テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
花梨
148
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
高校からの帰り道。 秋の夕方は少し冷える。 オレンジ色の光が住宅街を染めて、伸びた影がアスファルトの上に重なっていた。
松田深緒
深緒が鞄を抱えたまま大きく伸びをする。 その隣で、研二がくすっと笑った。
萩原研二
松田深緒
萩原研二
松田深緒
くだらない会話。 昔から変わらない距離感。
四人で帰ることも多かったけれど、今日はたまたま陣平が居残り、千速は友達とカラオケらしい。
だから帰り道には、二人しかいない。
それだけなのに。なんとなく、いつもと空気が違う気がした
隣を歩く研二の様子が、なんだか変だ。 やけに落ち着きがない。
さっきから何度も前髪を触って、無意味に空を見ている。
じっとその横顔を見た。
松田深緒
萩原研二
松田深緒
萩原研二
露骨に動揺した。深緒が吹き出す。
松田深緒
萩原研二
松田深緒
萩原研二
深緒がじーっと見つめると、研二は耐えきれなくなったみたいに頭を掻く。
萩原研二
松田深緒
萩原研二
松田深緒
深緒は少し考える
松田深緒
萩原研二
松田深緒
研二が一瞬だけ視線を逸らした。 夕陽のせいか、耳が少し赤い。
萩原研二
深緒の足がとまる。思わず聞き返した。
松田深緒
研二も立ち止まる。
萩原研二
珍しく歯切れが悪い。
萩原研二
松田深緒
萩原研二
”2人” その言葉だけが、妙に耳に残った。 心臓が変な音を立てる。 顔が少し熱い。 研二が慌てたように続ける。
萩原研二
萩原研二
松田深緒
萩原研二
松田深緒
萩原研二
松田深緒
萩原研二
研二が頭を抱える。深緒は思わず笑った。
松田深緒
萩原研二
情けない声。 でも。 そんな研二を見るの、初めてだった。
いつも余裕そうで、女の子に囲まれて、軽口ばっかり叩いてる人。 女の子相手に慌ててるなんて考えられなかった。
研二がちらっとこちらを見る。 そして、困ったように笑った。
萩原研二
その顔が、ずるいと思った。
深緒は慌てて視線を逸らす。
松田深緒
そう答えた瞬間。研二の顔が、ぱっと明るくなった。 その笑顔に、また心臓が跳ねる。
萩原研二
松田深緒
萩原研二
子供みたいに笑って隣を歩く研二を、変に意識してしまう。 制服の袖が揺れるたび、鼓動がうるさい。
ーーーー
次の日の朝。
萩原研二
萩原研二
教室の窓際。 研二がいつもの調子で手を振る。 ただそれだけなのに。前みたいに普通に返せない。
松田深緒
上手く顔が見れない。
研二が去った後、クラスの女子の声がした。
モブ
モブ
モブ
松田深緒
モブ
モブ
“兄妹みたい” その言葉が胸に沈んだ。
モブ
松田深緒
松田深緒
『えー ー! なんでよー!』
騒しい1日がいつものように始まった。
明日は土曜日。いつもの学校が、少し違く感じた。