ねえ、君は覚えているかな?
君と僕が初めて 出会った日の事を…。
…10年前のあの日。
僕はお母さんと喧嘩して。
怒った僕は家出した。
そんな時、桜の下にいた君と
出会ったんだ。
君と出会わなければ。
今でも僕は桜の美しさを
知らずに人生を 歩んでいたと思う。
でも。
君と出会わなければ。
…こんなに苦しい想いをせずに
済んだのかもしれない…。
…それでも。
もし、あの日に戻れたとしても
僕は君と出会う方を選ぶよ。
たとえ君が僕を 振り向かなくたって。
僕は君を好きでいたい。
そう、思えるんだ。
…だから、どうか。
君には幸せでいてほしい。
…僕はそれだけを願ってる。
今、僕は桜を眺めている。
君の事を思い出しながら。
桜は今、満開を終えて
花びらがひらひらと
散ってゆく。
その儚さは、まるで
僕みたいだね、なんてね。
君の桜は、たとえ…
たとえ満開を迎えたとしても。
どうか君らしく。
美しく咲き続けて ほしいんだ。
さようなら。
僕の大切な人…。
僕は今日、この世を絶とうと 思っている。
…全ては。
優しすぎる君のため。
誰よりも優しい君は。
僕を傷つけたくないために
婚約者なんていないかのように 振る舞ったよね。
…でも。
僕はもう、気づいているよ。
君には婚約者がいるのだと。
2人にとって、僕はもう
邪魔者でしか、ないでしょう?
最期まで迷惑をかけて、 本当にごめんね…。
命を絶つ場所はもう…
決めているんだ。
その場所は…。
初めて君と出会った…
この桜の木の下で。
コメント
8件
泣けるぅぅぅ 読むの遅くなってごめんね><
切ないですね!😭😭
え、自☆☆☆ちゃうの……!?婚約者がいるのに優しくするって君は絶対主人公のこと好きだったでしょ…… 切ない……(´;ω;`)