・留美子とスーシェフの関係
瑠美子
う〜ん…一先ず休憩!
ディナーが一段落つき厨房が落ち着いた頃、留美子は腕を伸ばして更衣室に入った。休憩をとっているとドアが開き、1人の人物が入って来た
文
あ、留美子伯母さん!お疲れ様です
瑠美子
北川文スーシェフ、仕事場で伯母さんは止めろと言ってー…あー疲れたからいいや。お前は一旦終わりか
留美子はそう言いながら椅子にドッと座る
文
すみません、つい…はい、終わりです。元々休暇だったけど急遽、高坂君に頼まれて入っただけだから。それに、早く留美子伯母さん…留美子シェフに会いたかったので
文は可愛くウィンクするが留美子に流される
瑠美子
あーハイハイ。文はいいな。私はこれからパーティーへの舞台挨拶が待っている…
留美子はガクっと首を落とす
文
でも挨拶の後、私と一緒に少量の料理を作るくらいでしょ?とにかく頑張ってください
文はそう言って留美子の肩を軽く叩いた。そして思い切ってあることを聞いてみる
文
留美子さん…船長とはどうするんですか?
瑠美子
ー!…別に。どうも…
留美子は俯く
文
今日、言った方がいいんじゃないんですか?
瑠美子
言うつもりはない
留美子は文にきっぱり言った。だけど文も食い下がらない
文
留美子さん、大丈夫です。船長は十分良い人です。それに今日、言わないと船長はー!
文はハッとなり慌てて口を塞ぐ
瑠美子
何?文、何で黙るの?
留美子は椅子から立ち上がり、文の両肩を掴んで聞く。留美子の慌てた様子を見て文は聞いた
文
留美子さん、まさか船長から聞いてないの…?これから行うパーティーの船員紹介で引退を発表するんだよ
瑠美子
ー!?何それ…?私、知らない!
留美子は驚いた。留美子の態度に文も驚く
文
もう従業員、関係者は全員知ってるよ。だからてっきり留美子さんも知ってるかと…ー!まさか船長、留美子さんにだけわざと知らせなかったんじゃ…
文の言葉に留美子は暫く俯き、そして顔を上げた
瑠美子
文、私はちょっといなくなる。厨房の奴らに伝えておいて!
留美子は文の肩を叩く。文は笑顔で答えた
文
了解!…ごめんなさい、留美子さん
瑠美子
え?何で文が謝る?
留美子は首を傾ける
文
いえ。何も。ほら、早く行って下さい!
留美子は文の言葉を疑問に思いながら更衣室を後にした