【ガッチマンside】
昔からおれは 恋人を愛しすぎる傾向にあった
恋人がおれ以外の男と 話していれば嫉妬し
おれ以外のことを 優先しようものなら おれの愛が分かるまで あらゆる手を尽くして とことん教え込んだ
だから分かっている
元カノたちが おれの元から去っていった理由が…
そんな元カノたちの中で 一人だけこんなおれを 受け入れてくれる人がいた…
ガッチマン
夏帆
時計は19時を指している
夏帆
ガッチマン
夏帆
ガッチマン
夏帆
夏帆
ガッチマン
ガッチマン
夏帆
ちゅっ♡
夏帆
ガッチマン
でもしばらくして彼女も 他の元カノたち同様 おれの前からいなくなった
夏帆がいなくなって 1年半くらい経ったある日
ふと とあるアプリゲームが 目に留まった
『癒しと安らぎのファンタジーRPG』
ガッチマン
ガッチマン
『仲良くなったプレイヤーや 恋人と「結婚」して 限定クエストに挑み 報酬をゲットしよう♪』
ガッチマン
ガッチマン
その程度にしか思ってなかった
だから期待してた訳ではない
ただこのまま夏帆のいない モノクロな世界にいたくなくて おれはこのゲームを始めた
ー数か月後ー ー黄昏月・ギルドー
あかり(副団長)
あかり(副団長)
ガッチマン
ガッチマン
ゲームをし始めてから しばらくして この「あかり」に猛アタックされ 結婚したのだが
まだまだ経験の少なかったおれは いつもみんなが見ているギルチャで あかりにお叱りを受けていた
あかり(副団長)
ガッチマン
あかり(副団長)
あかり(副団長)
あかり(副団長)
仁
愛菜
ガッチマン
あかり(副団長)
愛菜
仁
あかり(副団長)
あかり(副団長)
サラ
サラ
あかり(副団長)
あかり(副団長)
あかり(副団長)
ガッチマン
サラ
仁
あかり(副団長)
あかり(副団長)
あかり(副団長)
ガッチマン
あかり(副団長)
あかり(副団長)
ログアウトするあかり
ガッチマン
愛菜
仁
仁
『ギルマスが現れました』
サラ
美月(ギルマス)
サラ
美月(ギルマス)
美月(ギルマス)
愛菜
ガッチマン
仁
美月(ギルマス)
美月(ギルマス)
サラ
美月(ギルマス)
ガッチマン
この頃のおれは何故か 「あかりの言う通りにしなければ」 という思いが頭を巡っていて
ガッチマン
こうして野良パテで 毎日、練習していたある日 うっしーに出会った
ー日課終わって・街エリアー
ガッチマン
野良プレイヤー(ネコ)
次々と野良プレイヤーが パーティーを抜ける
ゆうこ(牛沢)
ガッチマン
ゆうこ(牛沢)
ガッチマン
ゆうこ(牛沢)
ガッチマン
ガッチマン
ガッチマン
ゆうこ(牛沢)
ガッチマン
ガッチマン
ゆうこ(牛沢)
ゆうこ(牛沢)
ゆうこ(牛沢)
ゆうこ(牛沢)
ゆうこ(牛沢)
ガッチマン
ガッチマン
お礼を言われるとは思っていなかった
役立たずと罵られても 仕方ないとさえ思っていた
でも、うっしーは そんなことなくて パテを抜けたあとも…
「今回は本当にありがとうございました 楽しかったです あの、あまり 無理はなさらないでくださいね? 良かったらまた ご一緒させてください」
ガッチマン
なんて優しい人だろう
この人とまた出会えたら
この人と一緒にいられたら
" この人がおれのものに なってくれたら… "
この日を境に おれのうっしーへの想いは 一気に膨れ上がった
かと言って ゲームではすでに あかりと結婚していた為 うっしーに対し表立って 何かをすることは無かったが
いつしか モノクロだった リアルの世界は色付き
あんなに息苦しかった ゲームの世界も 心地良く感じ始めた頃
あかりが一方的に 離婚申請をし 黄昏月からいなくなった
あかりがいなくなって 数週間後
