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主
主
主
主
主
主
主
主
主
楽しかった水族館から帰ってきた、その日の夜
奇跡のような幸せな時間は終わりを告げ、俺の身体に最後の波が押し寄せていた
なおきり
目の前で泣き叫ぶなお兄の声が、なんだかひどく遠くに聞こえる
ピー、ピー、と無機質な機械の音が激しく鳴り響く病室
カーテンの向こうから、じゃっぴやゆあんくん達が、涙をボロボロと流しながら俺の名前を何度も何度も呼んで、ベッドの周りに駆け寄ってくるのが分かった
どぬく
どぬく
視界がどんどん白く霞んでいく
みんなの顔がよく見えない
身体の感覚も消えかけていた
だけど、右手を握ってくれているなお兄の温もりだけは、ハッキリと伝わっていた
俺は消えそうな意識を必死に繋ぎ止め、なお兄の顔を見つめて、掠れた声で精一杯の言葉を紡いだ
どぬく
どぬく
あの日、苦いお薬を頑張って飲んだ時のように、俺はなお兄に問いかけた
なお兄は一瞬だけ目を見開いたあと、ボロボロと溢れる涙を拭おうともせず、俺の手をさらに強く握りしめてくれた
なおきり
なおきり
なおきり
なお兄は声を震わせながら、あの日のように、俺の髪を優しく、何度も何度も撫でてくれた
どぬく
大好きななお兄の手のひらの温かさが頭に伝わってくる
俺は照れくさそうに微笑みながら、最後の力を振り絞って、嬉しさが限界突破した時のいつもの癖で
頭の上の耳をピクピクと小さく動かして、お尻の後ろの尻尾を、ゆっくり、ゆっくりと振った
どぬく
なお兄の優しい手のひらを感じながら、俺は部屋にいるメンバー全員をゆっくりと見つめた
どぬく
どぬく
そして
どぬく
視界が完全に真っ白になっていく
でも、悲しくなんてなかった
大好きなみんなの声が、すぐ近くで俺を包んでくれているから
俺はみんなを安心させるための、とびきりの笑顔を浮かべた
どぬく
最後の力を使い果たした俺の身体から、すう、と力が抜けていく
繋がっていたなお兄の手が、少しずつ遠ざかるような感覚
みんなの悲痛な叫び声を遠くに聴きながら、俺はいつものピュアな笑顔のまま
静かに
そして優しく
息を引き取った
大好きな11人の声を胸に抱いて、俺の魂は、静かに夜空の星へと上っていった――
コメント
3件
ああ…もう…これ読んでて涙止まらなかったよ…(泣) どぬちゃんがなお兄に「えらい…?」って聞くところ、あの子がずっと頑張ってきた全てが詰まってた。 最後までみんなを笑顔にしようとして、ピュアな笑顔で「おやすみ」って…無理だよ、辛すぎる。 でも、悲しみだけじゃなくて、ちゃんと愛に包まれた最期だったのが救いだな。 みずもちさん、この展開、心にグッと来たわ…。
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