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涼太

りょーへい。

亮平

なに?

涼太

また忘れてる!

亮平

あー…

亮平

ごめんね?

涼太

涼太

…これ3回目だよ?

涼太

ちょっとは思い出す努力したら?

亮平

うん…ごめんって…

涼太

忘れないようにしてよ。

亮平

うん、、分かった…、

亮平

次からは忘れないようにする!

涼太

うん、しっかりしてね。

亮平

頑張るよ!

涼太

うん

亮平が最近、忘れっぽくなった

何でだろ…

次も忘れたらどうしよう。

怒る…?注意する…?

分かんないよ……

亮平

あーあ。

亮平

また忘れてた

心の中

亮平

涼太を困らせたい訳じゃないのに…

亮平

ごめんね、涼太…

亮平

イライラさせちゃって。

亮平

理由は分からないけど、最近勉強だって集中出来てなくて…

亮平

もう…なんなのっ、

亮平

俺が記憶力悪くなるなんて…

亮平

考えられないよ…っ

亮平

……

亮平

病院行く方が良いのかな…

亮平

涼太〜

涼太

ん?

亮平

友達の家行ってくるね

涼太

え?

涼太

男?女?

亮平

んー。

亮平

亮平

どっちも。

亮平

行ってきます!!

涼太

え!?

涼太

ちょ、おい!!

ドアが一瞬だけ開き、 すぐ閉まった。

涼太

亮平?!

涼太

……

なんだよ。曖昧にして。

男か女、とか言えるだろ…

なんで、濁したの?

教えて欲しかったのに…

付き合ってすぐに決めた。

"隠し事は無し"

やめてよ、破るつもり…?

5時間後、

亮平からかかってきた

こんな時間に…

涼太

涼太

ん、はい。もしもし。?

??

あ、阿部の彼氏さんですか?

涼太

…あの

涼太

どちら様でしょうか?

??

すいません申し遅れました

??

あのっ、阿部の先輩の渡辺です

渡辺

今、阿部の電話借りてます

涼太

は、はぁ…?

涼太

どういう事ですか?

渡辺

なぜか分からないんですけど、

渡辺

俺の家に来てしまっていて…

涼太

えっ?!

渡辺

ずっと、「涼太はどこ?」と、

渡辺

渡辺

泣いてます…

涼太

え、

渡辺

あ、お酒は入ってないです

涼太

嘘だ…

渡辺

いやホントですよ!

渡辺

それでは…えっと…

渡辺

住所送るんで迎えに来てあげてください…

渡辺

ではまた後で

すぐ切られてしまった

涼太

待ってろ、亮平

涼太

今から迎えに行くからな…!

涼太

渡辺

あっ!彼氏さんだ!!

渡辺

こっちですこっち!!

涼太

あ、はい…

涼太

お邪魔します

涼太

亮平…

亮平

え…

涼太

ここに居たんだね

亮平

涼太…?

涼太

うん。涼太だよ

亮平

ほんとに涼太だ…

亮平

亮平

どこ行ってたの!?

涼太

亮平

心配したんだから!!

涼太

…家に居たよ

亮平

え?家?

亮平

ここが家でしょ?

亮平

とぼけないでよ…!

涼太

そんな…

渡辺

……

渡辺さんも流石に黙り込んでる

亮平、そこまで忘れたの?

何で?ひどいよ、

渡辺

渡辺

俺の家だよ…

亮平

えっ……

亮平

じゃあ何でここに居たんだろ…

亮平

覚えてない…

涼太

どうしよう…

渡辺さんが、小さな声で…

渡辺

渡辺

もしかしたら…

渡辺

アルツハイマーかもしれません

涼太

え…?

渡辺

明日、病院に行った方が…

涼太

涼太

アルツハイマーって…?

渡辺

簡単に言えば、若い人がなる認知症みたいなものです。。。

渡辺

それとこれでは同じにしてはいけないんだろうと思うんですけど…

涼太

なるほど…

涼太

アドバイスありがとうございます

涼太

明日、行ってきますね

渡辺

はい。

渡辺

アルツハイマーでは無いことを願っています

涼太

ありがとうございます

俺は、亮平を引き連れ、 自分の家に帰って行った

涼太

りょーへい。

亮平

ん?なに?

涼太

涼太

明日、病院行かない?

亮平

え?

亮平

嫌だ…!

涼太

ダメかな…?

涼太

これ以上忘れるの嫌でしょ?

