わたしのアール
私屋上で靴を脱ぎかけた時に
三つ編みの先客に声をかけてしまった
口をついて出ただけ
本当はどうでもよかった
先を越されるのがなんとなく癪だった
三つ編みの子は語る
どっかで聞いたようなこと
ふざけんな!
そんなことくらいで
私の先を越そうだなんて!
欲しいものが手に入らないなんて
って
三つ編みの子は消えてった
と靴を脱ぎかけたらそこに
背の低い女の子
また声をかけてしまった
背の低い子は語る
クラスでの孤独を
って
ふざけんな!
そんなことくらいで
私の先を越そうだなんて!
それでも家では愛されて
と泣いて
背の低い子は消えてった
そうやって何人かに
声をかけて
追い返して
私自身の痛みは
初めて見つけたんだ
似たような悩みの子
何人目かにあったんだ
黄色いカーディガンの子
と言った
口をついて出ただけ
本当はどうでもよかった
思ってもいないこと
でも声をかけてしまった
ああ、どうしよう
この子は止められない
って
目を伏せたまま消えてった
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