ギルマスが それなりに強くなったおれを ずっと空席だった副団長に任命した
副団長になってから 「とら」としての責任感が増し より一層強くなっていったが 考えることは相変わらず うっしーのことだけ
ガッチマン(副団長)
問題は、稀にだが 未だに「ウサギ」を 死なせてしまうこと
ガッチマン(副団長)
もう二度とゆうこさんを 死なせないように…
…いや
ゆうこさんに傷ひとつ 付けさせてはならない
ゆうこさんに ガッカリされない為にも おれが完璧に「うさぎ」を 守れるようになるまでは
ガッチマン(副団長)
美月(ギルマス)
ガッチマン(副団長)
美月(ギルマス)
ガッチマン(副団長)
美月(ギルマス)
美月(ギルマス)
ガッチマン(副団長)
サラ
ガッチマン(副団長)
美月(ギルマス)
サラ
ガッチマン(副団長)
サラ
サラ
ガッチマン(副団長)
美月(ギルマス)
サラ
ガッチマン(副団長)
サラ
美月(ギルマス)
サラ
サラ
サラ
美月(ギルマス)
サラ
美月(ギルマス)
サラ
ガッチマン(副団長)
サラ
美月(ギルマス)
サラ
美月(ギルマス)
ガッチマン(副団長)
普段他人に固執しない ギルマスですら ここまで言うほど ゆうこさんはモテてる上に よくプロポーズを…
ガッチマン(副団長)
ギリィ…
無意識にスマホを持つ手に 力が入るガッチマン
…他の男に
ゆうこさんは渡さない…
愛菜
美月(ギルマス)
仁
サラ
愛菜
美月(ギルマス)
仁
ガッチマン(副団長)
おれが完璧に 守れるようになるまで 一緒に日課が出来ないとなると 頻繁に話し掛けることでしか アプローチが出来ない
だけど、ゆうこさんがギルドに 来てくれるのなら 自然と話し掛けやすくなる…
ガッチマン(副団長)
ゲームの中だけど リアルのように
" あなた以外考えられない " と おれの想いがちゃんと伝わる プロポーズを…
ガッチマン(副団長)
こうしておれは うっしーに本気でプロポーズをし うっしーとゲームの中で 結婚する事が出来た
ただ、やはりというか 当然、おれの想いは ゲームの中だけでとどまる訳もなく
日に日にうっしーと 親密になっていくのに比例して
ガッチマン(副団長)
" リアルの君はどんな顔をして どんな風に笑うんだろう "
" どんな声をしていて どんな風におれの名を 呼んでくれるんだろうか "
そんな純粋だった想いも 気付けば…
ガッチマン(副団長)
おれの愛を受け止め ちゃんと返してくれるうっしーが 愛しくて可愛くて
おれだけの奥さんなんだと 実感する度に うっしーのことを 抱きたいと思うようになった
でも、この時のおれは そうする術を 持ち合わせていなかったばかりか
単純なことなのに 思いつきもしなかった
…そう、単純なことだったんだ
愛菜
ガッチマン(副団長)
ガッチマン(副団長)
" リアルで会えばいいんだ… "
その後リアルで会うことになった
だけど会う直前になって 急に「やっぱり会えない」と うっしーが言い出して…
ー某駅前ー
ガッチマン
スマホ画面を見つつ 辺りをキョロキョロと 見渡すガッチマン
ガッチマン
牛沢
ガッチマン
自分より小柄で 白い服を着た黒髪の男性が 声を押し殺しながら 駅の壁を向いて泣いている
ガッチマン
て、早く ゆうを見つけないと…
牛沢
ドクンッ
ガッチマン
もしかして、ゆう…?
いや、ゆうは女性だ
ガッチマン
誰にでもモテそうなくらい 可愛くて
めちゃくちゃに 抱き潰したくなるくらい 愛しく感じるこの男性が ゆうな訳…
ガッチマン
牛沢
ガッチマン
牛沢
ガッチマン
この男性が " ゆう " だと 確証した訳ではない
でも、この男性が " ゆう " だと
" ゆう " であってほしいと 望んだ時には体が動いていて…
ぐいっ!
