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原谷
はあっ、はぁ…
佐竹
かりん…
佐竹
もしかして、
もうやっちゃった？
もうやっちゃった？
原谷
ど、どうしよう
原谷
こんなつもりじゃないのに
原谷
殺す気なんて無かったのに
ああああああああああああああああああ
苦しむ西川を見る
あー、きっと彼に罪は無かったのに
ただ私のことが好きなだけで もしかしたら、何も知らないのかも
それなのに私は…私は、
原谷
私って最低だね
佐竹
そんなことないよ…
佐竹
少なくとも10年間ほど
一緒に居た私から見れば。
一緒に居た私から見れば。
原谷
そっか、佐竹ちゃんとは
原谷
もう10年も一緒に居たのか
原谷
でも流石にこれは無いよ
原谷
もし、佐竹ちゃんがこんなことしてたら、
原谷
私はドン引きしちゃうよ？
佐竹
じゃあさ、
佐竹
原谷が最低な人ならば
佐竹
そんな最低な人を許しちゃうような私の方が
佐竹
イカれてると思わない？
原谷
…ははっ
原谷
確かに！笑
何勝手に意気投合してんの
私は殺人という罪を犯したんだ
人を殺めてしまった この手で、この私の手で
原谷
け、警察行きだぁぁああ
原谷
もう、お終いなんだ
佐竹
原谷
佐竹
この遺体さ、
山に埋めに行かない？
原谷
へ？
原谷
そんなこと、していいの？
佐竹
もちろんダメに決まってる
佐竹
そもそも殺人を犯したところでダメだ
佐竹
折角逮捕されるのなら
佐竹
最後の一日くらい楽しもう
原谷
…佐竹ちゃん
原谷
本当に大好き
佐竹
私も
やっぱり原谷は変わんねーな 昔っからこの性格だよ
やっぱり佐竹ちゃんも変わらないね 相変わらず、この性格だもん
原谷
ふー、風呂場に着いた
佐竹
取り敢えず、埋める準備が出来るまでは
佐竹
西川はここに居てもらう
原谷
私たちのはどうする？
佐竹
しばらくは銭湯に行こうか
原谷
うん、分かった
佐竹
さて、どうする？
原谷
どうするって言われても、殺人なんてしたことないよ…
佐竹
私だって無いわ！！！
原谷
服は脱がせた方がいい？
佐竹
こんな男の裸なんて誰も見たきゃあないだろ
原谷
それもそっか
佐竹
…本当に死んだのか？
原谷
え？死んでるに決まってるんじゃないの？
佐竹
稀に、刺しどころが悪いと
生きてることもあるんだよ
生きてることもあるんだよ
原谷
確かに…脈を測ろう
佐竹
息はしてる？
原谷
してない、死んでるよ
佐竹
はぁ…完全犯罪だな
原谷
今、凄く重みを感じる
原谷
まだ刺した感触が残ってる
原谷
殺した自覚を持ったよ
佐竹
重たいな
佐竹
もしお前が捕まるのなら
佐竹
私のことも呼んで
佐竹
共犯ってことにしよう
佐竹
ま、実際共犯だけどな
原谷
でも、佐竹ちゃんは
別に刺して無いよ…？
別に刺して無いよ…？
佐竹
何バカなこと言ってんだよ
佐竹
私が遺体を埋めようって言ったんだ
佐竹
立派な犯罪だよ
原谷
そっ、か…
佐竹
もしもの時は、一緒に
同じ長さの刑を受けよう
同じ長さの刑を受けよう
佐竹
死刑の時は、一緒に死のう
佐竹
無期懲役なら、死ぬまで一緒に居よう
佐竹
私は、それぐらいの覚悟を持ってる
原谷
さた、け、ちゃん…
原谷
そんなに覚悟を持ってたなんて、
原谷
私はまだまだだった
原谷
殺すんじゃ無かった
佐竹
そんなこと言うな
佐竹
そんなこと言ったって、
もう過去は帰って来ない
もう過去は帰って来ない
佐竹
タイムスリップ出来るわけでもない
佐竹
もう、諦めよう
佐竹
潔く認めたもん勝ちだから
佐竹
私たちはたった今
この瞬間から
この瞬間から
佐竹
犯罪者として世の中を生き延びていく
原谷
犯罪者…
佐竹
大丈夫
佐竹
ずぅっといっしょに、
二人きりで居よう
二人きりで居よう
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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