亮平

ごめんね、涼太…

亮平

でも…忘れるの嫌…

亮平

亮平

病院、頑張ってみる!

涼太

ほんと?!

涼太

ありがとう…!

残念ながら、亮平は

アルツハイマーだった

もう少し早く異変に気づいて、 忘れっぽいのを改善出来たのに

今じゃ、進んじゃってる。

どうしよう。そのうちに、 俺の事まで忘れちゃうのかな?

亮平

亮平

俺、どうなるの?

亮平

全部、忘れちゃうの?

涼太

ごめん、それは俺にも分からない

亮平

…そっか

亮平

アルツハイマー治すように頑張るよ

涼太

うん。俺もサポートするよ

2年後

亮平は日に日に何かを 忘れていった

スマホの使い方、 テレビの使い方、 漢字の読み方、 数学の問題の解き方、

亮平にできる事は 少なくなってしまっている

と、俺は毎日焦り続けた

涼太

俺は思い切って言ってみた。

涼太

……っ、海…行かない?

亮平

…え?

亮平

亮平

うん、いいよ!

…覚えてられたかな?

亮平

でもどうやって?

涼太

車で東京の外に行こうと思ってね

亮平

おー!!

亮平

良いね!ドライブかぁー!

涼太

うん。そうだよ☺️

亮平

運転は…

亮平

俺、もう運転の仕方忘れちゃったし、、

亮平

涼太任せたーっっ!!

涼太

うん、分かったよ。

涼太

じゃあ準備して助手席に乗って!

亮平

うん!

こうして俺たちは 県外の海へ車で 行くことにした。

亮平は“なんで”俺が急に 海行こうって言ったかを 覚えてたかな…?

亮平

着いたー!!!

亮平

海の香りがすっごいね〜!

涼太

(潮の香りのことかな?笑)

涼太

…そうだね笑

涼太

涼太

少し歩こっか

亮平

うん

俺にとって、亮平にとっても、

思い出のある大事な場所―

君は、、、

覚えてるの…?

涼太

涼太

…ここ見たことないかな、?

亮平

……

亮平

ごめん、分かんない…

涼太

そっか、

涼太

しょうがないよね

亮平

うん…

今にも泣きそうな声で言った

亮平

お、俺は…

亮平

何でこんなに忘れちゃったの?

亮平

何ですぐに気づけなかったの?

亮平

もう嫌だよ…

亮平は泣き出してしまった

俺は、何も言わなかった

何も言わなかったけど、

ただ亮平を優しく包み込んだ

涼太

(俺も正直言って怖い)

涼太

(もし俺の事まで忘れちゃったら…)

涼太

(俺が見てない所で事故に巻き込まれたりなんかしたら…)

涼太

(もう俺はどうすれば…)

亮平

亮平

ねぇ涼太?

涼太

ん、どうしたの?

亮平

俺、涼太の事だけは絶対に忘れない

涼太

…っ

亮平

だから、、、

亮平

亮平

ずっとそばにいて欲しい。

涼太

離れるわけ無いから安心して。

涼太

ずーーっと、一緒だよ?

涼太

約束。

亮平

うん!

亮平

…?

俺は小指を出したが、 亮平は首をかしげた。

なぜなら、 「指切りげんまん」を 忘れてしまったからだろう。

涼太

涼太

ほら、亮平も。

亮平

…分かった

亮平も小指を出した

俺はそれを絡ませ、

「指切りげんまん」をした

亮平

嘘ついたら針千本飲むの?!

涼太

それだけ嘘ついて欲しくないからね笑

亮平

にしても針千本はやりすぎじゃない?笑

涼太

そっかぁ。じゃあ100本!

亮平

バカ笑 多すぎだって笑

涼太

冗談だよぉ笑

亮平

なら良かったけど笑

涼太

そろそろ帰る?

亮平

うん、そうだね

亮平

じゃ先車行ってるよ〜

涼太

はいはい。笑

そう言うと、亮平は 車のある方向へと走り出した

車は横断歩道の奥にあった

亮平

亮平が俺の方を向いた

亮平

りょーーたーー!!!

横断中に―

亮平

早く来てー!!!

涼太

分かったから!笑

その時1台の車が…

亮平は気付いていない

涼太

(これはやばいぞ…)

亮平

おーーーい!はやくぅー!!

横断歩道の真ん中で 俺に向かって手を 大きく振っている

涼太

亮平っっ!!!

亮平

なーにー??

涼太

早く渡りきれっっ!!!

俺は全力で走りながら 亮平の元へ叫びながら―

亮平

え??

