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年が明けた。

前回会った以来水元から連絡はなかった。

LINEにて

千夏

あけおめー!!

風花

あけおめ!

紗良

あけおめ!

紗良

今年もよろしくお願いします

千夏

イノシシくんからあけおめLINE来た?

紗良

来てない

風花

あれから結構経ってない?

前回会った時のことは 全て2人に報告していた。

卒業したら広島に行ってしまうことも。

紗良

そうなんだよね〜…

紗良

あんなに毎日連絡来てたのに、ぱったり来なくなっちゃった

千夏

気になる?

風花

モヤモヤする?

画面越しに2人が ニヤニヤしているのが思い浮かぶ。

紗良

うーーーーん…………

紗良

気になる。笑

千夏

お〜認めたねぇ

紗良

Facebookの件で、相手のこと気になってるって自覚したからね

風花

うわー両想いかー!!ニヤニヤが止まらない

紗良

かれこれ1週間連絡来てないし、向こうは冷めたかもしれないよ?

風花

いやいやそれはないでしょ〜

千夏

あんなにガンガンだったんだから

紗良

何とも思ってなかった時は私もそう思ってたよ〜…

千夏

何だっけ?
「写真見て可愛い人だと思ってたけど、実物はそれ以上に美人だった」だっけ?LINEで言われたの?

風花

ひゅ〜!積極的〜!

紗良

やめてー!!恥ずかしい

紗良

てか風花までテンション高くない?

風花

見てる側は楽しいんですよ〜

紗良

そうですか…

水元が私に好意を寄せていることは 今までの言動から明らかだった。

なのに、いざ自分も気になり始めたら すっかり自信がなくなってしまった。

千夏

ねぇ、紗良から連絡してみたら?

紗良

えっ

千夏

旅行先で家族と一緒にいてタイミング逃してるだけかもよ?

風花

あ〜それあるかも

風花

ずっと人といるとスマホ見なくなるよね

紗良

うーーーん…

紗良

確かに、いつも向こうから来るの待ってばっかりかも

紗良

でもさ

紗良

私から連絡して、向こうもまだ私のこと好きでいてくれたとしたらさ

紗良

このまま上手くいったら、付き合うことになるじゃん?

千夏

うん

風花

うん

紗良

卒業したら遠距離確定じゃん?

紗良

私まだそこまでの覚悟出来てないんだけど……

千夏

考え過ぎじゃない?

紗良

え?

風花

私もそう思う

風花

紗良は真面目だし誰とでも上手くやっていけるタイプだから、水元くんと付き合い始めたらまず高校卒業まで続くのは分かってる

風花

その先の、遠距離恋愛に突入するのも分かってる

千夏

うん、分かってる

千夏

でもさ、未来のこと心配してたら動けなくなっちゃうよ

千夏

将来のこととか抜きにして、自分の気持ちはどうなの?

風花

余計なことは全部取っ払って、紗良の心はどうしたいの?

紗良

………

紗良

私は…

付き合いたいよ。

自分のことをまっすぐ見てくれる人と 出会えたんだから。

正直、めちゃくちゃ好き!! って思えるほどの恋愛感情はないけど

正博のことも 完全に吹っ切れた訳じゃないけど

「女は愛される方が幸せ」という話を 風花と千夏とよくしていたから

そういう幸せを知ってみたいと思った。

1月10日。

紗良

お待たせ

紗良

久しぶりだね

水元

久しぶり

水元

あけましておめでとう

紗良

あ、そっか、まだあけおめだったね

紗良

旅行、おかえりなさい

水元

ただいま

水元

行こうか?

紗良

うん

あの後、結局自分から あけおめLINEをした。

意外とすぐに返ってきて、 今日の約束を決めたのだった。

紗良

ディズニー映画なんて久々に見るかも

水元

俺も

ご飯以外のデートは初めてだった。

映画を見ている間、 緊張して上手く息が出来なかった。

咳払いをするとか、 飲み物を飲むとか、 じっとしていられなくて 座りなおすとか、 いつもしていることが出来なかった。

紗良

(手…繋がれたりしないのかな)

そんなことまで悶々と考えていたが、 水元くんはじっと映画を観ていた。

紗良

……っは〜〜〜

紗良

久々に映画観たら疲れた〜

水元

おもしろかったね

紗良

ね、途中おもしろくて普通に声出して笑っちゃったよ

水元

この後どうしようか?晩ごはんにはまだ早いけど

紗良

(あれ、今回は映画観て終わりじゃないんだ)

紗良

うーん…特にこの辺ですることないよね…

水元

場所移動する?

紗良

そうだね

観覧車のある ショッピングモールに移動した。

お店を見て回って、ご飯を食べたら そろそろ帰る時間になっていた。

紗良

駅向かう?

水元

うーん……

水元

もう少し歩かない?

紗良

…うん、いいよ

ドクン。

心臓がうるさくなってきた。

紗良

(何か、今までと違う気がする)

紗良

(これは…来るかな?)

2人とも無言のまま、 ショッピングモールをぐるぐる回った。

同じところを何回も何回も。

何周かした後、外に出た。

2階の、駅まで向かう通路の途中に バルコニーのようなスペースがあった。

手すりから少し身を乗り出して 下を見下ろす。

イルミネーションが綺麗。

何分か沈黙が続いた。

「寒いし、そろそろ帰ろうか?」

何度もそう言おうと思った。

でも、何か大事なことを 言われるような気がして、 言わなかった。

水元

…あのさ

紗良

…うん?

水元

気になる人いるんだよね?

紗良

えっ

紗良

う、うん…うん…

紗良

うん、、うん

動揺し過ぎて 「うん」しか言えなかった。

紗良

(お前だよ!)

と心の中で突っ込む。

また沈黙が始まった。

水元

………ふぅ〜〜〜…………

ドクン。

紗良

(……来る、気が、する)

水元

あの……

目が合った。

心臓が爆発しそう。

水元

幸せにするので、付き合ってもらえませんか

目を瞑って手を差し出してきた。

紗良

(…えっ、え?手?どういうこと?握ったらいいの?)

半分パニックになりながらも 手を握った。

水元

………

それでも目を開けない。

紗良

えっと……?

紗良

おーい

手を上下にぶんぶん振ったら、 やっと目を開けた。

水元

………

水元

本当に?

水元

本当にいいの?

紗良

うん、よろしくお願いします

水元

………っは〜〜〜〜〜〜〜

水元

よかった……

握った手は そのまま恋人繋ぎになった。

紗良

いやいや、今まで私結構態度に出してたよ?分かってたでしょ?

水元

気になる人って俺のことかなって思う節は何回かあったけど、自信なかった

紗良

それでよく言ってくれたね…

水元

本当によかった……

水元

これからよろしくね

紗良

うん

水元

遅くなっちゃったし帰ろうかって言いたいところなんだけど、最後に観覧車乗らない?

紗良

うん?いいよ?

恋人繋ぎのまま観覧車に向かった。

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