テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
rara🎼
rara🎼
声にならなかった俺の音
rara🎼
rara🎼
rara🎼
すち
なつ
こさめ
いるま
らん
みこと
緑様虐められ注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️
rara🎼
rara🎼
rara🎼
rara🎼
朝の教室。
窓から差し込む光が、まるで何事もない平穏を装っていた。
だが、教室の中に居た誰もが、その“異常”を目にしていた。
すちの机の上。
花瓶に挿された一輪の白い花。
それは、死を象徴する花。
静かに、しかし確かに、そこに置かれていた。
ざわ……という空気の振動はない。
代わりに、教室の一角から__
いじめっ子
いじめっ子
くすくすと笑い声。
見て見ぬふりを決め込んで、教科書に目を落とす生徒達。
誰一人として声を上げない。
止めない。
__ああ、もう駄目だ
胸の奥で、何かが音を立てて壊れた。
何度目か分からない心の破裂に、すちは椅子を引くことすら忘れ、ただ踵を返す。
逃げるように走った。
その先が、屋上だと分かっていながら。
風が吹いていた。
誰もいない朝の屋上。
フェンスの向こう、世界はきらきらと青かった。
鳥が飛んでいく。
自由そうに、軽そうに。
すち
つぶやく声は誰にも届かない。
手をかける。
フェンスの上に立つ。
風が、制服の裾を揺らす。
すちの瞳に、涙は無かった。
ただ、感情の抜け落ちた顔で、空を見つめていた。
__その時だった。
?
誰かの声。
肩を掴まれ、ぐいと引き戻される。
バランスを崩して転がるすちの腕を、強く、確実に掴んでいたのは__
いるま
社会教師・紫藤いるまの声だった。
すち
すち
涙が、溢れた。
抑え込んでいた感情が、堰を切ったように溢れ出す。
すち
すち
いるま
胸を打ち付けるような叫び。
いるまは、何も言わなかった。
ただ、黙って抱きしめた。
その腕の中で、すちは子供のように大声で泣きじゃくった。
やがて、泣き疲れて__静かに、眠った。
目が覚めると、そこはどこかのベッドだった。
窓から射す光。
消毒液の匂い。
そして、柔らかく掛けられた毛布の感触。
らん
優しい声がした。
顔を向けると、そこには養護教諭・桃瀬らんの姿があった。
マグカップから立ち上る湯気。
白衣のポケットにしまい込まれた体温計。
らんは安心したように笑い、ふうっと安堵の息を吐いた。
らん
らん
その声に、すちは少しだけ、頷いた。
途切れ途切れに、けれど確かに、今までのことを話した。
クラスでの虐め。
担任の無視。
家庭での孤独。
言葉にして、涙にして、全部吐き出した。
らんは一言も遮らなかった。
ただ、横に座って聞き続けていた。
そして__
らん
らん
らん
らん
その言葉は、嘘みたいにあたたかくて。
すちはようやく、小さく頷いた。
__その日から、保健室での新しい日々が始まった。
rara🎼
rara🎼
rara🎼
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡10
rara🎼
rara🎼
rara🎼
rara🎼
rara🎼