牛沢
男性の腕を引っ張るガッチマン
牛沢
ガッチマン
牛沢
明らかに動揺している男性
ガッチマン
やっと、会えたね…
うっしーと正式に 付き合うようになってから 毎日が幸せに満ち溢れていた
どんなに仕事で嫌な事があっても うっしーの存在を感じる度に癒され
休みの度にうっしーと ホテルや旅館に泊まり 愛を深め合える最高の人生
だから仕事が忙しくて ほんの短い間 うっしーと会えない日が続いても
あんなに傷付き 2年も引きずっていた 元カノから連絡があり 会うことになっても 全然平気だった
むしろ元カノに対して 微塵も好きや恨みの感情はなく
「お願い…頼れるの ガッチさんしかいないの…っ」
ただ純粋に 困ってる人を助けたい一心で 行動していた
…本当に
ただそれだけ、だったのに……
ガッチマン(副団長)
『伴侶のゆうこが 離婚の同意を求めています 承認しますか?』
ガッチマン(副団長)
ガッチマン(副団長)
おれはどこで間違えたんだ…?
愛する人と 別れなければならない程の 間違いをどこで…
ー離婚して約1ヶ月後・深夜ー ーガッチマン家・寝室ー
ギシッ…
ガッチマン
目を覚ますガッチマン
ガッチマン
ガッチマン
ガッチマンにまたがるようにして 夏帆が座っている
夏帆
ガッチマン
夏帆
夏帆
ガッチマン
夏帆
ガッチマン
夏帆
夏帆
ガッチマン
夏帆
夏帆
夏帆
夏帆
ガッチマン
夏帆
ガッチマン
ガッチマン
夏帆
夏帆
夏帆
夏帆
夏帆
ガッチマン
夏帆
夏帆
夏帆
ガッチマン
夏帆
夏帆
ガッチマン
夏帆
夏帆
夏帆
夏帆
ガッチマン
夏帆
夏帆
夏帆
ガッチマン
ガッチマン
気付いた時には 夏帆を抱いていた
永遠の愛が欲しくて
永遠に愛されたくて…
ー数日後ー ー黄昏月・ギルドー
美月(ギルマス)
サラ
ガッチマン(副団長)
愛菜
ガッチマン(副団長)
ガッチマン(副団長)
愛菜
仁
ガッチマン(副団長)
ガッチマン(副団長)
ガッチマン(副団長)
サラ
ガッチマン(副団長)
仁
仁
愛菜
ガッチマン(副団長)
ガッチマン(副団長)
ガッチマン(副団長)
愛菜
サラ
美月(ギルマス)
美月(ギルマス)
仁
美月(ギルマス)
仁
美月(ギルマス)
ガッチマン(副団長)
「こんばんは ちょっと話せますか?」
ガッチマン宛に メッセージが届く
ガッチマン(副団長)
ー数週間後・某ホテルー
ガッチマン
ぐちゅっ…
「っ…///」
相手の入口に ガッチマンのを押し当てている
ガッチマン
グチュンッ!!
「んうぅっ////」
一気に奥まで入れる
ガッチマン
ガッチマン
レトルト
レトさんを初めて知ったのは 黄昏月でうっしーに
「初めてフレンドになった人」
と紹介された 「レトナ」という女キャラでだった
紹介されたと言っても そこまで深く 関わることはなかったのだが
リアルで結婚した事を ギルドで報告した日に メッセージをくれて
黄昏月と両立している 「淡月」というサーバーで 男キャラ「レトルト」で遊んでた時に うっしーが来たこと
レトさんが想いを寄せていた 「キヨ」という男を うっしーが横取りして 仲良くなったこと
うっしーが おれのことなど 忘れてるかのように 毎日楽しく遊んでることなど聞いた
ガッチマン
そこまではなんとか 耐えられた
耐えることが出来たんだ
いつかきっとうっしーは黄昏月に… " おれの元に帰って来てくれる " と信じていたから
でも、その数日後
うっしーは「キヨ」と 結婚してしまった…
ガッチマン
" あんなに言葉でも体でも 愛し合ってたのに 何故、他の男と… "
底知れる悲しみと 行き場のない憤り
どうにもならない現実を 受け入れられず
おれはレトさんにうっしーを
レトさんはおれに 「キヨ」という男を重ね
何度も何度も慰め合った
グヂュグヂュジュプッ!!
