でも、夜になってもオレはこの家から出られなかった
司
なぁー、類
類
ん?どうした?
司
オレそろそろ門限で帰らないと行けないんだが
類
ん?もう家にいるじゃないか。
それに、この家の門限はないよ♡
それに、この家の門限はないよ♡
司
だよなー、知ってた
できるだけ類を刺激しないように、機嫌を損なわないように。 オレは殺されないよう必死だった
お母さんに友達の家に泊まるって RINEだけしとこう
司
っ……あれ、スマホ……
類
あ、司くんのスマホならここだよ
司
あ、ありがとう
司
……なぁ、類。
類
ん?
司
スマホ、初期化したか?
類
あぁ、家出したり、変な虫が付いたりしちゃったら嫌だからね。
司
……そうか
困った。
司
え、類。どうやってパスワード
類
え、咲希くんとRINEしてたとき、後ろから
司
あーなるほどな
司
だから神山駅まで来れたのか
類
ああ、察しがいいね
司
ああ!オレは未来のスターだからな!
類
あんまり関係ないないと思うけどねぇ
できるだけいつも通りに振る舞って
司
はーはっはっは!
機嫌を損ねないように……
類
司くん
司
……ん?なんだ?
類
なにか、演じてるのかい?
司
え?
類
いつもの司くんを演じてる、何か違う司くんのように感じるんだ。
司
っ……
司
なぁ、類。
類
ん?
司
な、なんでこんな事するんだ?
類
…………こんな事?
司
お、オレを眠らせて、この家に連れてきて………オレを「家族」だと言い出して……
司
何がしたいんだ?
聞いてしまった。 機嫌を損ねたらどうしよう。
類
………
類
僕にはね、司くんしかいないんだよ。
司
…え?
類
さぁ、ごはんにしよう!司くんはなにがいい?
司
あ、えっと…生姜焼き?
類
野菜なしでいいかい?
司
いや、だめだろ!
類には……オレしかいない?
寧々や、えむは? 類の両親は?暁山は?
司
んん……考えれば考えるほどわからん……
類
はい♡司くんっ♡
司
いやっ……自分で食べれるからっ……
類
いいから、あーん♡
司
んぐっ!?
司
ひ、ひほふちがおおひほ
(一口が多いぞ)
(一口が多いぞ)
類
ふふ、司くんならいけるかなって
司
それに、野菜が入ってないじゃないか……
類
だって、司くん、なしでいいと言っただろう?
司
言ってないが。
司
もっとちゃんと野菜を入れろ!
類
っ…………
司
大きくなれないぞ?
類
いや、僕はすでに大きいからね。
司くんの方こそ、野菜を食べてるから小さいんじゃないかい?
司くんの方こそ、野菜を食べてるから小さいんじゃないかい?
司
お前なぁ……!
類
はい、あーん♡
司
うぅっ!?
司
ほまへ………
(お前………)
(お前………)
類
美味しいかい?♡
司
まぁ、美味いことは美味いぞ。
類
そうかいそうかい♪
やっぱ僕の料理は美味しいよね♪
美味しくないほうがおかしいよ♪
やっぱ僕の料理は美味しいよね♪
美味しくないほうがおかしいよ♪
司
そうだな。(諦め)
類
はい、あーん♡
司
んぐっ
司
はからひほりれくえふ!はーんはやめほ!
(だから一人で食える!あーんはやめろ!)
(だから一人で食える!あーんはやめろ!)
類
はいはい♡そんなにあーんが嬉しいんだね♡
司
ぬぐぐ………
司
あ、そうだ。類
類
ん?
司
類は、オレを家族というけど、オレと類はどういう関係なんだ?
類
え?
司
親子か?それとも兄弟か!
司
弟、欲しいと思っててな!
類
何を言ってるの?
恋人に決まってるじゃないか。
司
え?そうなの?