亮平

何?聞こえないよー!!

涼太

いいから車に早く行け!!!

亮平

なんでーー!!?

涼太

いいから!!!

涼太

涼太

俺が気付いた時には 亮平は吹き飛ばされていた

涼太

…そんなっ

やっと俺は横断歩道に 辿り着いた

涼太

亮平!!!

亮平は吹き飛ばされた反動で 頭を強く打っていた

涼太

おい!!!しっかりしろ!!!

返事はない

ドライバー

ドライバー

えっ。。。

ドライバー

おい、ちょっとお兄さん

ドライバー

しっかりしろって!!

ドライバー

ドライバー

…私、電話します

涼太

お願いしますっ!!

5分後、やっと救急車が来た

人生で初めて5分が こんなにも長いんだと思った

俺は付き添いで亮平と一緒に 救急車に乗った

看護師さん

阿部さん!!阿部さん!!

看護師さん

しっかりしてください!!!

担架に運ばれてる亮平の顔を見て、俺は願った

涼太

亮平!!

亮平

りょ、涼太…?

涼太

ここに居たのか!!

亮平

うん、迷っちゃって…

涼太

心配したんだぞ…

亮平

ごめんなさい…

涼太の雰囲気が微妙に違う?

ま、そんな所も好きだよっ

でも何で俺ってここにいるんだっけ?

全く思い出せねぇ…

涼太

涼太

ねぇ。

亮平

ん?

涼太

亮平は俺の事まだ覚えてる?

亮平

もちろん!!!

涼太

はぁ、、、ありがとう

涼太

じゃあさ、

涼太

“こっちにおいでよ”

涼太

こっちに来ればアルツハイマー治るかもよ?

亮平

え…?

凄く怪しく感じた

でも病気治したいし。。。

亮平

亮平

うん、分かったそっち行く!!

涼太

おいで。

涼太は手を差し出してくれた

涼太

涼太

ここまでよく頑張ったね…

涼太

これからは苦しみ・痛みなど嫌な事なんて無くなるから安心して!

亮平

うん!

亮平は宙(そら)へと 旅立ってしまった

fin.

【解説】 ※分かった方は飛ばしても OKですが、確認として見るのもいいかもしれないですね。

1.なぜ最後のシーンで 背景が空港だったのか

空港は空の玄関口と言います なので、 空(天界)への玄関口つまりは、 「死」を意味しています。

空の玄関口と言いましたが、 空へ旅立つ という意味でも 「死」を意味しています。

空港のシーンの前にあった 出来事は、亮平が車に はねられてしまったという、 何とも言いづらい事がありましたよね。

その事をふまえると、 「亮平が」事故死してしまい、 天界への玄関口から 旅立ってしまった、という 訳です。

2.なぜ天界への玄関口に 生きているはずの涼太が いたのか

※これから具体的に話す内容は実話です

実際に私の親戚の方が 心臓の病気で心肺停止状態になった時に「夢」を見たと仰っていました。

今回のストーリーで言うと、 そのような「夢」は 空港のシーンであり、 生死を彷徨う亮平が見ていた 「夢」だったのです。

親戚の方はご高齢なんですが、 その方、5人姉妹でつい最近 末っ子の方が心筋梗塞で亡くなってしまったんですね。

で何でその方の末っ子さんの話をしているかと言うと、

その方が心肺停止状態の時に 見た夢の中にその方の末っ子さんが居たんですって。

その方よりも前に亡くなっているはずなのに。

その方の末っ子さんが その夢の中で何か語りかけたらしいんです。それは、

「元気?私は元気。でも○○(その方の名前)が居ないと寂しいのよ。だって、私以外まだ生きてるじゃない?だからさ、○○来てよ〜。お願いよ!」

らしいです。 いかにもって感じで 今回のストーリーと合う部分があるんじゃないでしょうか。

少しずつ紐解いていきましょう

では、亮平と親戚の方の違いを 見てみましょう。

親戚の方→行かないと言った 亮平→ついて行った

ついて行く=一緒に天界へ行こう ということになる

行かないと言った→現実世界に戻った(意識が回復する)

だから、亮平は旅立ってしまったのです

まだ理解出来ないよ! って方はコメント欄でもっと 詳しく解説します!

ここまでご覧いただき、 ありがとうございました

リクエストしてくれた方、 大変大変遅くなりました。

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64

コメント

2

ユーザー

感動😭

ユーザー

最後のでなんか泣けそうですわ..💧

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