橙紫 本人には関係ありません 迷惑がかからないようお願い致します 通報✕
「俺、紫さんが好き…」 俺の方をしっかり見つめて 話す君は少し顔が赤く染まっていた 「…ありがとう 俺も橙くんのことが好きだよ」 「じゃ、じゃあ!」 橙くんが俺の手を握ろうとする それを避けて俺はニコリと笑う 「俺、橙くんのこと大好きだよ でもね、まだ橙くんは中学生でしょ? それに今は受験も迫ってるし」 橙くんは泣きそうな瞳で俺を見る やめてよ、俺だって橙くんと手を握りたいよ でもこんなに大事な時期に しかも社会人と付き合うなんて 非現実的すぎる 「俺、ホンマに紫さんのこと好きなんやで…」 「分かってる、だから、ね」
俺は叶うはずのないことを伝えた 「橙くんが高校に受かって、もう1人前になれたな、って思ったら」 桜と混じった風が俺たちを包み込む 「また、俺を迎えにきてよ」 俺は精一杯の笑顔で伝えた 「…分かった、絶対迎えにくるから」 橙くんは迷いのない瞳で俺に言ってくれた 「だから、待っててな」
「あんなこともあったなあ…」 俺はあの日を思い出して 切なくなりながら笑う 「なに?あんなことって」 同僚の桃くんがコーヒーも持ちながら 俺に話しかける 「えっとね、昔男の子に告白されたこと!」 「あー、あれねw もう5年くらい前だっけ?… 今もまだ引きずってんの?」 桃くんが少しからかいながら聞いてくる 「…別に引きずってる訳じゃないけど、 なんか気になっちゃうんだよねえ、」
「それを引きずってるって言うんだろw」 「そうかなあ…」 「紫くんももう26だしさ、そろそろ俺みたいにかわいい彼女でも作れば?」 桃くんがホーム画面の青色の髪色をした 彼女(彼氏)を見せてくる 「…彼女自慢したかっただけでしょ?ww」 「…バレた?ww」 桃くんの言う通りホントに考えないといけない時期だよな… でも俺はどうしても橙くんのことが気になってしまう
いつか迎えに来てくれるんじゃないかなって 無駄な期待をしている あのとき叶わない覚悟で言ったのに (ホントに俺ってバカだよなあ…) 帰りの電車に揺られながら考える あのとき手くらい握っときゃよかった、 電車を降り家へ帰るための道を通る ぱっと視線を変えると夜桜が綺麗に 咲き誇っていた 「綺麗だなぁ…」 ここは橙くんに告白された場所だ なんとなく近くの家に住んでしまっている 桃くんの言う通りやっぱり引きずってんのかなw
グイッ 「わっ…」 腕を捕まれ後ろからハグをされた (え、?なになに…怖いんだけど) 「紫、さん」 聞き覚えのある懐かしい声が 耳元で聞こえた 「…え? 」 ハグされている手を解き 後ろを見る
月が隠れてしまい少し離れたところにある街灯のみの光になってしまったけど 君が誰なのかなんてすぐに分かった 「ジェ、橙く、ん…?」 はにかみながらも大好きな人の 名前を呼ぶ 「…こんばんは ニコッ」 「な、なんでッ…」 気づけば無数の涙がポロポロと 溢れてくる
「紫さんのことを迎えにきたんやで」 橙くんは俺の手を優しく握る 「あのとき、ここで約束したやろ?」 「ッ……うん…」 涙が溢れて下を向くことしか出来ない あの日橙くんが俺の目を見つめて 伝えてくれたように… 俺もちゃんと目を見て話したのに クイッ 「んぅ、見ない、で… なん、で今顎クイなの…」 「ん?紫さんの顔が見たかったから」 橙くんは俺の涙を拭いながら言う 「俺ね、ちゃんと高校卒業して 就職先も決まったんやで! だから、紫さんに会いに来たんよ」 「う、ん…ありがとうッ…」
「だから、さ…今の俺なら紫さんのこと 幸せに出来るで…!」 そんなことない… 俺は、 「俺は橙くんだから幸せになれるんだよ 昔の橙くんでも俺のこと充分すぎるくらい幸せに出来てたんだよ…!」 上手く言葉がまとまらないけど… 1番伝えないといけないことを 忘れるところだった 「橙くん、ずっとずっと愛してたよ」 「俺も、ずっと愛してた」 丁度月が俺たちを照らし 橙くんの顔がハッキリと見える 「 紫くんは今も昔もかわええね…」 「なっ…!…橙くんだって昔よりかっこいい、よ…/」
「ふふっ ありがとう」 橙くんが俺の唇にキスをする 「ん、…今日紫くん家泊まってもええ?」 「別にいいけど?」 「やった!紫くんのこともっともっと知りたいんよね」 橙くんがニヤリと笑う 「…それはえっちな方の意味じゃないよね…?」 「当たり!えっちなことしよ!!」 「ばか!付き合って10分も経ってないじゃん!!」 俺は顔を真っ赤にしながら答える
「だって、5年も待ったんやで!? 俺、我慢できひん…」 「うう、… もー!分かったよ…好きにして、」 「俺、初めてやからね 下手でも許してな」 「はいはい、俺も初めてだから…」 「ホンマに!?良かったぁ…」 橙くんがホッと息をついている かわいい奴め、 「ほら、帰るよ…」 「はーい」 ギュッ (え、手握ってる…周りに人いたら、) まぁ、いいか 見られたって俺たちはお互いのことを 愛しているだけなのだから
橙くんが握ってくれた手を優しく 握り返した end
コメント
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♡♡。:゚(;´◻`;)゚:。♡♡よ、良かった、ほんとに良かったね2人とも……!なんてきれいなお話!私には書けないピュアな2人!めちゃ素敵…!