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その日の放課後

実咲

優奈〜私、先に帰っても良い?
行く所あって

優奈

あ、うん 全然大丈夫だよ!
多分案内に時間掛かるだろうし…

優奈

だから大樹も先に帰ってて?

大樹

わかった
じゃあまた明日な

実咲

じゃあね〜

2人の背中を見送ると 教室は碧山くんと 私の2人きりになった。

優奈

じゃあ碧山くん、案内するね

嶺斗

……

相変わらず無愛想 でも着いて来てくれるから 大丈夫だよね

優奈

ここが職員室で

優奈

こっちが図書館で……

1階から4階まで隈無く 教室を教えて行った。

そして少し重いドアを開いた。

優奈

ここが…屋上だよ

優奈

屋上の鍵が空いてる学校って
かなり珍しいみたいなんだけど
碧山くんの学校はどうだったの?

嶺斗

屋上…あったけど、一応

優奈

そうなんだ!

優奈

ここ、私のお気に入りの場所なの
あんまり人が来ないから
考え事する時には丁度良いの

嶺斗

ふぅん…
お前に悩みなんてあるんだ

優奈

私も人間だし1つのふたつやあるよ!

嶺斗

…てかさ、あの2人まだ居るけど?

優奈

へ…?2人って…

屋上から正門の所を見ると 大樹と実咲らしき人がいた。

優奈

あぁ、あの2人は
私と会う前から仲良いから…

嶺斗

危機感とかねぇの?

優奈

危機感…?

嶺斗

だって倉島って
お前の彼氏じゃねぇの?

優奈

あれ、バレてる……?!

嶺斗

休み時間の度に話してるんだから
バレバレだろ
てかお前らうるさい

優奈

あ…それはごめんね
でも実咲も大樹も元々仲良いから
別にあんまり気にしてないんだ

嶺斗

へぇ…そういうもんだな

優奈

碧山くんは友だち作らないの?

嶺斗

は?何、いきなり?

優奈

休み時間にいつも1人で
音楽聴いてるでしょ?

嶺斗

俺は誰かと居るより
1人で居るのが好きなだけ

優奈

あ…そっか、何かごめんね…

他愛のない会話をしていると 下校のチャイムが鳴った。

優奈

そろそろ帰らないとだね

嶺斗

………

優奈

碧山くんはこっち?

嶺斗

うん

優奈

あ、そうなんだね

優奈

私もこっちなんだ

嶺斗

…あっそ

家までの帰路は会話なし。 だけど不思議と気まずさは 感じなかった。

優奈

碧山くんは部活何かはいるの?

嶺斗

入らねぇよ、めんどくせぇ

優奈

そうなんだ…
私も部活入ってないよ

嶺斗

何で…?

優奈

何でって……

そうこう話しているうちに 家に着いてしまった。

優奈

あ、じゃあ私ここだから

嶺斗

え…嘘だろ?

優奈

いや…嘘じゃないけど…?

嶺斗

俺の家、お前の向かい…

優奈

嘘…?!

確かに人が引っ越してくるとは 聞いたけどまさか 碧山くんのお家だったとは…!

嶺斗

まあ、いいや
俺早く帰んないと

優奈

そっか、じゃあまた明日

嶺斗

ん、

驚いたこともあるけど 学級委員同士 少し進展出来て良かったかも…。

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