
空狐
…ッ待て桜！！
がちゃり、
狐地 桜
どちら様…
？？？
ようやく会えた
狐地 桜
は、
凪桜
おねーちゃん？
狐地 桜
なん、っ
凪桜
着いてきたの。だって私たち姉妹じゃん
狐地 桜
…ふ、
狐地 桜
ふざけないで！！
狐地 桜
血の繋がってない、狐地の血を引いてないお前を妹なんて思った事、一度もない…！
空狐
( …やはり、血を濃く継いでおる )
天狐
( 目が、微かに赤色に光っているな )
凪桜
えー？こわいよおねーちゃん
狐地 桜
笑い事じゃないのよ。早く出てってくれる？
狐地 桜
本当に、不快で仕方ないから
？？？
あら桜。自分の妹にそんなこというなんて
？？？
そんな子に育てた覚えは無いぞ
狐地 桜
は、……？
狐地 桜
父さんに、母さん…？
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