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あるところに、

ひとりの少女が居ました。

少女は自分の事が嫌いでした。

何故なら、誰からも尊敬されないと思っていたからです。

だから、いつも俯いていました。

自分を必要としてくれる存在が居たことにも気づかずに。

………ねぇ。

…?

彼は少女の幼なじみでした。

何?

………もし、

私が今ここから消える

って言ったらどうする?

………

どうもしないな。

…え?

彼の言葉は、本当は少女を想って放った言葉でした。

『お前が居なくなったら、俺は感情を失ってしまう。』

『だから、どうも思わなくなってしまう。』

…と。

…それでも、

彼の言葉は、少女に深い傷をつけてしまったのです。

そっ…か

うん。

………

また、明日ね。

…繊細な少女は、その言葉の真意を探そうとしました。

それでも、彼の言葉の真意は分かりませんでした。

そのうちに、少女は

『自分に原因がある』

と思い込みはじめました。

少女は、親しくしていた彼とも距離を置き、

少女ひとりで真っ暗な部屋の中に心を閉じ込めました。

心がなければ何も出来ません。

彼を避けて、

相談出来る相手も無くした少女は、

そのうち、もう何も思えなくなってきました。

………

突然、あの日以来避けられ続ける彼は

『自分がなにか言ってしまったかもしれない』

と思い込みはじめました。

ふたりは完全に

すれ違っていた

のです。

彼は密かに少女の事を想っていました。

幼い頃から好きでした。

その、愛すべき少女が自分を避けるということは、

彼にとっても、深い傷でした。

そんな時、少女が

ということが分かりました。

末期でした。

少女も彼も、

生きる希望

を失いました。

そんな時、少女と彼は

今までの自分のしてきた事を悔やみ、

互いに仲を寄り戻しました。

それから彼の方から告白し、

少女も、彼も。

幸せ

のはずでした。

少女に残された時間は僅かだったのです。

少女は、ある日を境に歩けなくなり、

しばらくして寝たきりになりました。

医者が言いました

『あと1ヶ月です』

それから、少女は

深い眠りにつきました。

少女は、最期の最期に彼に言いました

…来世は

幸せになろうね

彼は、その言葉は違うと言いました

今、君は不幸かい?

俺は幸せだよ

お前と居られて。

その言葉は、

綺麗な少女と共に

高い空の虹を渡りました。

彼は、今日も

愛する少女を探し続けます。

例え、『ここ』に居なくても。

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