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あの時 指切りをした時。 柔らかく微笑んだ 天使のような赤くんを 僕は今も、忘れはしない。
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僕と赤くんが16になったある日 突然 そう告げられた。
良家の跡継ぎである赤くん。 戦略結婚を強いられるのはよくある 話なのかもしれない。
、、だけど...ッ、
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悲しそうに俯き、 目を伏せる赤くん。
今にも泣き出しそうだ
そんな赤くんに僕は、 突拍子も無い策を 持ちかけた。
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赤くんの目には一瞬の迷いも 躊躇いもなく、僕の案に頷き一つで応じてくれた。
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そして僕はあの日、 赤くんと指切りを交わした。
彼の手は 微かに震えていた
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「赤はこない。 お前が息子を誑かしたんだな」
約束していた時間になっても 赤くんは来なかった。
代わりに 約束の場所には、 彼の父親が やって来た。
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「まだそんな事を言っているのか。 お前には関係の無いことだろう」
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「向こう街の旦那と婚約するさ」
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「黙らんか...! 彼奴の事など どうでも良い」
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「それ以上無駄口を叩けば お前を袋叩きにするぞ。 そういう事だからお前は邪魔 なんだ。故にこの国から出ていってもらう」
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そして 僕の言葉は 涙と 時間と 共に枯れ果てた。
何年経ったのだろう
僕はあれから 手当り次第仕事しながら 移動を重ねた。
そして今、 ようやく赤くんの居る 故郷に帰ってきた。
見慣れたはずの景色は 変わり果てていた。
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「 あぁ。あの家のね、」
「その旦那との結婚式がついこの前 執り行われてね。 順風満帆に見えたけど、赤って子の方は本望じゃなかったのね。 初夜を迎える前に、首を吊って亡くなったみたいよ。 若いのに可哀想にねえ。」
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「えぇ。 なんでも、遺書が残されていたみたいよ。 まぁ人伝に聞いた話だから 誠の話かは分からないけれど その遺書は人に見せたくないものらしくて、大旦那様が隠し持ってるとの噂よ」
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「いいのよ。 もうすぐで葬式も執り行われるみたいだし、今に皆の耳に入るわ。」
まさかあの赤くんが 死ぬわけが無いよ。
ねえ、赤くん どこに居るの?
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懐かしい、 長い間彼を縛り付けていた 屋敷だ。
僕の元いたところ。
煙が空を渦巻いて、 どんよりとした曇り空にみえる。
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ひらひらと、小さな欠片が 冷たい石橋に降り積もる。
ふと屋敷の外れを眺める。 僕は 何も考えずに そこへ、ゆっくりと 向かった。
何か音がした 見ると 僕の足元には紙切れが落ちていた
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"俺は 青ちゃんと結婚する。 約束、果たすよ。 青ちゃん、どうか 俺を見つけてください 赤。"
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細かくさらさらになった赤くんを 手に取って
僕は深く抱きしめる。
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もうじき 雪がふる。
...これでずーっと 一緒だね。
愛しい赤くんと 僕の上には ずっしりと重く雪が振り積もった。
そんな素敵な雪の布団を被り
ようやく 僕と赤くんは この街を出た。
end
コメント
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もう最高すぎます こういう感動系大好物な私からしたら神作でしかないです🥹🫶🏻️()
まんまるーーー!お久しぶりです投稿待ってましたありがとう😭😭😭最近あるアニメハマってて身分差の恋愛とかめっちゃ待ってたもうこれは私得すぎる才能ありすぎるよ🥹🫶🏻またゆっくり無理せず投稿頑張って💪🏻💪🏻待ってるー!😵💫💗
まるさんの考えでは燃えたとなっていましたが個人の考察では冬って動物は冬眠するじゃないですか。それで土の中に一緒に埋まる、お墓に埋まるのかなって言うのが自分の考えでした 。。 改めて身分差って難しいですね 報われない両思いって辛いです