レトルト
ガッチマン
レトルト
ガッチマン
レトルト
びゅるっびゅるるっっ
ガッチマン
レトルト
行為中は「うっしー」に触れ 愛し合えることに 幸せを感じるものの
済んだら何もかもが空っぽで その度にうっしーしか おれを満たすことが出来ないのだと 現実を突き付けられる…
ガッチマン
ガッチマン
レトルト
ガッチマン
レトルト
レトルト
レトルト
レトルト
ガッチマン
うっしーを手に入れたら 絶対離さない
もう二度と
そんな間違いを 起こさせたりはしない…
ー現在ー
ガッチマン
キヨと離婚させて
淡月をやめさせ
うっしーをおれだけのものに…
ガッチマン
あとは時間を掛けてゆっくりと
" うっしーが誰のものなのか "
" うっしーは 誰の奥さんなのか "
ガッチマン
必要とあれば監禁して
何度も何度も おれの愛を注いで…
夏帆
ガッチマン
隣で横になっている 夏帆を見るガッチマン
夏帆
ガッチマン
ガッチマン
ガッチマン
夏帆
夏帆
ガッチマン
夏帆が目を閉じるのを見届け 夏帆に背を向けるガッチマン
ガッチマン
いくら親が来てるとはいえ 愛する夫のためなら 時間は作れるはず…
ガッチマン
ピロンッ♪
ガッチマンのスマホに メッセージが届く
ガッチマン
メッセージを読むガッチマン
ガッチマン
ギリィ…
スマホを持つ手に力が入る
ガッチマン
明日が楽しみだよ うっしー…
【レトルトside】
今までおれが好きになった人は みんな一途だった
他の人に目移りするどころか 恋人に誤解されないよう 他人とは距離を置き 恋人にだけ尽くす
レトルト
ただ、その好きな人が おれを好きになってくれるかどうかは また別の話な訳で…
ー数ヶ月前ー ー夜・公園ー
レトルト
陸
レトルトに気付き 手を振る男性
その隣に女性が立っている
レトルト
2人に近付く
レトルト
女性が顔を真っ赤にして泣いている
レトルト
陸
杏
陸
杏
陸
杏
レトルト
レトルト
杏
スマホ画面をレトルトに向ける杏
そこには陸と見知らぬ 女の子が抱き合っている
レトルト
陸
陸
杏
陸
杏
泣き出す
レトルト
杏に近付き背中をさする
レトルト
陸
レトルト
杏
杏
レトルト
杏
杏
レトルト
杏
レトルト
レトルト
おれがお前に 送ったんだもん♪
杏
レトルト
ねえ、分かってる?
こんな身に覚えのない事で お前に責め立てられてるのに 陸は声を荒げる事無く優しくて
今でも心配そうに お前のことばっか見てて…
…どれだけ恵まれてるか 分かってる?
陸
杏
陸
杏
レトルト
レトルト
おれなら陸を分かってあげられる
疑ったりせず 陸のことを信じてあげられる…
陸も分かったよね?
こんな女じゃなく もっと陸の事を理解して 信じてるおれがそばにいることを…
陸
レトルト
杏
陸
陸
杏
……結局、いつも通り…
レトルト
どんなに揺さぶっても アピールしても…
レトルト
おれに振り向くどころか 視界にすら入らない…
レトルト
杏
陸に抱きつく杏
杏を優しく抱きしめる陸
陸
杏
レトルト
……本当…
見る目だけはあるのにな…
だから、うっしーが 本当にあの「ゆうこちゃん」だと 知った時は許せなかった
誰にでも好かれ
一途な恋人を 手に入れたのにも関わらず その恋人を捨てたばかりか いまだに思われ
その上 おれの好きな人まで奪って 幸せそうに笑っているあいつを…
「……と会うから 明日は誰とも会えない」
レトルト
スマホを手に取り メッセージを送るレトルト
メッセージに「既読」が付く
レトルト
どんなにバカでも 流石に分かってくれるよね?
あんたが誰のもので
キヨくんにあんたは 相応しくないってことを…
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